少女はただ青い青い空を仰いだ②
②
どうやら、ここは東京の真ん中らへんの市であるということだけは分かった。
何故ここに自分がいるのか
そもそも何が起きたのか
何故高校生が私の名前を知っているのか
私の中に疑問が絶え間なく芽生えた。
一つだけ分かったのは、私の容姿が高校生であるということ
そして今高校に通っており、先程の子達からいじめにあっているということ
全く、進学校だというのに典型的ないじめがあるとは嘆かわしい。
そして私は最大の壁にぶち当たった。
「私…の家はどこなんだろう…」
当然見たこともない土地に突然現れ、家もなければ知り合いもいない
尤も一方的に知られている相手はいたのだが
こんなところで私はどう過ごせば良いというのか。
私は、駅を出てマックに足を運んだ。
財布の中を見ると100円玉が3枚
「クレジットもなしにどう生きるのよ…」
呆れて独り言が飛び出すほどだった。
仕方なくアイスコーヒーをすすりながら考えることにした。
奇しくもこの時代にはスマホは無く
調べ物をしようにも携帯すら手元には無かった。
絶望だ。
夜を過ごす場所もないというのに
私はどうすれば良いのだろうか。
店内では勉強する者や、楽しそうに談笑する男子学生
悪口で盛り上がる女子学生がいるばかりであった。
あぁ…頭が痛い。
まだ現実に頭が追いついてないこともあり
事の重大さに体が対応していないのだが
脳はこの事実を重く受け止めていた。
能天気な男子2人は彼女を作ろうと高笑いをしている。
人の気も知らないで…
とばっちりもいいところだが私のストレスを誰か第三者にぶつけずにはいられなかった。
お母さんお父さん…
私はどうすればいいの
自然と私の頬を涙が伝った。
その時だった
「あの…大丈夫ですか?」
1人の男子学生が私に声をかけてきた。
「え、あ…ごめんなさい!」
誰に取り繕う必要があるわけではないが私は平気を装った。
彼は優しく微笑み
「大変なんですね。」
一言労いの言葉をくれた。
彼は見ず知らずの泣いている女の子に
事情も理由も聞かず寄り添ってくれたのだ
私はその日物心ついてから初めて盛大に泣いたのだった。それはもう無様に声をあげて。
彼は慌てることもなく私の向かいの席に腰をかけて、ただ見守ってくれていたのだった。
私はその日見事に恋に落ちたのだった。
彼、小島春樹に対して。
仕事が忙しくて、メンタルも追い込まれて
ストレス発散が書いてる時くらい。
あぁ人生たのしいや笑




