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錯綜する世界と進み続ける時間④



「信じられない…というのは失礼な話ですが、容態が回復してきています。」



一通りの検査を受け終えた私を前に手に持つカルテと私を交互に見ては目を丸くして医師が言った。




無理もない。つい先日まで植物状態を診ていたと思えばたった数日で言葉を発し身体が動くようになっているのだから。


我ながら人体の不思議について問いたい気持ちだ。



「本当にあんたって子は…」

母親は涙を拭った手で私の頭を掻きむしった


私自身としても、誠に不思議な感覚であった。回復していると言われると癒えるイメージだが私の取り巻くそれは少し違う。


日に日に戻る感情により、固まった身体の歯痒さや身体の匂いが鋭敏に感じるようになっている。

正直、この感覚の懐かしさと生き苦しさとの板挟みな現状である。


よく、受刑者が刑期を終えて世に放たれた後に、世の中の不条理に嫌気がさして再び罪を犯し刑務所に帰ってくる話を聞くが


今のこれはそれに近いものなのだろう…



ただ母親の心配を取り除けたことが何よりだ。また息子を先に旅立たせるのは忍びないから




今後のリハビリについてや、服用薬についての説明を聞いている中に茜の姿は無かった。




私の容態に変化が現れてからというもの彼女は病室に来ることはなかった

自責の念に苛まれているのだろうか…

決して茜が悪いわけではない。私が言うのだから間違いない

過去の事件との繋がりから自分の関わりに因果関係を覚えてのことなのだろうか…



答えを探そうにも彼女は現れないし連絡先も知らない。

ましてやこんな身体では出歩くことも出来ない。


病室から外を眺めては、たまたま見舞いに来る彼女の姿を空想してはため息をつく日が続いた。







そろそろリハビリに移ろうかと話が上がったある日


有馬茜が病室を訪ねてきた。







こんばんは。

シンプルに仕事の忙しさと体調崩しで時間が空いてしまいました。


今回から過去編を終えたのちのストーリーに戻ります。



今まであとがきがプライベートが多かったので、たまには真面目な話を。


今回、この茜というキャラクターについて書く中でキャラがぶれているように自分でも感じますが


きっと世の中の女性で芯を最後まで貫く人はいるのでしょうか?

そもそものらりくらり生きるのが処世術な世の中で、その生き方を選ぶ人はいるのでしょうか?



きっと女性社会で生きていく上では大事なんでしょう。

そんな社会を僕なりに描こうとしてみました。


本音と希望の入り混じった乙女心(当方乙女心の理解度0)を演出してみました。



賛否両論かと思いますが、

この人はこういう目線で世の中を見てるのかって感じで見てください。



最後まで読んでいただきありがとうございます!

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