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弓と剣  作者: 淳A
天駆
442/490

腕章  離宮飛行場管理長、レシピアの話

 青竜の騎士が着陸なさった時の事故は不幸な偶然が重なった結果と言える。

 まず、離着陸申請が出された頃、飛行場管理長である私が視察旅行で不在だった為、事前の通知を受け取れなかった。

 誰が許可したのか青竜の騎士がお帰りになった後でも分からなかったが、私の直属上司、カガーミ統括主務は飛行場について何も知らない御方だ。 その上のムーリキン侍従長となると飛竜に乗った事さえ一度もないと聞いている。 許可した人が誰であれ、許可する事で起こる惨事を予測していたとは思えない。

 そもそも着陸まで三週間もない申請。 しかもそれが許可されたとは前代未聞。 通常なら申請の際、使用目的の是非が審査されるだけでなく、乗り入れる飛竜の試験もある。 私のような飛竜を操縦した事のない素人が一度や二度聞いただけでは理解出来ない程複雑で、全てに問題がない事を確認するのに五年はかかるのだとか。 申請なさったのが青竜の騎士でなければ到底許されなかった。


 次に、私の部下は二十人いるが、駐竜場と呼ばれる民間の飛行場にも詳しい者は私だけだった。 飛竜を実際見た事がある者さえ数人しかいない。 長年飛行場勤務でも飛竜を操縦した事もなければ飼育の経験もないのだ。

 これを言うと内情を知らない人には驚かれるが、離宮が建設された後で飛竜が離着陸した事は一度もなく、無経験が問題になった事はなかった。 勿論飛竜に関する知識は学んでいる。 しかし実務経験はない為、着陸許可が出されたと聞いても騎士がお乗りになる飛竜の着陸に問題がないか詳細を確認をせねば、と焦る者はいなかった。


 私にしてもなぜ飛行場と駐竜場の違いについて知っているかと言うと、私の趣味が旅行で、よく飛竜に乗っていたから。 つまり利用客としての知識と経験でしかない。 飛竜の離着陸管理を一度もした事がない私が飛行場管理長とは名ばかり。 それでも全く問題なかったのは普段私達が行っているのは庭園管理だからだ。

 玉竜用集中線の風化を防ぐ、玉竜の翼を傷付けるような樹木は植えない、竜舎の管理等、普通の庭園にはない注意事項はある。 だがそれ以外は一般の庭師がやっている事と何の変わりもない。 飛行場管理長であろうと飛竜の離着陸に関する知識は少しも必要とされていなかったのだ。 青竜の騎士が着陸なさるまでは。


 部下の中には他の離宮飛行場から転勤してきた者もいるが、ここと違うのは大きさだけで事情は全く同じだ。 数百年は遡らないと陛下が玉竜にお乗りになった例はないし、民間所有の飛竜が離宮に離着陸するには高額で煩雑な手続きを踏まねばならない。

 申請は飛竜一頭に付き一通提出。 試験日を待っている間にその飛竜が病気や怪我で飛べなくなれば無効。 一からやり直しだ。 申請書には操縦士の名前も併記されている。 双子の飛竜(そんなものが存在すると聞いた事はないが)でもない限り、別の飛竜と差し替える事は出来ない。 不慮の事故や病気で操縦士が受験出来ない場合も同様。 試験日の延長はなく、申請の再提出となる。 それ以外にも様々な不便がある為、飛行場はどの離宮にもあるが、実際に飛行場として使われた事はなかった。


 民間駐竜場の管理人なら飛竜に関して詳しい。 大きい駐竜場なら飛行用飛竜を飼育しているし、小さな駐竜場であっても飛竜を休ませる為の竜舎があり、竜番と呼ばれる飛竜の世話係を常駐させている。 竜番は自分の飛竜が死んだか怪我で飛べなくなったので他の飛竜の世話をするようになった元操縦士だから操縦の実務経験もある。


 ただ振り返って見れば許可が下りる前に私が知っていたとしても、この事故を防げたかどうか疑わしい。 視察から戻り、青竜の騎士が四頭の飛竜で御来宮なさると聞いた時、私はその四頭が玉竜で繋留されていると思い込んだ。

