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未来?

本編はここまで。

 

  

ここは港町アラネイ。

その名の通り、船の停泊する町。

今日もこの港から、サンドロス行きの船が出ている。


     ☆


あれから10年が過ぎ、サンドロスは共和制となっている。

王制が理想なのは言うまでもないが、防衛立国としてやれるなら共和制でも構わない。

そんな訳で島をぐるりと取り囲む、チタン製の防壁は作られた。

船からはしごを立てれば登れるかも知れない程度の高さ。

大きな船ならそれも可能だろうけど、3メートルの壁の向こうは15メートル離れて5メートルの壁。

降りたら最後、戻って来れない場所となれば、誰が好き好んで入るだろう。


だって、島には居ないはずの魔物が徘徊しているのだから。


防衛構想として取り入れたのは、二重の壁と魔物の誘致。

島に居ないとレベルアップがやれないのなら、誘致すればいいだけの事。

クマネコなら雑食で何でも食べてしまう。

それこそ、人間の食い残しのメシでも肉でも何でもな。

だから砂ミミズの肉とか、処分するのに最適でさ……

クマネコは泳げないから、低いほうの壁を越えて外には出ない。

まあ、出られたらの話だけど。

そして奥のほうの壁は、全く手も足も出ない。

後は適当にメシが投入されて、それらを食って自然に増えていった。


いかに小さな島とは言うものの、15メートル幅の魔物の生息地には数万のクマネコが生息している。

もうじき狩られる事になるんだろうけど、飛翔魔法の習得者にしかやれない狩りになっている。

もちろん、刺青の者達は常時狩っているが、それは大陸での話だ。

そう、この魔導具屋にはそんな獲物が日々持ち込まれ、錬金術で解体されてボックスに収まっている。

それらをまとめて商業ギルドに卸す事になるのだが……


オレが25才になってここでのんびりとしていられるのは、オレの子達が育っているからだ。

全てを本妻にしたのは良いが、60人の妻達からは60人の子供が生まれる事になった。

それを何度か繰り返し、今では大勢の子供になっている。

実は今も妊娠中の妻達が半数は居て、その人数はもっともっと増えていくと思われる。

更に言うならその60人の本妻とは別に、島の全ての未婚女性達が妾になっちまい、それらも日々子供を産んでいる。

それが一大勢力になっちまって、今更、他の勢力が育たないのだ。

本妻系200人弱の子供に、妾系800人の子供……それだけで島の人口の2割にもなっている。

まだまだこの先、生まれる事になるようだけど、概算では25年で島征服になるらしいな。

毎年平均100人ずつ増えていけば、25年で2500人だ。

いかに魔族の寿命が長いからと言って、老人は少しずつ減っている。

半数超えたらもう、誰も逆らえない一族になってしまう。


     ☆


「父さん、あのね」

「どうした……ええと、アイリだったか」

「アンナ」

「済まんな、人数が多過ぎて覚えられなくてな」

「それは良いの。あのね、マナ欲しいの」

「ああ、好きに吸えばいい」

「そうじゃないの」


マナが欲しいが寝所で吸いたいとか、どうにも変な事を言う子だ。

それでも良いかと寝所で吸わせると、そのままあっちの流れになりそうな……


「そこまでだ」

