表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/103

錯綜する世界と進み続ける時間①


視界が滲み脳は混乱し頭は重たい。

なんだこれは…圧倒的情報量を処理しきれない脳みそが悲鳴をあげているのがよく分かる


視界が回る回る回る回る


遂に私は立っていられなくなった。



「お、おい大丈夫かよ!」

茜が急いで駆け寄ってくる


「え、あ、有馬さん…だよね?」

涙と立ちくらみから視界が定まらない



「あ…あぁ…あああぁ……」

声にならない泣き声のような呻き声のような

形容し難い声を出しながら蹲った。




「お、おい!本当にどうしたんだよ!」

流石の茜もこの事態に狼狽が隠せない。

告白された途端に泣き崩れておかしくなっているのだから無理はない



「すごい汗だ…きゅ、救急車呼ぶから待ってろ!」

耳だけは正常に機能したことが幸いしているが、返事をする体力が残っていなかった。




どのくらい時間が経ったのだろう


遠くからサイレンの音がする。

「あ…あぁ…」

声らしき声を出していることは自覚があるのだが、何を言おうとしているのか自分にも分からない。



「相ト!救急車きたから頑張れ!な!負けんなよ!な!」

必死にガッツを送る茜が付き添いとなり私は病院に搬送された。










「…がかかってます…普通では考えられな…」


「…かるんですか!先生!あいつは…」


消えかかった意識の片隅で茜の怒鳴り声が耳に響く。



こんな経験はしたことがなかった。

文字通り頭がパンクしていた

思考を働かせようとする矢先に次々と空気が抜けていくような

そんな不思議な感覚に襲われており


今が何時か

お腹が空いているか

今日の連ドラの予約をしたか


日常生活で無意識に脳裏に浮かぶ思考すら働かぬ

さながら真空空間に放り出されたようなふわふわとした感覚が続いた。






恐怖も

不安も

焦燥感も


何もない。



意識があると表現して良いのかも分からない。

一般的な概念にまとめられない現象を体験した。






いつの間に眠りについたのだろう。

目を覚ます感覚と共に黒い無数の点を備えた天井が視界に入る。



これは覚えがある




病院の天井だ。

それも私の最期を迎える病院の。




「目覚ましたのか!!先生!先生ー!!」

横を見ると、意識を戻した私に気づいた茜が

慌てふためいていた。



私はまた天井を見つめて、静かに目を瞑った。



こんばんは。

今回から少しばかり重たい話になっていきます。



私事で恐縮ですが、

最近友人が会社を退職しました。



彼は、営業職に務めていたものの営業に向いているとは言いづらいタイプの人間でした。


最も私風情が、向き不向きを語るのは10年早いと思いますが差し引いても彼は向いていなかったと考えます。


彼は正直要領の良い人間ではなく、精神面も強くないタイプでした。



そんな彼の話はとても論理的で、自分が正しい自分の考えは論理上真っ当であると信じているタイプでした。


決して彼を否定してこのような事を言うわけではありません。彼自身もそれを自覚していました。


そんな彼が、去り際に私に対して

「お前は凄いよ。俺はお前のようにはなれない」

と、力無い一言を漏らしました。



私はなんだかたまらない気持ちになりました。

人の在り方を否定的に捉えてしまいがちな私が、ここまで真正面から褒められたことはほとんどありませんでした。



彼の一言は、現代社会を生きる若者(年はアラサーですが)の何かを体現している気がしました。


情報社会ネット社会

人と人が繋がることを容易くする社会で、希薄化する人間の繋がりですが、

やはり人は人なんだ。と思いました。





「何言ってんだこいつ!」って思いますよね笑

この話は共鳴する人に届けばと思います。



長くなりましたが今回はここで。

最後まで見ていただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