 玉竜の乗竜許可をお持ちなのは祭祀長だけである事は知っていたが、青竜の騎士は瑞兆の実父。 皇寵を頂戴なさってもいる。 此の度竜鈴が鳴り、正式に青竜の騎士と叙されたのだとか。 ならば操縦許可が出されたとしても不思議はないし、玉竜でなければこれ程すぐに許可が下りる訳がない。 そう思い、上司のカガーミ統括主務に乗り入れする飛竜の詳細を確認しなかった。 仮に玉竜であったとしても繋がれていない可能性があったのに。


 青竜の騎士に随行したダンホフ操縦士三名の中にフレイシュハッカを訪れた事のある者がいなかったのも痛い。 玉竜以外で飛竜が繋留されて飛ぶ事は滅多にないから、訪れていたとしても集中線の意味に気付いたかどうか分からないが。

 飛竜には互いから出来るだけ離れて着陸しようとする習性がある。 玉竜は天蓋付き桟敷席を運ぶ為、必ず繋がれて飛ぶ。 だが集中線があればそれを目指して着陸するので繋留紐の切断事故が防げる。 だから離宮付属飛行場なら必ず集中線が引かれているのだ。

 しかし駐竜場でこの集中線が引かれている事はまずない。 何しろ飛竜を繋ぐ紐は高額だ。 メートル二万はする。 二頭の小型飛竜を繋ぐだけで五百メートル必要だから、一千万ルーク。 複数の飛竜を所有する貴族は何人もいるが、金満家として知られるダンホフでさえそこまでの贅沢はしないと言うか、出来ないのではないか?

 繋留されている飛竜がいないのなら直径約三十メートルの集中線を引く意味はない。 広大な駐竜場であっても助走路や飛竜舎の配置に悩む事になるし、着陸がそこに集中するから一頭着陸する度に補強しないとすぐに大きな穴になる。

 何より集中線が引かれている所へ複数の繋留されていない飛竜が着陸しようとしたら衝突事故が起こる。 集中線がない駐竜場でさえ衝突や翼風事故が時々あるのだ。 翼風は馬が屋根の上に飛ばされる程強烈だ。 正面衝突が避けられた場合でも操縦士と乗客は吹き飛ばされる。 命綱を外している者は体を。 外していなかった者は体の一部を。


 その日、誰もが期待に胸を膨らませ、青竜の騎士の御来宮を待っていた。

「最終確認をする。 集中線は?」

「昨日引き直しが完了しました」

「飛竜の餌は?」

「一ヶ月分を備蓄し、追加が必要な場合、翌日配達されるよう手配済みです」

「うむ。 翌朝お帰りの御予定と聞いているが、御滞在延長は喜ばしい事だからな。 用意しておくに越した事はない。 青竜の騎士用椅子の件はどうなった?」

「第二へ搬入し、壁に弓置きと矢筒掛けを取り付けました」

 第一竜舎には陛下の椅子が設置されている。 最初はそのお隣に青竜の騎士用を設置したのだが、上司によると、そのような特別扱いを御遠慮なさるお人柄なのだとか。 立ちっぱなしとなってはあまりにお気の毒。 それで青竜の騎士には第二竜舎を御利用戴く事にした。

 その他、飛竜用玩具、操縦席や乗客席を修理する時必要な道具、操縦用手袋等、何でもある事はあったが、三百年前に用意されて以来一度も使われていない物ばかりだ。 念の為新しい物に取り替えたり磨き直したり。 御不便がない完璧なお出迎えとすべく、管理人達は全員連日連夜泊まり込みで準備していた。

「よしっ! 準備完了!」

 最終チェックの後、疲れの滲む二十の顔が微笑みで綻ぶ。


「竜影っ!」

 物見の塔から待ちに待った声が聞こえ、皆一斉に空を見上げた。 遥か彼方に四頭飛んでいる。 ラリッサ副管理長が訝しげに呟いた。

「繋がれているにしては随分離れていらっしゃいますね」

 背骨に恐怖が注ぎ込まれる。

「繋留していないっ! 衝突するっ!」

 私は地団駄を踏み、狂ったかのように両手を振り回して喚き続けた。

「担架だっ! 担架を用意しろっ! 医者を呼べっ!」


 今思い返すだけで胸が掻きむしられる。 時間にしたら一分もあったかどうか。 だが私にとっては永遠と感じられた。

 絶望が我が身を包む。 医者を呼んだ所で何の役に立つ。 飛竜の衝突事故に巻き込まれた操縦士や乗客が助かる見込みなど万に一つもない。 時を巻き戻す事が出来たなら。 そんな詮無き願いを嘲笑うかのように先頭の茶竜が着陸し始める。 希望と絶望が何度も脳裏を交錯した。

 だが玉竜操縦士か陛下から派遣された竜騎士なら集中線の意味を知っているだろう。 同時着陸を避けようと上空を旋回してくれるのでは?