「どうして、あたし、嫌い? 」

「親子でやるものじゃないからだ」

「でも、好きなの」


おっかしいな、どうしてこんな事になった。

とても8才の言う言葉じゃないぞ。


「誰か他に居ないのか」

「みんな兄とか弟とか、だからダメだって」


ああ、それを忘れていたな。


子供を増やすのは良いが、他人の子供が居ないのか。

かと言って人間から得る訳にもいかんとなると、これはもうどうしようも無いのか。

グライエスと相談するしかあるまいと、飛翔で遠路はるばる訪ねる事にしたのは良いが、無いのだ、島が。

海底山脈の向こう側にあるはずの、ひし形のグライエスの島が無い。


仕方が無いからアークスネルの外れのストーンサークルから、MP10万投入で空間転移。

降り立った大地は別次元の惑星にでもなっているのか、全く見知らぬ大地だった。

それでも住民を発見し、言葉が何とか通じて案内されて、着いた場所は大きな町。

王の屋敷に案内され、事情を聞くに及ぶ。


どうやらこの地に逃れてきたとか。

かつて、あの海底山脈の中ほどに、確かに島はあったらしい。

それがある時、少しずつ沈み始めたのだと。

どうやってもそれは防げず、移住を選択した者達は、分かたれた一族としてサンドロスの民となったとか。

そうして残された者達は転移に望みを託し、総勢で転移を敢行したのだと。

その頃は必要量MP10万は確保出来ていたが、今では不可能だと言う。

確かに今でも人数に拘らなければ可能だが、肝心の転移サークルから人が溢れては意味が無い。

50人までなら入れるような場所で、数百人を押し込めようとしても無駄だ。

なので戻るに戻れず、この世界で生きるしかなくなったのだと。


どうやらサンドロスの秘術の事は伝わっておらず、誰も彼もMPの少ない事……

当時、レベル50台の者達が50人で飛んだという記録が残っているが、今の最高レベルでも34だとか。

そんなに強い魔物が居ないらしいのだ、この世界では。

だから乱獲以外でレベルは上げられず、それをすると絶滅の危機さえあるという。

半ば保護しての中での狩りとなり、自然低レベルの者達で占められるようになったとか。

少ない動物性……石にならないらしいのだ、ここの魔物達は……たんぱく質がゆえに、人口も制限されているらしい。


そんな王に婚姻の申し込み。

うちの子達の嫁と婿を探していると……


「さて、何人かのぅ。元の地からの来訪者と言われて会う気にはなったが、まさかそのような目的とは思いもよらず」

「現在、0才から8才が427人だ」

「なんと……おぬし、そこまでの好色かの」

「やれやれ、あのな、本妻60人、妾260人だ」

「それで耐えると申すか」

「クククッ、化け物だろ」

「ほんにの」

「その化け物の子、欲しくはないか」

「あちらは今どうなっておる」

「人間は知らん。魔族達は島暮らしで狭くてな、ここは広いから移住も良さそうだ」

「食料はあるのかの」

「畑はやってないのか、牧畜は? 」

「共に知恵が無くばやれまいし、適した作物も存在せぬよ」

「ならまずは適した作物の輸送からだな。こちらの生物を駆逐する事になるかも知れんが、構わなければ送るぞ」

「小さき生物のみの世界なれば、容易く駆逐されようの」

「良いんだな」

「どのみち長くは無かろうと思うておったところ、このまま座して滅びるよりはましじゃ」


