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その頃エマは一人病室でアルバムとにらめっこをして渋い表情を見せていた。主治医である瀬戸山と美濃は勤務中、進藤一家も仕事に出掛けている。身に覚えのない出来事が写真として残っていて、いくらあの時にあんな事があって……と説明をされても、他人の人生を自分に押し付けられている様な気分になってどうも受け入れ難かった。
それでも物心付いた頃から仲の良かった幼馴染の存在は憶えていた。彼の名前は久慈佑介、何時離れ離れになったかまでは覚えていないが今は両親の仕事の都合で関西に移住している事は何故か記憶に留まっていた。その幼馴染“ゆうくん”に関する事だけはスラスラと思い出されて楽しい気持ちになるのだった。
「ゆうくんげんきにしてるのかなぁ?」
ふと思った事を口に出したその時、枕元に放置してあるスマートフォンがブルブルと震え出した。
おじちゃんかな? エマはそれを掴んで画面をチェックしたはいいが、その先どうしたらいいのか戸惑ってしまいそのまま固まってしまう。
スマートフォンの操作自体は問題無く使用出来る。十七歳になっている体が勝手に覚えていてメール操作も難なくこなせているが、着信に出ようとしなかったのは先程脳裏に浮かんだ久慈佑介であるからだ。
なんてはなせばいいのかな? しょうじきにきおくそうしつだっていってしんじてくれるかな? エマはそれが元で友達を失うのが怖くなった。ゆうくんならわかってくれるとおもいたい、でもいまのぼくをうけいれてくれるのかな? と考えている間に手の中にあったスマートフォンが消えて無くなっていた。
「なおちゃん?」
エマはスマートフォンが手元から無くなって顔を上げると、不機嫌そのものといった表情の直子が立っていた。
「着信の相手、知ってる子?」
エマは何の気無く頷くと、この事は内緒にしててと口止めしてくる。
「なおちゃん、そのままきれるのまとう」
「何で? 放っておくと何度も掛かってくるよ、あたしが上手く話してあげるから。いい? 二人だけの秘密だよ」
「うん、わかった」
エマは言われるまま頷くと、直子はそのまま部屋から出て行ってしまった。
「では本日はこれで、次回はひと月後に伺います」
「宜しくお願いします、それまでに空き部屋の準備を整えておきます」
蕪木は業者四人に一礼し、会社に戻っていく彼らを見送った。
さて帰るか。そう思って家の中に置いていた荷物を回収していると、外でコトンと音が聞こえてきた。何だ? 気になって外に出て玄関周辺を見回してみると、郵便受けに新たなチラシなどが入っていた。蕪木は何の気無しにそれらを引っ張り出し、仕方無く持ち帰ろうとバッグに放り込む。その中に紛れていた葉書がするっとこぼれ落ち、気になって黙読するとエマ宛のものだった。
「そろそろ転送手続きしておくか」
蕪木はエマ宛の葉書に目を通してあっと声を漏らす。差出人の名前に憶えがあり、相手に甥っ子の近況を伝える必要性が出てきてしまった事を思い出したのだった。
エマは差出人の事は憶えていた。ただ問題なのはどの時期の姿で憶えているのか、という事だ。幼少期の姿しか憶えていないとなると余計な混乱を招く結果となってしまう。これは自分の一存で決められない、ここは一旦みんなの元に持ち帰ろうと決めた。
「もうそんな時期か。まずは瀬戸山とエマに確認だな」
蕪木は葉書をバッグに放り込み、沖野家を後にしたのだった。
沖野家を後にした蕪木は、先程届いたばかりの葉書の差出人である久慈佑介の連絡先を知りたくて早速エマにケータイを借りる。彼の連絡先を入手し、仕事帰りに顔を出した頼子と入れ替わって病室を出て通話発信を試みる。
行動を起こしてから気が付いた、久慈は蕪木の携帯番号を知らないはずなので通話に出てくれるとも限らない。少々早まったかとも思ったが、予想に反してあっさりと呼出音が終了した。
