茜空に何を思う⑥
「え…あれ?」
気がつくと、私は体育館裏を眺めていた。
さっきまで寄り道したPARCOに居たはずなのに…
突然の出来事にパニックになった。
「…し乗ってんだろ!」
怒号の飛ぶ先に視線を向けると、
クラスのリーダー格の女子が誰かを囲っている姿があった。
なんだなんだ…見覚えのある景色だな
彼女たちは懲りもせずにまた誰かを虐めているようであった。
最も彼女は虐められていると称すに値しなかったが…
「おい。有馬!なんか言えよ!」
「!?」
今確かに有馬と呼んだ。
茜をまた呼び出したのか?どれだけ懲りない連中なんだ…
中に立つ彼女の表情には、まるで他の3人が視界に入っていないようであった。
「無視すんなよ!」
一人が彼女の胸倉に掴みかかった。
その時の彼女の表情を見て、私は悟った。
あの日をやり直しているのか。
おかしな話だがおかしいとも思わなくなっている私が説明するのも変な話だが、
どうやら私と彼女の接触イベントの日に戻ってきてしまったようだ。
今までは寿命が尽きるまで時間逆行は起きなかったというのに。
今回は、一体何が起きているのだ!?
状況の把握に気を取られているうちに
いつの間にか私のそばに、茜が立っていた。
「相トこんなところで何してんの?」
全く同じセリフをぶつけられた。
あの時の私はなんと答えていただろう…
「え!?え、あぁ僕はそのたまたま通りかかっただけで。それで偶然この現場を見てしまっただけだから!その…つまり…」
なんとも情けない声をあげて必死に彼女に弁解をした。
彼女は冷めた表情で
「そ」
と一言残し立ち去って行った。
私は流れる汗を拭い、歩き去っていく彼女の後ろ姿を見つめていた。
こんな感じで良かったのか…?
この結末にいささかの疑問を覚えながら、私は学校を後にした。
確か翌日、私が彼女に話しかけて2人でマクドナルドに行く予定だ。
私は、床に就き明日のシュミレーションを企てた。
話しかける前提で話を進めていることに、この時は気づいてはいなかった。
思い返すと不思議な点が多々あったが、不思議を経験しすぎている私には些か小さな不思議は不思議として捉えなくなってきていた。
瞼が重たい。
その日はいつもより早く睡魔が私を襲った。
目を開けると、
またしても私は体育館裏を眺めていた。
こんばんは。
最近色々と忙しくなり更新頻度が遅くなっている不精者です。
読んでいただける方が増えてとても嬉しい気持ちです。
昨今、プライベートが絶不調なこともあり少し離れておりました。
途中まで書いてしばらく放置していたのが情けない。
皆さんは恋愛について、どういった考えをお持ちでしょうか?
どこかで触れたかもしれませんが、私は
所謂『女心』というものに疎くて疎くて恥ずかしい限りです。
先日も友人にエピソードを話した所、一言
「高校生でもマシな回答するぜ」
と申されました。
正直、昨今の高校生事情は存じあげませんが、
友人曰く昨今は早稲な子供(強がりですすみません)が増えているんですね。
こんな所で言うことでもありませんが、交際経験が乏しい私からすると、昨今のSNSから始まる恋愛とか
本当に先進的だなぁと感心します。
そんなこんなではございますが、今回少しばかり挑戦的なストーリーに仕立ててみようと思いました。
毎回毎回、ゴール地点が定まってない状態で書いているのでやや迷走するところはあると思いますが、温かい目で見ていただけたらと思います。
長々と書かせていただきましたが、
ここまで読んで頂きありがとうございます。