     ☆


グライエスの事情はすぐさまサンドロスにもたらされ、協議の結果、第一次開拓民として1000人の移住が決まる。

妻達の家の中から30家、後は妾達の家から70家、それぞれ10人を出しての1000人の内訳。

子供達は国の施設で育てられていて、そこにはオレの寝所もある。

ゆくゆくは子達も移住になる予定になっていて、まずはその親達が移住になったという訳だ。

受け入れ態勢が整えば、家の子達は送り込まれる事になっている。


「さて、街を作ろうか……ほいっと」

「相変わらず、あり得ぬ程の力ですな」

「畑もほいっ、牧場もほいっ」

「人足を用いれば、年単位、延べ数万の労力が瞬間ですか」

「さあ、後は誘致をしてくれよ。オレは疲れた」

「とてもそうは見えませぬが」

「まあまあ、予定は終わったんだ、後は良いだろ」

「移住のほうを頼みまするぞ」

「ああ、1000人だったか……やって来い」

「呆れて言葉も出ませぬな」

「お前の子にも呑ませれば良いだろ、毎年毎年」

「2年目もと言い、拒絶されましての。呑むぐらいなら、人の世に逃げると脅されては、さすがに継続もやれず」

「相手は決まったのか」

「既に」

「なら仕方が無いな」

「ほんにそれで宜しいか」

「うえっ、まさか」

「マナ多き殿方に惹かれるのですよ、魔族という種族は」

「冗談だろ、まだ増えるのかよ」

「我らの一族も少なくなり申したが、総勢7人のおなごの相手、よろしく頼みまするぞ」

「大人になってからにしてくれ」

「10才でよろしいですな」

「18才にしてくれ」

「ではそのように」


オレはロリコンじゃねぇ……


それから更に時が過ぎ、移住者は5期を数え、既に5000の住民が移住している。

そう聞けばもうサンドロスに人は居ないと思いきや、まだまだ残っている者達がいる。

と言うか、グライエスからの移住者が居るのだ。

かつての大地を踏みしめたいと、そういう輩が移住してきて、サンドロスで暮らしている。


実は守備隊が大陸に橋頭堡を築き、そこで専門的にレベル上げをしているのだ。

港町テート……サンドロスの外れの地底軍港キールから、トンネルを通って抜けた先、そのままナナメに海を行けばその街はある。

魔物障壁を抜くのには、正面の港かここしかない。

正面の港は魔物障壁に挟まれた500メートルの間隙にあり、両面に兵士が詰めている。

それはアークスネルからの傭兵部隊となっていて、港の治安を一手に引き受けている。


あの莫大な額の売り上げ額、あれが鉱石と投資額に化けた頃、魔物の素材の取り方を世界の国々に売ったのだ。

アークスネルからは傭兵部隊500人をサンドロスの警備として100年で、ライデルからは永久不可侵条約を、ケイドロスとは相互製薬発展を。

そしてメチカネルトークスとは相互技術発展を……それぞれの国と結び付き、容易く紛争にならないように細工した。

もちろん、セノリア連合とも結び付いている、それも強固に。

まずは商業ギルドの資産の半数はサンドロスの富が占めていて、それは投資と貿易に使われている。

その貿易に関してセノリア連合を含めた全ての国と、ギルドが代行をしている。


後は情報省だけど、かつての隊長が上層部に登り詰め、商業ギルドと協調路線を採る事になり、ライデルが把握した時には既に、商業ギルドの出先機関みたいな位置取りになっていた。