『はい』
久慈独特の少々くぐもった声が聞こえてくる。蕪木にとっても懐かしさがあり、声から察するに元気そうなのでひとまずは安心する。
「蕪木です、お久し振り」
『お久し振りちゃうわ! 何が一体どないなってんね!』
開口一番ブチ切れてくる久慈に一瞬面食らったが、ひとまずは話を聞いてみる事にする。
「申し訳ないが君の怒りの理由が分からない、説明してもらえないか?」
相手にとっては火に油を注ぐ聞き方だったかも知れないが、そこが分からない以上蕪木も対応の仕様がない。
『説明?さっきエマのケータイに通話したら『金輪際連絡しないでくれ』って、理由聞いても同じ事しか言わん!』
「通話? 履歴残ってなかったぞ。その電話の相手、分かるか?」
『まともに名乗りもせん。女の声で『親戚の者です』、それだけやった』
やらかした! 蕪木は元凶となった人物の顔を思い浮かべて頭を抱える。
「……」
これは相当混乱させてる。沖野家で起こった色んな事の始末に追われ、エマの知人への連絡を怠ったツケとしか言い様がない。せめてエマの入院くらいは先に知らせておくべきだった、今更後悔しても後の祭りだが。
『ちゃんと説明してや一聖さん、エマに何があったんや?』
久慈は基本的に冷静な男だ。本来ならもっと取り乱したいだろうし内心は恐らく混乱しているだろう。それでも一生懸命気持ちを鎮めて話を聞こうとしているのはケータイ越しでも分かるくらいで、蕪木はなるべく端的かつ分かり易く答えようと言葉を選ぶ。
「先月上旬にエマの両親が亡くなった。そのショックでだと思うが、葬儀の直後に事故を起こして入院している。体の方はあと何ヶ月かで完治するだろうが、二次被害と言うか後遺症と言うか……五歳までの記憶しか残っていないんだ」
『って事は幼稚化しとるんか?俺の事憶えてないんか?』
「君の事は憶えていた、今は引っ越して関西に居る事も憶えている」
『それやったら問題無いやないか、なのに何で?』
泣いている訳ではなさそうだが、久慈は言葉を詰まらせて黙り込んでしまう。
「エマがいつ頃の君を憶えているかが把握出来ていないんだ。今は心療内科医を交えて分かる限りの“記録”を年を追って伝えているところなんだ」
『……』
「その作業も小学生時代に入って一気に難航している、“記録”が“記憶”を追い抜いている状態だから本人にとっても腑に落ちてこないらしくてな」
『それで『金輪際連絡寄越してくれるな』なんか?』
久慈は一方的だった言葉の経緯に取り敢えず理解はした様だ。勿論納得はしていないだろうが、現状をきちんと説明するのが一定の責務であるはずだ。蕪木は一つ間を置き、そう言う事だろうな、と答えた。
「君からの着信を取ったのは多分私の従妹だ。“記憶”を伝える為に年を追う必要性があったから、言葉は悪いが横槍による混乱を避ける為だったと思う。葬儀やら見舞いやらで忙しくしていたとは言え、君への連絡を怠ったのは事実だ。本当に申し訳無い」
蕪木は電話越しに謝罪する。久慈は暫く無言でいたが、一つ大きく息を吐いてからゆっくりと言葉を紡ぎ出した。
『一聖さんの事情は一応理解出来たわ。エマの状態と親御さんの葬儀の事とかで忙しかったんやから連絡してる暇なんか無かった思う。けど知らん女から一方的に拒絶される言葉掛けられたんはショックやった、だから今年は会わん事にする』
彼は寂しさを混じえた声でそう言った。ひとまず一定の理解を示してくれた事には安堵したものの、一歩間違えればエマの親友を失う事態を作ってしまった事に自身の怠慢と無力さを痛感させられていた。
それから数日は穏やかに過ぎていった。先日の一件には一切触れず、このところ直子も嫁ぎ先の家に戻っていて病院に顔を出さなくなっている。エマも口止めされている様で何も言ってこない。蕪木と進藤一家は交代制でエマの“実録”を順を追って説明を続ける日々を送っている。
