3話:勇者は対峙する
暫くの間安全に過ごすための建物を見つけるべく、2人は森の中を歩いていた。
「足、大丈夫か?」
「はい……」
ほんとにこの人を信用してもいいのだろうか。とユカは景の背中をじっと見つめる。
「そんな睨まれると、怖いんだけど」
「あ……すいません」
森には、足音だけが聞こえていた。
建物、今度はホントに逃げれなくなる。それまでに真偽を。
景がユカを生き返らせたところまで時は少し遡る。
ユカの虚ろな目に次第に光が宿っていく、脈も、トクトクとうちはじめ、息もゆっくりだがしはじめた。
「うぁ…………ッ!!!!!」
カッと目を見開きユカは飛びる、そして辺りを見渡し自分の顔を手で触り終えると、額からダラダラと汗を流しはじめた。
「はっはぁっはっはっはっはぁっ」
「おはよう」
「あああああああ!!!あああ!!ああぁーー!!!」
「待て!待て!暴れるな!!!」
馬乗りになり、手を押さえつけられても一向に落ち着かず、ただ叫んでいた。
「いいか、よく聞け。俺は殺さない、後ろにお前を追ってるヤツが居た」
「はー…はー……はぁーーー……はぁー……」
「いいか、逃がす。だから着いてこい」
「はー……はっはっ……」
「今も居る、狙撃がないから近距離武器だ、分かったか」
暫く黙っていたが、ようやく事態を把握したらしくゴクリ。と唾を一度の見込みうなずいた。
「いいか、今から脅す、がそんな気はない。着いてこい。逃げるぞ」
「は……はい!」
「オイコラ!クソガキが!犯して殺してやる何度もだ!!スキルで処女膜もよみがえるからなあ!何度もぶち込んで殺してやる!」
「……あの」
「着いてこい!立て!」
そして今に
「なあ、おい、聞こえてるか?睨むな」
「え、睨んでない……です」
「君じゃなくて、後ろの、女だ」
「えっ」
ユカが振り向くと視線の先約8m
「あら」
白いローブを身にまとい、フードを被った女性が現れた。
右手には木で出来た杖、左手には魔法発動用の術書を手に。
「バレたらしょうがないわね、かわいい娘だけれど」