ライデルからの予算の数倍が支払われるとなれば、そうなるのも致し方あるまいが、ライデルが同額を出すと言えば、その倍額になるという有様だ。

それでも出すと言えば、それならサンドロスからの交易品が止まると言えばどうしようもなかった。

情報省はいわばライデルからの贈答品の位置取りのまま、それがそこにあるからこそサンドロスからの特産品の保障になると言われれば、返せとは言えない悲しい事情。


かつて数百年に及ぶ冒険者達の集めた魔鉱石、その溜めに溜めた魔鉱石を高い価格で売りさばいたのが全ての原因になっている。

高いと言っても当時の販売価格、定価の数倍の購入額に飛び付いて、ありったけの鉱石を叩き売り、それで求めた金銀の毛皮なのだ。

転売で儲けようと企んだ矢先、永久不可侵との引き換えに、魔物の素材の取り方の真実。

さすがに今更毛皮を返すとは言えず、永久不可侵条約の下で得られた狩り方。

そして毛皮は暴落し、逆に鉱石は暴騰した。


素材が高く売れるのに、誰が魔鉱石にしてしまうか。

そうなれば世界から魔鉱石の姿は消え去り、ミスリルの価格は恐ろしい額になってしまう。

巷のミスリル製品はいち早く姿を消しており、魔鉱石も姿を消した頃となっては、殆ど幻の金属になりかけていた。

買い取り価格も金貨1枚が10枚となり、今では金貨50枚での買い取り価格になっている。

それなのに素材のほうが人気で、中々石で狩る冒険者が出ないのが現状。


それはクマネコも同様で、毛皮や肉が相変わらず人気になっていて、あれを魔鉱石で狩るなど、愚か者と言われるだけだ。

なんせ、雑魚に襲われない魔物避け効果が巷に広まり、行商人達がこぞって求めたからだ、クマネコ袋を。

後はオオカミ系も毛皮が人気、トラ系も毛皮が人気、クマ系は肉が旨くて、カエル系はゲテモノと思いきや、意外な肉の旨さにファンも多い。

ワイバーンはその皮膜が鎧の素材になるし、また鱗も需要が高い。

鳥系魔物は翼が素材として優秀で、矢羽根には欠かせぬ素材になっている。

だからハゲワシも今では獲物として認識され、叩いて気絶させて逆さまにして首をはねられている。


実は鳥系の捕獲にはサンドロスからの飛翔隊が出張っていて、それらが一手に引き受けている。

飛行魔法は現存するのだから、そのノウハウは自力で何とかしてくれと、各国に通告してあるのだ。

国の機密事項を出せと言われても困るし、言うなら自分達の機密を先に出してからにしてくれと言えば、それで終わった話。

実は隊員達には専用のコスチュームが与えられ、それを着てハントしているのだが、それ自体が魔導具なのは極秘だ。

もう刺青の必要は無く、今ではコスチュームで空を飛んでいるのだ。

なので風呂場で刺青を見ようと思った各国の間諜達は、隊員達の滑らかな皮膚を見るだけで終わり、覗きの現行犯で捕縛された。

それらは優秀な労働者として、移住先での労働力となったのは極秘の話。


隷属魔法と言うのは忌まわしいが、絶対に逆らえないようにしないと国の機密には触れさせられない。

元間諜達はその宝の山とも言える極秘情報に接しながらも、2度と戻れぬ故郷への報告の夢を抱いたまま、今日も労働に明け暮れている。

グライエス数千の民と出会ったサンドロス数千の民は、今では混ざり合い数十万の国家と成している。

元の大地の人間達を抜くのもそう遠い未来ではあるまい。


今ではふぐりはエキス化され、魔力増強剤として売られている。

サンドロエスと改名されたその国家では、成人になる前の儀式として、その薬の服用が義務付けられている。

それは甘い果汁などに混ぜられて、あっさりと服用が出来るようになっている。

効果はふぐりの2割にか及ばないが、15才になったら毎月服用し、16才で成人という風に変わったのだ。


もはや今の旧サンドロス島は、異界と現界の門の役目を果たすに過ぎず、警戒厳重なので未だに人間達には知られてない。

異界で編成されて現界に移り、そのままサンドロエス産の冒険者となって大陸を駆け巡る。

彼らにとって故郷とは、たまに帰ってゆっくりする場所に過ぎない。

彼らは門を経由して行き来して、レベルはひたすら上昇する事になる。

長き寿命の半数を冒険者として生き、残りの半数は故郷で後進の育成の傍ら悠々自適な暮らしをする。

それが今の彼らのスタンダードとなりつつあり、平均レベルはもはや人間を遥かに越えているかも知れない。


今の人間達は解体や商取引のほうに向いていて、サンドロエスの冒険者……サンドリアンの下請けの位置取りになっている。

なので街の様相もかなり変わり、解体工房が店を連ね、それぞれに顧客を持っている。

そしてそれらを取り囲むように武器工房や防具工房が連なり、冒険者の為の色々なアイテムを製造している。