「今日から六年生に入ろうか? やっぱり何と言っても修学旅行だろ」
「しゅうがくりょこう?」
エマは相変わらず五歳児の反応でこてんと首を傾げている。元々可愛らしい顔付きをしているので知らない人から見れば違和感はさほど覚えない様なのだが、不良少年時代を知っている蕪木にとっては何とも滑稽な表情にしか見えず、何度見ても笑ってしまうのだ。
「あぁ、二泊三日ほど他の県を旅する学校行事だ」
「そんなのがあるんだ、たのしそうだね」
エマは他人事の様に言っているが、実年齢は十七歳なので小学校以外に中学校でも経験しているイベントだ。
蕪木の記憶では修学旅行の思い出は楽しいものだった様だ。家庭事情は既に荒んでいたが友だちは多い方で、当時は学校帰りにひとしきり遊んでから自宅に戻ってくるタイプだった。
「早速当時の写真、見てみようか」
「うん」
エマは久し振りに楽しそうな表情を見せている。倫子が遺してくれた学級通信や献立表を学年別に分けて見せてもここまでの反応は示してこなかった。それでもほんの少しの効果はあった、学級通信の端っこに書いてあった編集後記を見た時に、三年生の頃の担任教諭を思い出していた。
「あっ、植山せんせい!」
「あぁそうだ、六年生の時も担任をしてくださったんだぞ」
「ホントに?」
キラキラした表情を見せているエマに蕪木は頷く。この植山と言う男性教諭は当時で既に還暦間近で翌年に定年退職している。基本的には鬼教諭であったそうだが、エマの様なわんぱく小僧にはなぜか人気が高かったと倫子から聞いた事があった。
植山は大層筆まめだった様で、エマの部屋から今年分までの年賀状が既に見つかっている。五年生の頃に届いた年賀状までは本人にも見せていて、美濃から貰ったボックスケースに大事そうに仕舞われている。
「あっ! ここにもゆうくんうつってる」
「そうだな、グループも同じみたいだぞ」
「えっ? ちがうよ、たこちゃん……このこといっしょだったんだよ」
エマの隣に写っている男の子を嬉しそうに指差している。蕪木は『たこちゃん』と言う男の子とは面識が無く、詳しい事は分からない。
「たこちゃん? 同じクラスの子か?」
「うんっ!」
「これまで居なかった子だな」
「うん、てんこうしてきたんだよ」
“たこちゃん”を新たに思い出したエマだったが、彼の本名や人となりは覚えていなかった。ニックネームを思い出すくらいなのでそれなりに親しかったと思われるのだが、ここで無理強いをして混乱させる訳にもいかずひとまず脇に置いておく。
しばらくそのまま“記録”を辿る作業をしていたのだが、まだまだ明るい時間にも関わらずエマは眠そうにし始めた。こうしてると本当に幼稚園児みたいだな……産まれた頃からエマと接してきて成長振りもそれなりに見てきている。当然十二年前のあどけない姿も知っている訳で、その当時をふっと思い出されてそっと頭を撫でた。
「眠いか?」
「うん」
エマは眠そうに目をこする。蕪木は広げていたアルバムを仕舞い、少し休もうと言葉を掛けた。
エマはそのまま布団に潜ってあっという間に夢の世界に入る。蕪木は甥っ子の寝顔を見つめているうちに自身も眠気に襲われ、いつの間にかうたた寝してしまっていた。
「……せいくん?」
ん……蕪木は聞き慣れた女性の声に気付いて目を覚ます。
「頼子?」
「珍しいわね、うたた寝なんて。一階の待合室に人を待たせているの、あなたに用があるみたいよ」
俺に? 彼はここの勤務医ではあるが、わざわざ訪ねて来られるほどの知り合いは居ないはずだ。何となく背後にあるバッグが気になって手を突っ込み、ケータイを探し当てて画面を見ると着信履歴が残っていた。
「名前、聞いてるか?」
「えぇ、久慈佑介さんって方。エマの幼馴染なんですってね」
「あぁ。着信に気付かなかったよ、下に行ってくる」
