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少年老い易く学成り難し①

蝉の鳴き声がけたたましく脳に響く



ん……



なんだか見覚えのある光景だ。



眼前にはかつての学舎が広がっていた。


私の母校は多摩川沿いにあった

駅から徒歩3分という立地が素晴らしい


私は放課後、よく多摩川に出向いたものだった

勿論意味はない。



『あ、あのアイウラくん』


突然、多摩川沿いの河川敷で女の子に呼び止められて……




なんてことを夢に見ていたのかもしれない。


…いや、妄想と言うべきだろう




「なんとも現実味のある走馬灯だなぁ」



私は思わず口から出た言葉に驚いた。





ひ、独り言言ってる!恥ずかしい!!

何この漫画やアニメにある一人語り

いつからお前はラブコメ主人公になったんだよ!




己の痛々しさに一人悶々としていた所

もう一つの違和感に気づいた。





「声……若くないか?…」



どうやら走馬灯は当時の世界を当時の感覚で味わえるらしい。



「へーー。昔の俺こんな声だったんだな。」



もう、独り言を言っている事は気にならなくなっていた。

関心は己の若かりし頃の声色に向けられていた。


気がつくと口調も若者風になっていた。





「ユウキー!」

その声に思わず振り返った。


「おーーい!何やってんだよユウキ。」




私を呼び止める甲高い声


彼は小島春樹。私の学生時代の友人の一人だ



私は敬意を込めて『ハルキスト』と呼んでいた。





それにしてもリアルな走馬灯だ。

ハルキストとの些細な会話まで再現するとは




私は一点の疑問を覚えてはいたが、懐かしさと高揚感から考えることをやめた。









ちなみに私の名前は“ユウキ”ではない。

『悟』だ。



何故ユウキなのか。

もしかしたら分かる人もいるかもしれないな。


ハルキストのあだ名より技ありだ。

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