 一縷の望みに縋って目を凝らしたが、どの飛竜の腹帯にもダンホフの家紋が付いている。 玉竜操縦士や竜騎士が貴族の家紋入り飛竜を操縦するはずはない。

 先頭は小型の茶竜。 もしや青竜の騎士は最後尾の黒竜にお乗りでは? それなら三頭の乗客は吹き飛ばされるとしても青竜の騎士だけは御無事だ。

 しかし先頭の茶竜の操縦士は背に何か背負っている。 矢筒だ。 間違いない。 先頭は青竜の騎士。

 天に縋った。 どうか。 どうか我らが騎士のお命だけはお助けを。


「衝突するっ!」

 着陸なさった騎士へ向かって喉も裂けよと叫んだが、声が届く距離ではない。 後続の飛竜が集中線を目指して着陸し、その翼風で騎士と同乗の剣士はお席から吹き飛ばされた。

 どんっ! 死を告げる音が耳朶を打つ。

 剣士は地面に叩き付けられ、ピクリとも動かない。 よもや今日、このような悲劇を目撃する事になろうとは。 もしや彼が北の猛虎?

 目を覆いたいのに覆えない。 為す術もなく騎士のお姿を目で追う。 すると羽でも生えているかのように宙を舞い、くるっと一回転なさって茶竜の翼の上に落ち、するすると滑り下りていらした。

 飛竜の翼は見掛けよりずっと軽くて薄い。 骨も中は空洞だから人が踏んだだけで折れると聞いていたのだが。

 茶竜がキュッキュッと鳴きながら一生懸命翼をぱたぱたさせ、自分よりずっと大きい飛竜の翼風に逆らっている。 親竜が子竜を庇おうとするかのように。


 青竜の騎士は、師範、と叫んで動かぬ体へと駆け寄られ、軍服を緩めて心臓の音をお聞きになった。 即死だろう。 北軍で師範と呼ばれる御方はただお一人。 謝った所で稀代の剣士が生き返る訳でもないが、私は土下座して騎士にお詫び申し上げた。

 激しい悲嘆と叱責を覚悟していた私に、青竜の騎士は明るいお声でお返しになる。

「風に吹っ飛ばされたのは飛行場のせいじゃないよ。 着陸のタイミングが、ちょっと近過ぎただけ。 心配しないで。 師範って割と頑丈な人だから」


 頑丈、とは? まだ生きていらっしゃる? だとしても骨が折れたか、打ち所が悪ければ命は助かっても二度と歩けないかもしれないのに。 この明るさはどこから来るのか?

 それだけではない。 騎士は私の部下が運んで来た担架をお断りになり、怪我人を軽々と肩で担がれた。 なぜ肩で? 胸の骨が折れていたら、まだ息があっても息の根を止めてしまうのでは? もしや世間で噂する程お二人の仲は良好ではない?

 そんな不埒な考えが浮かんだが、騎士が数歩歩まれただけで剣士は目を覚まされた。 騎士のお肩を借りながらも御自分で歩まれる。 尋常ならざる御方とは聞いていたが。 最早超人。 頑丈の一言で片付けられるレベルではない。


 いずれにしてもお二方、共に御無事なのだ。 このような幸運が又とあろうか。 たとえ私の命運はここで尽きようと天には感謝してもしきれない。 安堵のあまり土下座した場所から動けずにいた。