「行ってらっしゃい、しばらくはここに居るから」
蕪木はケータイを持って立ち上がる。彼が来ているのなら“たこちゃん”の事を訊ねてみよう。なるべく急いで一階待合室にも降りると、久慈佑介が待ちくたびれたとばかり疲れた表情を見せていた。
「申し訳無い、少し眠ってしまった」
「それで通話出んかったんか。エマは?」
「寝てるよ。今日は一つ思い出せたから疲れたんだろう」
蕪木は久慈を連れて外に出る。久慈はこの一年で百八十センチ近い蕪木の身長を僅かに抜いていた。顔立ちも少し大人びており、思春期男子の成長著しさは目を見張るものがある。
「ここまで来ると会いたなるな」
久慈は名残惜しそに後ろを振り返る。少々残酷な気もしたが、蕪木はわざと気付かぬ振りをして歩調を早めると久慈も背後から意識を外して難なく後ろを付いて来る。
「そない早う歩かんでも。どこ向かってるんや?」
その言葉に蕪木は足を停め、病院からほど近い一軒のカフェを指差した。
「そこのカフェに入らないか? 聞きたい事があるんだ」
「うん、ええよ」
久慈はあっさりと誘いに乗り、二人はカフェに入る。
「いらっしゃい。しばらく振りだね蕪木君」
「そうですね、今日はエクアドルを。佑介君はどうする?」
「あ〜俺コーヒー飲まれへんねん、紅茶ってあるんかな?」
久慈はあくまで蕪木に返事をしていたのだが、男性店主にございますよと返されて若干焦りの表情を見せた。
「あっ、えと、贅沢言えばロイヤルミルクティーが良いんですが」
「畏まりました、お好きな席をご利用ください」
どうも。蕪木は久慈を連れて壁際の二人用テーブル席に落ち着く。
「こんな洒落乙な店しょっちゅう来てんの?」
久慈はどちらかと言えば女性客の多い店内を落ち着かなさげにキョロキョロとも見回している。
「月に一度来るか来ないかだな、それよりコーヒーは苦手だったのか?」
「うん、まぁ。飲まれへんだけで香りまで嫌とちゃうから別に大丈夫やで。早速なんやけど聞きたい事って何?」
久慈に促される形で蕪木は“たこちゃん”の事を訊ねてみた。
「あぁ、そいつ今アメリカに居るよ。小学校卒業と同時に親御さんの仕事の都合で。名前は生方航生、真ん中の二文字を取って“たこ”。女みたいな顔しとったから殆どのヤツがちゃん付けしてたわ。筆不精な男でほっとんど連絡寄越してこんけどな、エマあいつの事思い出したんや」
「あぁ、当時の写真見せたらニックネームだけ。あと植山先生の事と」
「あんの鬼教諭怒ったらマジで怖かったからなぁ、“たこ”とエマと“とむ”って奴と俺はほんまよう怒られた。しょっちゅうイタズラしとったから当たり前なんやけど、ちょいちょいご自宅で奥さんの手料理食わせてくれたんや。“たこ”ん家とウチは仕事で親殆ど帰ってこんかったし、エマんとこはあんなやったし“とむ”んとこは毎日の様に母親が男連れ込んどったから家に寄り付かんかったしな」
「そうか、それで思い出せたんだな。って事はかなり親しかったのか?」
「うん。俺ら出席順が四人続いてたんや、生方、沖野、神林、久慈って」
「じゃあ普段から親しくしてたんだな」
「うん」
久慈が頷いたタイミングでテーブルにお冷が置かれ、喉が渇いていた様でおもむろにグラスを掴む。
「その神林君って子は?」
「九州の全寮制の高校に通ってる、あそこの母親男とトンズラしたらしいわ。“とむ”はめっちゃ賢いから特例で学費無料を勝ち取ったって、“たこ”よかはマメやからひょっとしたらエマんとこにも連絡来るかも知れん」
ちょうどその頃、頼子はエマが起きるのを待ちながら文庫本を読んでいた。最近になってエマは少しずつ過去を思い出すようになってきている。担任の先生も一人思い出した、根気良く続けていけば元のエマに戻ってくれるかも知れないけれど……そうなると今度は嫌な事も思い出さなければならなくなる。果たしてそれが本当に良い事なのだろうか?
