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第一話 姫川音夢
基本ほのぼの恋愛です。
※小説家になろうでの初作品となりますので、色々と暖かい目で見守って貰えると嬉しいです。
第一話 姫川音夢
きっかけは席替えだった。
でもまさか眠り姫が隣になるとは思っていなかった。
*
「姫川、起きろ~」
小さな声で呼び掛ける俺に、ピクリとも反応しない彼女、姫川音夢。
「先生に当てられてるぞ」
「...」
いつもこうだ。
先生が姫川を当てるが彼女が起きていることなんて滅多に無く、毎回俺が起こす羽目になる。
「姫川~」
「...ん?」
やっと起きたか...
「姫川、ここはどう解く?」
「ここがこうなるので...」
姫川は先生の問いかけに淡々と答え、その後は焦点の定まらない目で黒板を見ていた。
彼女はきっと、また寝てしまうのだろう。
そんな予想にため息を吐き、視線をノートへ移した。