少女はただ青い青い空を仰いだ①
その時私は駅のホームにいた。
私の身体は電車とすれすれの位置にあった
私の視界は高速の鉄の塊で覆われていた
電車が過ぎ去ってなお、しばらく私の身体は動かなかった。
反対側のホームで高校生達が私をジロジロ見ている。
「ここどこ」
この世界に来て初めて発した言葉だった。
声が幼い
手も若々しい
…見慣れないスカートが目に入る
白昼夢…というにはあまりに知らない光景である。
「あんた死ぬんじゃなかったのかよ」
後ろから笑い声と共に声が聞こえた
振り返ると見覚えのない高校生がこちらを見ていた。
私の周り…には誰もいないから私か。
「なにか?」
つい敵意を剥き出しで返事をしてしまった。
少し場の空気が凍りついた
先程まで笑っていた2人もピタリと止まり
こちらを睨んでいるようだった。
「は?なにあんた」
リーダー格のような女は私に向かって歩いてきた
「あんたが死ぬって言ったから見ててやったんだろうが。吉崎」
そう言うと彼女は私の襟首を掴んできた
「あなた…私のこと知ってるの?」
「は?舐めてんのお前」
私と彼女の問答は会話になっているようでねじれの関係にあった。
この子はなにを言っているんだろう
というか私は何故高校生に絡まれているのだろうか
「ちょっと離してくれる?」
彼女の手を振り払った
取り巻き2人が彼女のもとに歩み寄ってきた
一言二言話し合った後に私に向き直った
「お前、明日覚えとけよ?」
そういうと、彼女達はその場を去っていった
「……」
内心震えが止まらなかった
知らない年下の女の子に詰め寄られ
一歩後ろは線路のこの状況
取っ組み合いになったら転落は避けられなかっただろう
「なんなんのよ本当に」
私はその場にへたり込んだ
その日は特に暑い夏の日のことだった
女子の側から見ても分かるいじめを見たことがないので想像になりますが
多分相手が反抗してきたら、陰湿ないじめに変わったりする…イメージです。
どうなんでしょう。。。