正直に言ってしまえば、頼子は脳内五歳児のエマを可愛く思っていた。勿論つい先日まで悪ガキだった頃が嫌だったわけではない、ただ本来心優しい甥っ子が無理矢理不良の型に収まろうとしている風に彼女には写っていて、エマが悪ぶればそうするほど痛々しく見えてしまうのだ。
その点で言うと今の状態は寧ろ素直な状態なのではないかと思えてくる。純粋に輝く瞳。明らかに増えてきた笑顔。記憶喪失になっているとは言え、子供の頃からの成長記録を見てきている分今のままの方がエマにとって幸せなのではないかと思う事もしばしばある。それが正しい事なのかは勿論別問題なのだが。
エマはそんな叔母の気持ちに気付くはずも無くスヤスヤと眠っている。頼子は一旦文庫本を置いてからそっと頭を撫でてやると、何故か嬉しそうな表情を見せて彼女の手に頭を寄せてきた。
「まだまだ甘えたいのかな」
沖野家でエマが甘える姿を見せた事はほとんど無かった。いつも緊張しているかの様に表情を強張らせ、小さい頃は日常的に暴力を振るう義従兄に怯えていた。成長期を迎えた辺りからは倫子を暴力から守ろうと常に目を光らせており、気の休まる時間など無かったのかも知れない。そんな彼が唯一落ち着けるのが蕪木の存在であり、倫子が仕事に出ている間だけ叔父の自宅に“緊急避難”していた。
蕪木の自宅にいる時のエマは半分くらい眠っていた。倫子や進藤一家が訪ねるとほとんどの確率で起きてはいたが、頼子が一人で訪ねると時折今の様な表情で居眠りをしていた事を思い出す。
きっと疲れてたんだろうな。
頼子はごくたまに居眠りしているエマと添い寝をして今みたいに頭を撫でていた。そうすると決まって無意識に頭を寄せてくる、その度にエマの心はまだまだ腐っていない……彼女にとってはそう思わせる瞬間だった。
私たちに出来る事は何だろうか?
それは今に限らず何度も何度も考えてきた事だ。しかし大したアクションも起こせず従姉夫妻はエマの部屋で命を絶った。
残酷すぎる!
頼子は二人の結末を恨めしく思う。そんな事を思っていると、エマのケータイがブルブルと震え始めた。
誰からだろう?
頼子はベッドから離れてエマのケータイを覗きに行く。画面にはケータイ番号と“とむ”という名前……頼子には聞き憶えが無かったが、名前が出ているという事は少なくともこのケータイへ電話帳登録はされているはずだ。
このままスルーしようか。
彼女はなかなかケータイを手に取ろうとしない。本当に親しくしている友達だったらエマの近況を伝えておいた方がいいのではないのか? しかし他人のケータイに勝手に出るのは気が引けた頼子は、結局エマのケータイを触る事はしなかった。