 その私の前に後続の飛竜から下りた上級将校が立ち止まる。 胸の刺繍はマッギニス侯爵家の家紋。 ならばこの御方は知将として名高いオキ・マッギニス殿であろう。

「其方が飛行場管理長か?」

「然様でございます」

「あの集中線の目的は何か?」

「繋留紐の切断を防いでおります。 玉竜が着陸なさる際、線の中心を目指すように」

「なるほど。 ならば本日の報告は簡潔を旨とせよ。 操縦士名、乗客名、及び着陸の際強風あり、で充分だ。 強風の原因や乗客の転落を記載する必要はない。

 見ての通りの軽傷。 到着を急ぎ、風が凪ぐのを待たなかったのはこちらの不首尾。 このような瑣末事で玉竜用設備を変更する事になっては畏れ多い。

 又、本日の着陸に関し、処罰される者が出るのは青竜の騎士の望む所にあらず。 飛行場管理に問題がなかった事は私からムーリキン侍従長とカガーミ統括主務に説明しておく。

 急の飛来である。 現場の者達にはさぞかし無理を強いたであろう。 許せ」

「勿体なきお言葉、忝く存じます。 報告の件、しかと承りました」


 このような形で不問にされ、労りのお言葉まで頂戴するとは。 有り難くはあるが、本当にそれでよいのか私に確信はない。 私の上司のカガーミ統括主務にもなかったが、少なくとも青竜の騎士はこれを事件と捉えていらっしゃらないという点に関しては意見が一致した。

 それにもし私が事実に拘り、詳細な報告をすれば、集中線は消される可能性が高い。 戴冠以来陛下が御来宮なさった事はないし、青竜の騎士も玉竜を御利用なさらないのであれば、繋留された飛竜が着陸する可能性はゼロと言ってよいのだから。

 私自身は線を消してもよいのではと思うが、それは陛下に来るなと言ったも同然だ。 集中線の消去を命じたのが陛下ではなく皇太子殿下だったら陛下の側近にどう曲解されるか。 お二人の御関係を悪化させる火種となり得る。 そこをマッギニス補佐は御懸念なさったのだろう。

 それは充分理解出来るし、何より青竜の騎士御本人がお気になされていないのだ。 報告は簡単なものにするしかない。 ただ報告はそれでいいとしても、集中線をあのままにしておいたら来年同じ事が起こる。 それだけは何があっても防がねば。


 どう対処すべきか色々考えたが、どの案にも長短があった。

 御来宮の際は玉竜を御利用戴く。 それなら集中線の変更は必要ない。 だが玉竜の利用をお許しになるかならないかは陛下次第。 皇太子殿下でさえそのようなお指図は出来ないのだから実現するかどうか分からない。

 お強請りらしいお強請りをなさった事がないと噂される青竜の騎士が、そのようなお強請りをなさるかも怪しい。 なさったとしても実現までかなりの年月がかかる事が予想される。 その間、別の解決策を用意せねばならない。


 ダンホフの飛竜を繋ぐ。 これは誰がその費用を持つかで躓くだろう。 青竜の騎士は清貧を貫いていらっしゃると聞く。 ダンホフは騎士の歓心を買いたがっているようだが、ダンホフの資産といえども無尽蔵ではなかろう。 私の全財産など高が知れている。 喜捨を申し出る貴族なら何十人もいると思うが。 青竜の騎士が巨額の喜捨をすんなり受け取って下さるか? 遠慮されてしまえば絵に描いた餅で、解決策にはならない。


 着陸間隔を大きく空ける。 つまり他の方々には空中でお待ち戴く。 これは言うは易く、だ。 飛竜を空中で旋回させるという芸当が出来るものなら衝突事故など起こるはずがない。 仮にやりますと手を上げる操縦士がいたとしても実際やれるかどうか。 やってみて失敗したらどうする? 或いは練習では成功しても本番で失敗したら? 次も奇跡的に助かるという保証はどこにもない。 その可能性を考えただけで周囲から猛反対されるだろう。


 陛下から繋留紐だけお借りする。 おそらくこれが一番安上がりな解決策ではないかと思うが、これが可能か、可能なら誰にどうお願いすればよいのか、私には分からない。

 こういった事にはこちらの意図と関係なく政治的な思惑が絡んで来る。 それにこれも青竜の騎士のお強請りを必要とする。 御本人にお強請りする気がなければ、陛下にお強請りして下さいと誰が頼むのか? 私の上司の上司であろうとそんな事は出来ないだろう。 畏れ多くて提案すら出来ない、と私の上司に言われたらそこで終わりだ。


