48話 それぞれの役割
「間に合え!!マテリアルシールド!!」
頭の中でショートカットを起動する。
その瞬間、光の障壁とアンデッドスライムの触手が衝突する。
「がぁ!!」
景色が一瞬にして流れていく。
光の障壁は破られることは無かったが、
踏ん張るものが何も無い空中では、障壁ごと触手に弾き飛ばされた。
それでも、手の中の子供は離さない様に、しっかりと抱きかかえ……
そのまま受身も取れずに地面に激突した。
「あ……」
身体から力が抜けていく。
視界は白く染まり、感覚が無くなっていく。
まるで、雲の上に居るかのように、曖昧で現実味が無い。
頭には何か柔らかい感触があり、
このまま寝てしまえばとても気持ちよく寝れそうだ。
「あ……あ……」
でも、何か大切なことがあったはず……
何だっただろうか?
「そうだ……子供達は……ぐっ 痛っ!!!」
身体に走る激痛によって、意識は現実に引き戻される。
思いっきり地面に打ち付けた身体が悲鳴を上げ、鋭い痛みが身体に走る。
先程までの浮遊感は消え、身体は重く、腕を上げることさえままならない。
「だ、大丈夫ですか?
ミレーユ様! ソージさんが、目を覚ましました!」
「り……リゼッ……ト?」
自分の視界に、リゼットと思われる顔が映る。
聞こえる声は間違いなくリゼットのものだ。
しかし、自分の視界の半分は白い靄がかかり、それ以外の部分も焦点が合わず、
はっきりと見えない。
視界ははっきりしないが、頭には先程から感じていた柔らかい感触がある。
どうやら自分はリゼットに膝枕をされているらしい。
ここが戦場で無いなら、このまま寝て居たいが、そうもいかない。
「ああ……大丈夫……問題ない……」
そう言葉にしてみたが、視界はぼやけたままで、身体は思うように動かない。
まるで、糸の切れたマリオネットのようだ。
ギリギリと痛む体に鞭を打ち、無理やり身体を起す。
「ソージは寝てなさい。
子供の治療を優先したから、あなたには最低限の回復しかしてないわ」
「そうだ……子供たちは……」
ぼやけた視界に目を凝らす。
ミレーユさんの目の前には、二人の子供が寝ていた。
ステータスの文字は目が霞んで見えないが、HPを表すバーは半分程度まで回復し、毒も抜けている。
意識はまだ戻っていないようだが、命に別状は無さそうだ。
「ふぅ……良かった……」
安堵のため息をつくと、不意に目の前に人影が現れる。
「聖騎士様、あなたは息子達の恩人です!!
ありがとうございます!!」
「いえ……神官、として……当然の事を、したまでです……」
子供達の母親から礼を言われるが、視界は相変わらず元に戻らない。
思うように動かない身体、回復しない視力。
このまま放置しているのは、まずいかもしれない。
自分自身のステータスを見ると、子供を庇って受身を取らずに地面に直撃したためか、
HPは4割程度まで減っていた。
道理で身体が動かないはずだ。
ソウルイーターと戦った時にも、一撃でここまでのダメージを受けたことはなかった。
すぐに死に繋がるわけではないが、放っておくと何らかの後遺症が残りかねない。
しかし、呪文詠唱でのヒールには高い集中力が必要であり、今の自分には難しい。
「……ヒール……」
頭の中でショートカットを起動し、ヒールの魔法を選択する。
暖かい光が自分の身体を包み込む。
HPが全快し、視界は正常に戻り、痛みも消え、身体も思い通りに動く。
まったく、先程まで死に掛けていたのが嘘のようだ。
立ち上がると手足を動かし、その場で軽く飛び、身体を左右にひねる。
大丈夫、痛みは無い、身体は動く……まだ、戦える。
「ミレーユさん、自分はどれぐらい寝てました?」
頭がクリアになったところで、状況を確認する。
「3分ぐらいかしらね?
