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止まらない止まらない止まらない④


「………」


春樹は茶化すこともなく、真っ直ぐこちらを向いて話を聞いていた。


「…それで今、記憶の混線で脳が正しく機能なってこの病院に運ばれてきたってわけなんだ。」



頭から終わりまで、口に出して説明したことはこれまでの200年近くで一度も無かった。


気持ちが楽になった。




この時間軸になってからは、色々とイベントが忙しかったから深く考えてこなかったが、人生を何度も何度も繰り返して普通の人間なら認知症になる年齢以上、脳を酷使していたのだから今回のパンクは十分に納得のいく出来事だ。



だが、よく考えてみたらこの時間軸が濃い時間だからか

すでに70年以上の記憶は無くなっている


きっかけがあれば思い出すのだろうが。





「そっか。」


春樹は一言呟いた後、しばらく黙っていた。





「正直信じらんねぇ。」


当然の反応だ。



「ただ、お前がこんなゴテゴテの嘘話をろくに知らない相手に…あ、お前は俺のこと知ってるんだよな。」


この不可思議な現状に頭を掻き毟る。



「とりあえず、こんな嘘つく理由もわかんねぇ。


それを踏まえて聞きたいんだけどさ」



この時の春樹は、敵意の鎧を脱いでいる

痛々しくも必死に生きている高校生そのものだった。



「自分の死が近くなった時、どう思った?」




彼の一言は、とても切なく淡白なものであった。



この10代の身で死を考えるこの心持ち

そして、自分の気持ちを誰かと共有したいティーンエイジャー特有の感情。


まだ未来あるこの若者に、このような枷をさせる運命。



つくづくこの世は。




「正直なところ、現実を受け入れられなかった。初めてだったよ。神を運命を…」



そこまで出た言葉は私の理性によって塞き止められた。




私の目から涙が止まらなかった。




私はなんてことを



なんてことを彼に話したのだろうか





彼が健常で過ごせない運命は


間違いなく私の人生やり直しによって起きたことではないか。

自分の境遇を話すことで自分が楽になることだけを考えて


私は彼に信じられない事実を突きつけてしまったのではないか。




『運命を恨んだ』

よく私が言えたものだ。


私と彼とでは、その時を迎えた年齢が倍近く違うというのに。



私は彼に何を植えつけようとしたのか。





尤も、私の続きの言葉は

溢れ出る涙によってその役目を話すことはなかったのだった。

何故か今朝早朝のアクセスがものすごく増えていました。


まず、このような作品を読んでいただきありがとうございます。



この時間に投稿しておりますが仕事はしております。


かつてこの小説を書き出した時の話を少しさせていただければと思います。



この作品を読んでいただいている方の中で、ご結婚ないしは離婚された方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。


当時、この作品を描き始めた私はというと

離婚が決定したわけではありませんでしたが、奥さんからの愛情は感じられず、当然夫婦らしい時間というものを過ごしていない黎明期でした。


この人の為に一生懸命働く。

家族のために出世する。


そんな野望が枯渇したまさに夢も希望もない状態でした。


私が投稿している作品は現時点で2つですが

両方とも共通して絶望感が垣間見える作品になっているのですが、まさに私の心情を投影していると言って過言でないものです。



実際に昨年離婚が決まり、まだ20代の歳で再度世の中に放たれて早一年。

今ではお付き合いさせて頂いている方もいるのですが、


新しい夢も希望も見つからない状態で過ごしております。


先日のあとがきでエッセイでも書こうかと言ったのは、21歳からの自身の人生が我ながら前途多難な日々を過ごしており、知人に話すとそれはそこそこウケが良いものだったことが背景にあります。


今の10代の子がこの作品を目を通すことはないと思いますが、

もし10代に限らず、20代で人生に絶望している方がいらっしゃったら


決して不幸自慢がしたいわけではないですが、

こんな私でもなんとか生活をしているので、愚痴の吐き出し先としてでもお話を伺えたらと思います。


僕より先輩の方々には、むしろ今後の私について相談に乗っていただきたいくらいです。



本文並みに熱が入って長くなりましたが、これで。

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