 飛竜での御来宮は青竜の騎士お一人のみとする、という道もない訳ではない。 これも安上がりと言えば安上がり。 青竜の騎士には簡単に承諾して戴けるような気がする。 しかし周囲の皆様がうんと言うまい。 一見安全なようだが、もし途中で竜賊に襲われたり悪天候や事故にあわれたら? 誰も知らなかった故に助けが間に合わないという欠点がある。


 では、青竜の騎士が御来宮なさる日だけ集中線を隠す? 私にしてみればこれが一番確実な解決策なのだが、可能なようで不可能だ。 マッギニス補佐から青竜の騎士用の変更は望まないと伝えられている。 直径三十メートルの集中線を隠したら気付かれないはずはない。 それに隠せば玉竜の着陸が危険になるのだから工事の許可だってもらえないだろう。 だからと言って飛行場建設に関し何も知らない私が勝手にやるのは無理がある。 今から必死に勉強すれば飛行場設計士になれるという訳でもない。


 散々悩んだ末に自分の能力の限界を感じ、カガーミ統括主務へ考えた策とその欠点を話した。

「この問題を解決する為、西軍へ相談しに行く事をお許し戴きたいのですが」

「相談するのは構わんが。 離宮飛行場と西軍には飛竜という共通点こそあるものの、今まで交流らしい交流があった事はない。 相談に行っても忙しいと追い返されるのがせいぜいと思うぞ。 それよりムーリキン侍従長に青竜の騎士用飛行場を離宮の隣に新設する陳情書を提出した方が早いのではないか?」

「その御提案も解決策の一つとさせて戴きます。 ですが新設となりますと、明日工事が始まったとしても来年の御来宮には間に合わないのではないでしょうか?」

「う、うむ。 設計士の見積もりを聞くぐらいはしてもいいのではと思うが」

「それに宮廷設計士は先例に縛られがち。 設計の事なら知っていても新設や変更の背景は知らないので、新設の飛行場も集中線付きで設計されてしまうでしょう。 それでは建設が間に合おうと使えません。 するとなぜ使えないのか、なぜ集中線があってはまずいのか、その理由を文書で提出せよと言って来るはず。 そう言われてもこちらには文書で提出する訳にはいかない事情がある訳で。 口頭の説明だけでは納得してもらえないのでは?」

「まあ、そう言われれば。 ならば民間の設計士に依頼してはどうか? 宮廷設計士より融通がきくであろう?」

「融通はきくでしょうが。 今度はなぜ宮廷設計士を使わないのか、依頼しようとしただけで一騒動起こると思います。 加えて関係者が増えれば増える程、どこから何が漏れるか分かりません。 その点、西軍なら全て機密扱いにしてもらえるはずです。 とにかく解決の糸口だけでも今の内に見つけておかなければ」

「その気持ちは分かるが。 こちらから相談を持ちかけておきながら、それは出来ない、これもやれん、ではあちらの機嫌を損ねるだろう。 私としては何でもする気でいる。 とは言え、皇太子殿下だとて陛下の御勘気を招くような真似は出来まい。 どこまでなら許容範囲か、ムーリキン侍従長でも予測がつけられるかどうか」

「いずれに致しましてもこのまま来年の五月を迎える訳にはまいりません」

 それには力強い頷きを返して戴けた。


 庭師が飛竜の何を聞きに来た、と相手にされない事を覚悟して出発したのだが、意外にもラガクイスト将軍自ら熱心に相談にのって下さった。

「離宮飛行場管理長直々の申し出、非常に心強く思う。 青竜の騎士には国内を御自由に飛行して戴きたい。 それは陛下の御希望であり、臣民の願いでもある。 これを実現するには飛行場整備が急務だ。

 飛行場はどれだけ資財を投入しようと短期間で完成するものではないが、離宮の飛行場なら使用されていないだけで即座に御利用可能な設備が整っている。 離着陸の申請手続きに関してはテイソーザ皇王庁長官が簡略化に向けて動いて下さっており、いずれ法令化されるので問題はない。 集中線の件さえ解決すれば他は時間が解決する。 そこで、だ」