エリックにお礼を言っときなさいよ。
気絶したあなたと子供達をここまで引っ張って来てくれたんだから」
「エリックが?」
そこで初めて気が付いた。
辺りを見回すと、この場には自分や先程の子供達のような負傷者達が、
地面に座り込んでいた。
その中心では大司教がこの一帯を包むように聖域を展開し、
エリックはその護衛として大司教の脇に控える。
シモンはミレーユさんと同様に、負傷者の手当てを行い、
アンナは青い顔をして震えていた。
「って、なんで全員ここに来てるんですか!!
避難して下さいって、言ったじゃないですか!!」
現在の自分の位置は南部地区の貧民街の入り口だ。
ここから200メートルほど先には、アンデッドスライムの姿が見える。
多少の距離があるといっても、ここは安全とは言い難い。
「何でじゃないわよ。
ソージが一人で飛び出しちゃったから、みんな心配で来たっていうのに」
「む、むう……」
そう言われると、反論できない。
「それにしても、さっきまで瀕死だったのに何でもう動けるのよ。
まあ、それは今は良いか。
……ソージは、またアレと戦うつもり?」
「ええ、もちろん。
まだ、自分は戦えます」
敵のスライムは未だ健在だ。
それに対して自分は、子供を庇うためとは言え、あっさりと死にかけた。
このまま再戦したとして、またやられるのは目に見えている。
……さて、どうする。
まずは一度、情報を整理しよう。
敵のスライムはアンデッドスライムをベースに、
邪教徒が何かしらの手を加えていると考えられるが、詳細は不明。
邪教徒絡みの戦いは、ブルード鉱山、第六開拓村に続いて3回目。
邪教徒は、えげつない手を平気で使用してくるため、
奴らとの戦いは毎回苦戦している。
だが、いい加減にやられっぱなしで居るわけには行かない。
以前ノートにまとめた、邪教徒との戦いの注意点を思い出す。
まず、前提としてアンデッドは光属性が弱点だ。
しかし、邪教徒の場合は、弱点の属性を装備などで克服してくることがある。
今の所、目の前のアンデッドスライムは六重聖域の効果により、
ダメージを受け続けており、光属性が有効である点は確認できている。
しかし、他の属性はどうだろうか?
「……まずは、弱点の見極めだな。
光属性以外にも有効な属性があるかもしれない。
リゼット、属性付きの矢は持ってきているか?」
リゼットは、こくりと頷く。
「よし、各属性の弓を一発ずつ、アレに撃ってくれ。
弱点属性を見極めたい」
「分かりました」
リゼットは属性付きの矢を矢筒から取り出すと、
弓に番え、弦を引く。
そして、放たれた矢は放物線を描き、
200メートルの距離をものともせずに、
勢い良く突き刺さる。
火、水、風、土、光、闇、さらには特殊な凍結矢や電撃矢。
リゼットの連射によって、次々にアンデッドスライムに矢が刺さる。
スライムの体は矢が突き刺さった箇所を中心にして、
池に石を投げたときのように、波紋が広がっていく。
その様子をしっかりと観察する。
「やはり、弱点は光属性か……次点は凍結や火、電撃か」
弱点については、ゲームの時から変わっていないようだ。
これなら、光属性の魔法を得意とする神官以外にも、
魔術師や錬金術師などの魔法を得意とする者は戦える。
「でも……『矢』そのものは効いてない……」
「ああ、アレには矢も効かないか。
属性武器がまったく効いていないという訳ではないが、効率的ではないな。
やはり、魔法が必要だ」
分かっていたことだが、剣を使う自分と弓を使うリゼットでは相性が悪すぎる。
一応、自分はヒールの魔法を使えるが、あくまで補助的なもの。
自分達だけでは、あのアンデッドスライムに対して致命傷は与えられない。
ならば、どうするか?
