いつだって向日葵は太陽に向く①
あのPARCOの日から、郡山葵は大人しくなった。
最もこれまでのようにベタベタして来なくなった。とでも言うべきだろうか
帰り道に私を寄り道に誘わなくなり
代わりにハルキストのファンの子と帰っているようだった。
勿論寂しくなどない。清々する…はず。
最近、ハルキストのファン
本名を『吉崎 翠』というが
翠さんと仲が良い。やはり同性で過ごすことの方が気が楽なのだろうか。
はたまた恋を応援してる立場としてほっとけないのだろうか。
この翠さんは、かつての郡山葵を彷彿とさせる大人しい子で
どんな子?って聞かれたら皆が塾考し、
「か、家族を大事にしてそうな子」と答えそうなそんな子である。
勿論、現役高校生の頃から存在は認知していたのだが、彼女は大人しい子達の集まるグループにも属している『目立たない子』であった。
多分私も側からはそう見えていただろう。
ただ皮肉なもので男の大人しいグループというのはある種のプライドを持っており、『大人しいグループ』という括りを嫌い、同類項である女子グループを下に見てしまう傾向があった。
なので、彼女の存在は知っていても殊更の興味を持ったのは今回が初めてであった。
「翠ちゃんほーんと料理上手だね!このお弁当も自分で作ってるんでしょ??すっごーーい!! ね!小島くんもそう思わない??」
気がつくと私とハルキストを含む4人でお昼を共にするようになっていた。
「ほんとだー。吉崎さん器用だね!」
ハルキストもただただ関心していた。
きっと郡山葵は、ハルキストと翠さんの間を取り持つ役割を担っているのだろう。
また、二人について大きな声で話すことで、他の女子への牽制も行う
まさに計算された行動と言えるだろう。
恐らく彼女が翠さんを気に入り、肩を持つようになったのだと思う。
ハルキストは知ってか知らないでか
郡山葵が引いたレールに乗り順調に仲を深めていった。
「ねね。」
ある日の昼休みに郡山葵に呼び出された
「次の休みに翠ちゃんと小島くん呼んで4人で遊びに行こうよ!」
そういう彼女の目は、初めて私と会った時のようにキラキラ輝いていた。
「え…あ、うん。行こうか。」
あの表情を見たのはいつ振りだろうか。
恐らく彼女が孤立して、つるむ頻度が増えてからあの目を見ていないような気がする。
そう考えると、当時の郡山葵は私のことを気に入って友達申請して来たのか?
あんな悪態をついた私を?
「おっけー!じゃあ決まりね!
上手いこと小島くんと翠ちゃんを導くの手伝ってよー!」
さすがは郡山葵。
私が狙いに気づいていることを察して根回しをして来た。
…と、言うことはもしかすると
彼女の好意を鈍感なフリしていたこともバレていたのか!?
いや、流石にそれは考えすぎか…
「りょーかい。お前もあんまり二人を引っ掻き回すなよ。」
「さーてどうしよっかなー。」
悪戯な笑顔を浮かべながら浮き足立った様子で彼女は教室に戻った。
「さて…と…」
時間差を作り教室に戻ろうとした時
「あの!…ユウキくんちょっといいですか?」
突然、翠さんに呼び止められた
こんばんは。
読んで頂きありがとうございます。
一応、今回からサブタイトルの名前が変わりましたが
①のように11に◯を付けれなかったこともあり
一区切りラインだったこともあり、変えてみました。
最近強引な感じで新キャラを織り交ぜていますが、基本的にハーレム展開とかでなく変なリアリティを追った物語を目指しております。
そこも踏まえて暖かい目で見ていただければと思います。
初、あとがき
ここで筆を置かせていただきます。