 将軍は執務室にヒュダル将軍補佐と一人の軍人を呼び入れ、御紹介になった。

「リュウセイ小隊長だ。 世間で言う所の竜番でもある。 彼が飛竜で集中線を隠す事を提案している」

「飛竜で隠す、とおっしゃいますと?」

 私の質問にリュウセイ小隊長が答えてくれた。

「小型の飛竜でも両翼を広げれば十五メートルはあります。 集中線の中に餌を置けば一、二週間で場所慣れし、他の飛竜が近づこうとしても翼を広げて追い払います。 外周が隠れる程大型の飛竜はおりませんが、中央付近さえ隠れていれば外周が見えていてもそこを目指して着陸しようとしません」

「なんと。 そのような解決策がありましたか。 相談した甲斐がございました。 それでしたら来年の御来宮にも充分間に合います」

 手放しで喜ぶ私を将軍が押し留める。

「この策にも短所がないとは言えない。 飛竜を飼う場合、費用は餌代だけではないのでな。 竜番を少なくとも三人。 出来れば五人程、常駐させる必要がある。 物で隠すなら、たとえ初期費用は高く付いても人件費が掛からず、管理費は安く済む。 出し入れが面倒という欠点はあるが」

「費用や手間は問題ではありませんが、青竜の騎士は舞踏会以外にも御来宮なさるかもしれません。 という理由で集中線を常に隠していれば、完全消去と何が違う、と咎められるのではないでしょうか?

 フレイシュハッカに関して申せば、如何にして青竜の騎士に御懸念なく御来宮戴ける環境を整えるか。 それこそが目下の急務なのです。 竜番を見つけるのが難しいという事でしたら他の解決策も同時に検討致しますが」

「竜番なら西軍に限っただけでも今すぐ全国の飛行場に五人づつ派遣出来る程いる。 だが離宮側に問題があるのではないか? 身元は全員しっかりしているとは言え、離宮にとって竜番は前例のない雇用のはず。 もし直接雇用が難しいなら西軍から東軍へ移籍させ、東軍から離宮へ護衛の名目で派遣する事をオスタドカ副将軍へ提案するが」

「私の部下としても構わないのでしたら本日雇う事も可能です。 ところで肝心の飛竜はどこから入手すればよいのでしょう? 西軍からお譲り戴けるのですか? おいくらかも今、伺っておきたいのですが」

「譲渡後の餌代は離宮側で持って戴きたいが、飛竜本体は無料でよい。 飛竜を失った竜騎士がいるように、竜騎士を失った飛竜もいるのだ。 操縦する者がいないので乗竜は出来ない。 だが雌だったら卵を産む可能性があるし、雄でも番として選ばれるかもしれないから飼い続けている。

 しかし一カ所で何頭も飼育するのは負担で、分散したいと思っていた。 離宮が飼育の一端を担って下さるなら非常に有り難い。 幸い青竜の騎士ならどの飛竜であろうとお乗りになれる。 代え馬ならぬ代え竜としても御利用戴けるであろう」

「これは一石二鳥ならぬ一石三竜の解決策。 早速実行に向けて根回しをしたいと存じます」

「実はもう一つ、問題があってな。 動く気のない飛竜を動かすのは山を動かすよりも難しいのだ。 だから飛竜を離宮へ移動させるには青竜の騎士にお乗り戴く必要がある。 離宮側の御賛同が戴ければ青竜の騎士の御予定をマッギニス補佐に聞こう」

「ではすぐさま離宮へ戻り、本件を上へ通しましょう。 そこまで私に決裁する権限はありませんので。 許可が下り次第、こちらへお知らせするという事で如何ですか?」

「うむ。 首尾良き知らせを待っている。 私から皇太子殿下へこの案を申し上げてもよいが、マッギニス補佐は上からの命には中々首を縦に振らない。 下からの提案には即座に採用する傾向がある。 殿下の御了承が戴けたら、そなたの方からマッギニス補佐へ打診した方が、私からの打診よりすんなり事が運ぶのではないかと思う」