自分達で無理なら、出来る人間に力を借りるしかない。
この中で魔法が得意な人間は、
ミレーユさん、シモン、アンナ、そして大司教クリストフ。
と言っても、大司教に戦闘させるわけにはいかないので、残ったのは3人。
彼らは同じ神官であり、神学校での同期であったが、
今はまったく別の道を歩いており、それぞれ得意とすることは異なる。
冒険者ギルドで、ギルド専属の神官として働くミレーユさん。
大司教補佐官として、中央教会で神官の取り纏めを行っているシモン。
南部教会司教であるにもかかわらず、つい最近まで教会の仕事をボイコットしていたが、
魔法に対して高い素質と知識、技術を持つアンナ。
彼らにどのような役割を任せるのかが、今回の戦いの鍵になるだろう。
「ミレーユさん、あのスライムは自分が何とかします。
その代わりと言っては何ですが……
ミレーユさん、怪我人達の治療をお願いできませんか?」
「言われるまでも無いわね。
元からそのつもりよ」
ミレーユさんは初めて会ったときも、真っ先に戦場に駆けつけていた。
あの時もそうだが、ここもすぐ近くにアンデッドスライムが居るような状況だ。
距離があるとは言っても、安全と言うわけではない。
それでも、ミレーユさんは治療を行う。
何だかんだ言っても彼女も神官であり、ここが彼女の戦場なのだ。
アンデッドスライムを倒すことは、もちろん重要だが、
負傷者の手当ても同じように重要だ。
彼女自身には、戦闘に参加して貰うよりも、ここで治療を行って貰った方が良いだろう。
「ええ、お願いします。
あと1つ質問なんですが……冒険者が冒険者を雇うことは可能ですよね?
あそこで暴れているのは、アンデッドスライムです。
しかも、あのスライムには邪教徒が何かしらの細工を行ったと思われます。
アンデッドスライムの特性は、強力な物理耐性と毒です。
アレを倒そうとするなら、神官または魔術師の魔法攻撃が必要です」
ゲームだった時には、物理攻撃も属性武器でなら、ある程度は戦えたが、
今回の戦いでは、聖剣を握って近接攻撃を挑むのは現実的ではない。
あの巨体に押しつぶされたら、その時点で死んでしまう。
となると、残りは魔法による攻撃で倒すしかない。
ブルード鉱山の事件では、自分はミレーユさんを雇って事件に当たった。
あの時のように、魔法が得意なものを雇って戦力とする。
「雇うことは可能ね。
何人ぐらい必要?」
「可能な限りたくさん。
主力は神官もしくは魔術師。
それ以外でも魔法が使えるなら職種は問いません。
あと、彼らの盾役として、戦士も必要です」
「出来るだけたくさん……ね。
ソージ、分かってるわね。
冒険者を雇うには金が要るし、
今回の戦いで雇うなら、緊急依頼の待遇で雇うしかない。
相当な金を積まないと無理ね。
あなたは、幾らだせる?」
「すぐに出せるのは、大金貨500枚程度。
手持ちの不要なレアアイテムやフラグメントを売り払えば、
さらに大金貨1000枚ぐらいです。
それで足りないとしても……
レベル74の聖騎士が本気で金を稼ごうと思えば、
金はどうにでもなりますよね?」
この世界で適正レベル70のダンジョンに潜れるような人間は少ないはずだ。
あまりやりたくないが、高難易度のダンジョンに突撃して、
モンスターを倒してレア素材を持って帰れば、金はどうにかなるだろう。
「本気のようね。
良いわ、報酬について私に一任してくれるなら、
ここで依頼書を書いてあげるわよ?」
「では、お願いします」
「契約成立ね。
じゃあ、ソージに良いことを教えてあげる。
さっき言ったお金の話だけど、ソージの方法以外に当てがあるわ」
「それはどんな方法ですか?」
「今、このアウインは城壁内にモンスターが出現し、未曾有の大災害に陥っている。
であるならば、あのモンスターには、国や教会から莫大な懸賞金が掛けられるはずよ。
ですよね、大司教?」
「うむ、そうなるだろうな」
「ふふふ……教会が溜め込んでるお金はどれだけあるんでしょうね?