そもそも、人間達は冒険者を金稼ぎの手段としか考えておらず、危険無く稼げるならそれで文句が無いのだ。

かつてそんな感想を持ったが、それは未来でもなんら変わる事は無かった。


185才になった今、改めて思い返す。


これで良かったのかどうかと。


異界のサンドロエスの人口は数百万を越え、今も増えつつある。

広大な惑星は殆どが大陸になっていて、危険な魔物は生息していない。

気候は温暖で植物の育成にも向いていて、なおかつ牧場もあちこちにある。

国の重要施設の中には、巨大なルビーが鎮座している。

直径1メートルのそれは、推定1千億の容量を持ち、可能な限りの魔力を流し込んである。


確かに子供達は万単位のマナを持っているから、10人集まれば転移は出来る。

それでもいつかは途切れる事になるのかも知れない。

そうなった時、この世界だけで生きていけるようにと願っての保険。


今は工業系はあちらの世界でのみ行われていて、こちらの世界は公害も無い。

魔鉱石も可能な限りの備蓄をしているし、保存の利く物資の備蓄も行われている。

全てあちらに押し付けたようなものだが、それもいずれは同様になるだろう。


アイテムボックスの魔法の解析は余りはかどらず、何とか組み上げた魔法の蔵。

扉を閉めると中の時はゆっくりになるという、そんな不完全な代物だが、無いよりはましだろう。

そんな蔵があちこちにあり、食料の備蓄は今も行われている。


「こちらにおられましたか、英雄殿」

「もうその名称は止めてくれないか」

「しかし、今の繁栄の礎を築かれた方ですので」

「魔人で良いさ」

「あちらでは誤解を生みますので」

「魔人候補は何人だ」

「10万越えは今のところ、3人となっております」

「そいつらが次期の魔人だな」

「扉の番人となるのですね」

「何とか栄誉にはならんか」

「確かに栄誉ですが、実質的にはそうなので」

「しかし、まさか精神力が耐えないとは思わなかったよ」

「英雄殿が特別だったのですな」

「7億か……」

「さすがに我らでは到底」

「億とは言わんが、100万単位ぐらいはやれると思ったが」

「哀れな結果となりましたな」

「使徒は何人だったか」

「28人ですな」

「男を使っての子孫計画はどうなっている」

「現在のところ、生存8です」

「15才までに1万がギリギリか」

「そうですな、そこから1年で10倍がギリかと」

「飛翔隊も増えているのか」

「現在、18万が現役、12万が予備隊、25万が退役後の冒険者。2万が後進の育成中です」

「やけに増えたな。魔物がそろそろ絶滅しないか」

「既にクマネコの森は開発され、現存は島のみとなりて」

「人間はそうやって生息域を増やすんだったな」

「今では魔物の生息域は人の領域を離れ、飛翔する者達以外には中々に、到達も難しい場所になっておりますれば」

「もはや人間では魔物に触れも出来ないか」

「平均レベルも限りなく1に近付き、格差はもはやどうしようもないかと」

「実質的に世界征服も成ったという事だな」


「御意に」


「そうか、これで大任を果たしたか。後は任せるぞ」


「英雄殿……」


「さらばだ」



















「ふうっ、疲れた。もういいよね、あるじ」

「ああ、管理を消しちまった償いは終わったさ」

「でも酷いよね、向こうからのちょっかいなのに」

「まあ、いい経験になったさ」

「これからどうなるのかな」

「成るようにしかならないさ」


「お、終わったのか」

「やあ、これはハンスさん、久しぶり」

「お前な、とぼけて知らん振りしやがってよ」

「どうして鍛冶屋にならなかったのさ」

「いやな、それはちょっとな」

「日本刀、作れなかったんだな」

「鋼も作れないぐらいの技術とかあり得ないだろ」


スチャ……


「うお、てめぇ、それは」

「中々の波紋でしょ、くくく」

「やれやれ、そいつは錬金術か」

「超越者になったけど、洗礼だから枠外。再構築も自由にやれたんだよ」

「お前なぁ、もうそんな事はやれねぇんだからな、本来は」

「ふふん、洗礼とか言って、送り込んだ主に言われたくねぇよ」

「やれやれ……」

「で、任務かな」

「ああ、少し休んで良いからよ、足場作って長期になる予定だ」

「役柄は? 」

「それがな、どうにもあれは」

「巫女さんか」

「お前、何で知っている」

「あれ、合ってた。波の把握もかなりやれるようになったな」


「ふふふ、合格だ」……「うしっ」


後は蛇足が続きます。

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