「それは構いませんが。 宮廷内では下からの提案は良いものであっても先例がないという理由で潰される事がよくあります。 これもそういう運命を辿るのでは?」

「妨害はさせん。 そこは私に任せてくれ。 まあ、私が何もしなくても妨害はされないと思うが」


 将軍のお言葉通り、妨害はどこからも来なかった。 トントン拍子に上司、そして上司の上司、その上の尊き御方よりお許しを頂戴し、予算が組まれ、飛竜を離宮に迎えた。

 そこまではよかったが、生きた飛竜がどれだけ気難しいのか分かっていたとは言えない。 おまけにリュウセイの気難しさときたら、それ以上だ。

 この寝床では飛竜が嫌がる、この手袋の方が青竜の騎士に相応しい、これは色がだめ、あれは大きさが不適当。 信じられないだめ出しの連続。 一体どちらが上司か分かりはしない。

 美しく整えられた庭園は飛竜の爪と吹き荒れる翼風で到着したその日に滅茶苦茶にされた。 言いたい事は数多あったが、飛竜に関して私の方が素人である事は疑いもなく、他の解決策がない以上、言われるままに従った。 それに青竜の騎士が御来宮なさった時、喜ばれ、選ばれるのはいつもリュウセイが用意した物なのだ。 間違った事を進言していない事だけは確かだった。

 だから離宮と飛行場の間の境界線を明確にすべきと言われればその工事をし、乗客は離宮に入らなくとも出入り出来た方が都合よいと言われれば乗客専用出入り口を取り付けた。 飛行用飛竜を常駐させるようになった事、飛竜を利用したい客には金を払えば乗れるようにした事、その料金を飛竜の飼育費に充てるようになったのも、元はと言えばリュウセイの提案による。 それらがなぜ青竜の騎士の御為になるのか、理由はよく分からなかったが。


 めまぐるしい忙しさに紛れ、数年の月日があっと言う間に流れた。 退職する年になり、新管理長になるラリッサに采配を任せる事が多くなったが、私が退職する同じ日にリュウセイも退職する。 それで彼の所属はラリッサへ移さず、今まで通り私に報告させる事にした。

 私が申請したものでまだ決定されていないものは離宮飛行場の改名だけだ。 因みにこれもリュウセイが提案した。

「離宮飛行場は多くの民に利用される場所に成長し、離宮訪問が目的ではない利用客の方が大部分となりました。 この際、名称を空港と変更しては如何でしょう?」

「上に通しておく」

 それは私がいつもリュウセイに返していた言葉であり、許可の同義語でもある。 名称を変更するにはそれなりの手続きを踏む必要はあるが、既に世間からフレイシュハッカ離宮飛行場より空港と呼ばれているし、皇太子殿下でさえ今では空港と呼んでいらっしゃる。 大きな反対はないだろう。 新たにやらねばならないとしたら許可が下りた後で看板を掲げるくらいか。 それでこれは私が最後までやる事にした。


 皇王庁から決議が届いた日、リュウセイを執務室へ呼んだ。

「フレイシュハッカ離宮飛行場の正式名称は第一空港と決まった。 ドマーノが第二。 以下、青竜の騎士がお訪れになった順番に従い、番号を付ける。 これに伴い空港は離宮から離れた組織となり、皇王庁に航空部が新設された。 そこで国内全空港の管理をする」


 これで皇太子殿下が陛下にお気兼ねなさる必要がなくなった。 修理や増築もしやすくなるだろう。 もしや青竜の騎士がこのように御希望なさった? 国内に空港網が整備されていれば、とおっしゃったとか?

 そう考えて、すぐに打ち消した。 それは少し、いや、かなり信じられない。 青竜の騎士はたとえ空港があれば便利と御存知でも、御不便を我慢なさるようなお人柄だ。 それに御自分の為にされた事なら御自分でお金を払おうとなさる。 他人の金を使って飛行場が自由に使えるようにしろと命じたとは想像する事さえ出来ない。

 又、空港や飛竜に関する事なら何であれリュウセイの意見をお訊ねになっていらっしゃる。 飛行場整備という大事を相談もなしにお決めになるとは思えないし、リュウセイからそのような御希望があると報告された事もなかった。


 ただリュウセイが飛行場整備を望んでいる事は察していた。 彼が私にそのような進言や提案を正式にした事はなくても。 隠し事をされたのだとは思わない。 青竜の騎士の御希望として私に伝えていれば空港整備はもっと早く実現されていただろう。 かなりの無理をした巨額の投資になったとは思うが。

 リュウセイなら青竜の騎士に直に進言し、空港整備をせよ、というお言葉を引き出す事も難しくはなかったと思う。 それをしなかったのはなぜか。 西軍将軍が裏で糸を引いていた? 或いは、管財庁長官か誰かの思惑に従った?