まあ、もちろん、ただモンスター討伐に参加しただけでは駄目だけどね。
でも、ソージはあのモンスターを倒す気なんでしょ?
どうせなら、ここで名を上げてきなさいな。
聖騎士ソージ、ここにありってね」
こんな時にでも、悪巧みのネタが出てくるなんて、
ミレーユさんは余裕があるなぁ……
「欲をかけるような状況ではないので、積極的には狙えませんが……
頭の片隅には置いておきますよ」
本当にアレが倒せるのか?
こうしてミレーユさんに依頼をしておきながら、未だ確証は無い。
最悪、時間稼ぎをして聖域の効果で削りきることも考えていた。
だが、ミレーユさんの言葉で、
あのモンスターを倒そうというモチベーションは上がった。
確かに、倒せるのなら倒してしまったほうが良い。
「そう。まあ、死なない程度に頑張んなさい。
依頼書には、あなたの指示に従うように入れておくわ。
それと、無茶振りをした後で悪いんだけど、リゼットは借りるわよ。
私はここで治療を続ける予定だから、
依頼書はリゼットに届けてもらうわ」
ミレーユさんは話が終わると、すぐに鞄から紙とペン、インクを取り出し、
地面に転がっている木材の上に紙を広げると、その場で依頼書を書き始める。
「分かりました。
悪いがリゼット、ミレーユさんから依頼書を受け取ったら、
冒険者ギルドまで届けてくれ」
「……分かりました」
冒険者側はこれで良し。
次は、シモン。
つまり、教会側だ。
「エリックは大司教を安全な場所に避難させてくれ。
それとシモン、教会の聖騎士団は動かせるか?」
「可能です。
しかし、その為には僕は中央教会に戻らないといけません。
エリック、大司教を頼みます」
しかし、シモンの言葉に対して、大司教は首を振る。
「ワシの事は良い。
大司教がアンデッドを前に逃げるわけにも行くまいて。
ワシもここで犠牲者の治療を行おう。
シモンよ、お主はすぐに教会に戻り、聖騎士団を編成するのだ。
ワシの名を使っても良い」
「分かりました。皆に主神マーヤの加護があらんことを」
「では、エリックはここで大司教の護衛を行ってくれ。
あと、さっきは助かった。ありがとう。」
エリックはすごく、微妙な顔をして頷いた。
彼とは大司教との面会前に、口論になったままだ。
まぁ、あれは自分の方から喧嘩を売ったようなものなので、
どちらかといえば悪いのは自分だが……
どこかで関係の改善はしておかないといけないな。
それはともかく。
とりあえず、これで冒険者側と教会側の協力は取り付けた。
もっとも、これでアンデッドスライムが倒せるかは分からない。
街中で突発的に起きた戦闘だ。
アンデッドスライムについて、分かってないことは多い。
また、戦力として当てにしている冒険者と聖騎士団にも不確定要素はある。
まず、冒険者側はミレーユさんの依頼書次第だが、
冒険者が自分の依頼を請けてくれないかもしれない。
そして、聖騎士団も、東部教会司教のレオンは第6開拓村に遠征に出ていたはずだし、
北部教会司教のシャルロットはブルード鉱山の調査中だ。
今残っているは、西部教会と中央教会の聖騎士団のみ。
この状況でどうなるかは分からない。
しかし、このまま黙ってみているわけには行かない。
ならば、覚悟を決めてやるしかないのだ。
最後に、アンナを見る。
本当は彼女には戦闘に参加をして欲しい。
彼女の高いMPは、魔法主体となる今回の戦いでは強力な武器になる。
だが、彼女の身体は震え、顔には恐怖の感情が表れている。
これでは、戦闘で使い物にならないだろう。
残念だが……ここに置いていくしかない。
「ミレーユさん、アンナを頼みます。
……では、」
踵を返し、アンデッドスライムに向かおうとした瞬間、
今まで、黙っていたアンナが震える声で叫ぶ。
「っ……ま、待てよ!
な、何でソージが戦う必要があるんだよ!!
無理だよ!
城壁よりも、大きいんだぞ!!
お前は偉大なる聖騎士クロードにでもなるつもりかよ!!」
アンナは震える声で、それでも必死に叫ぶ。
偉大なる聖騎士クロード。
シモンから聞いた、邪教徒を7体も倒したという伝説的な英雄だ。
もしここに彼がいれば、あのアンデッドスライムは倒せるのだろうか?
しかし、それは意味の無い仮定だ。
「アンナ、ここにはクロード様はいないし、彼に代わるような英雄もいない。
誰かが助けてくれるのを待っていても、そんな都合の良い存在は現れないだろう。
だったら、自分で何とかするしかない。
結局、自分を助けることが出来るは、自分だけなんだから」
しかし、自分の言葉に対して、
アンナは駄々をこねる子供のように叫ぶ。
「だからって、なんでソージが戦うんだよ!
ソージが戦う必要は無いじゃないか!
ソージでも無理だよ!死んじゃうんだよ!!」
「……4人」
「え?」
「自分が確認した範囲だけでも、すでに4人が亡くなっている。
そして、何もしなければ、さらに増える。
……今回の事件に関った者として、ケジメをつける必要がある」
別に死んだ者のために命を懸けようと言う訳じゃない。
仮に自分がアンデッドスライムを倒したとしても、彼らが蘇るわけではない。
でも、だからと言って、何もしないなんてことは出来ない。
「なんで、ソージが!!
ソージのせいじゃないだろ!!
六重聖域は、爺さんがアンデッドを街に入らせないように作ったのに!
それなのに!!
悪いのは、あのアンデッドだろ!!」
「もちろん、一番悪いのはあのアンデッドスライムだ。
だが、今日という日に聖域を発動させることを選んだのは自分だ。
別の時間、別の日にしていれば、彼らは死ななかった。
だから、逃げるわけには行かない」
今回の事件の中心に居た者として、途中で逃げてはならない。
自分には、この事件に幕を引く責任がある。
「でも、それなら、アタシ達だって同じじゃないか!!
アタシが六重聖域を発動させた!!
うう……くそ!」
アンナは、震える身体に力を入れ、前に進もうとしたが……
しかし、震える体は一歩も前に動かない。
「アンナ、戦うだけが全てじゃない。
負傷者の治療に、輸送、避難誘導、出来ることは色々ある。
そうだな……アンナ、魔力上昇の魔法を自分にかけてくれ。
今回の敵は魔法で戦わないといけないから、あると助かる」
「うう……分かったよ……
――生命の光よ我が身に宿れ――アラウザル」
アンナは涙を流しながら、それでも呪文を唱える。
彼女の身体は、未だに恐怖で震えている。
まともに精神を集中させることなど出来ないだろう。
しかし、そんな状態で唱えた魔法であるにもかかわらず、
その魔法がかけられた瞬間、体内の魔力が増幅され、
心臓の鼓動と共に魔力が体中を駆け巡っているのが感じられる。
やはり、アンナの魔法の技量は相当なものだ。
だが……それでも今のアンナは連れて行けない。
せめて自分の足で一歩を踏み出せないと、戦いの中で死んでしまうだろう。
「ありがとう。
これでかなり戦いやすくなったはずだ。
アンナ、とにかく後悔をしない選択をするんだ。
最悪、今日と言う日で……アウインが終わってしまうかもしれないんだから」
アンナに対して、言いたいことは言った。
これで彼女が動けるようになるかは分からないが、
さすがにこれ以上の時間は使えない。
彼女に背を向け、今度こそアンデッドスライムに向かって走り出した。
次話はアンナ視点の話を挟んで、
本格的な戦闘は、その後になります。
今回の戦いは集団戦。
ただし、冒険者と聖騎士団、所属の異なる集団で、
打ち合わせも無しの出たとこ勝負となります。
ちなみに国の守備隊は、貴族や王族の守りを固めているため、
今回の戦いには参加しません。