 その可能性を突き詰めて考えようとして思い出した。 青竜の騎士が空港を御利用の際、お隣の北の猛虎にしみじみとおっしゃった事を。

「便利になりましたねえ。 昔はどこに行くにもすごく時間がかかったけど。 今はあっという間です」

 そのお言葉を聞いた時、内心どれ程喜んだか。 青竜の騎士がお喜びになっていらっしゃる。 ならば誰が考えた案で、どのような手段を使ったかを問題にすべきではない。


 私の報告にリュウセイが短く答えた。

「ありがとうございます」

 いつものようにそこで終わるかと思ったら、今日は言葉が続いた。

「今まで数知れぬ変更を申請致しました。 そのほとんどが庭園の美観を損なうものであったにも拘らず、常に前向きに対処して下さった事、深く感謝しております」

 退職する上司への感謝は当然のようでいて、助けられたのは私だ。 リュウセイは非常によく働いた。 慰労の言葉を告げるべきは私の方だろう。

「礼は必要ない。 飛行場整備は青竜の騎士の御為に始めた事ながら、広く臣民の為にもなった。 その事業の一端を担えた事は我が名誉。 長きに渡る激務に耐えたそなたの貢献にこそ感謝している。 御苦労であった。 そなたの飛竜にとっては遅きに失した改変ではあるが」

「御存知でしたか」

「小隊長のそなたが中隊長以上の竜番を指揮し、しかも彼らが文句も言わず従っているのを見てな。 好奇心抑え難く、というやつだ。 すまぬ」

「お気になさいますな。 ここが西軍でしたら私の過去を知らぬ者を探す方が難しいでしょう」


 私が雇った五人の竜番はリュウセイ以外は中隊長だった。 離宮竜番としては同僚だが。 前職の階級はともかくとして、同僚に過ぎないリュウセイの意見を聞き、従うのは何か事情でもあるのかと気に掛かり、ドマーノ離宮から転勤してきたラリッサ副管理長に聞いた。 ドマーノ離宮の警備は西軍が担当している。

「全員何かしらリュウセイに対して恩義があるのかもしれませんが。 彼の出自による所が大きいのではないかと思います」

「出自? リュウセイは平民だろう?」

「いいえ。 彼はデディーカ侯爵家正嫡子です」

「えっ」


 デディーカ侯爵家はラガクイスト侯爵家と並ぶ西の名門だ。 竜騎士を輩出する事で知られ、西軍将軍職を拝命した人物もいる。

「廃嫡されましたが。 入隊時、いずれは将軍と嘱望されていたのだとか」

「一体何があった?」

「彼の飛竜が単独で飛行し、ドマーノ離宮に誤着しまして。 監督不行き届きで中隊長から小隊長へ降格されました」

 無許可でも離宮への着陸が許されるのは玉竜だけだ。 それ以外の飛竜が無許可の着陸をしたら、その場で殺処分となる。 竜騎士が火急の伝令任務で飛来したのでもない限り、西軍が飼育する飛竜であっても例外ではない。

「誇り高き事マリジョーの如し、で知られる家です。 そのような不名誉を家史に記載する事を許すはずもなく。 降格辞令が下りる前に廃嫡が決まったという噂です」


 フレイシュハッカ近辺に野生の飛竜はいないから私に殺処分の経験はないが、西ならどこでも野生の飛竜が飛んでいるのを見掛ける。

「それにしても降格とは。 ドマーノでは年に数回、少ない時でも年に一度は誤着があるのではなかったか?」

「ほとんどは野生で、飼育されている飛竜の誤着は珍しいと申せます。 抗弁出来ない事もなかったのかもしれませんが。 平民が不服を申し立てた所で通るとは思えません。 実家の後ろ盾がなくては」

「だが、もう一度竜騎士になろうと思えばなれたのでは?」

「殺処分された飛竜の持ち主に次の機会は与えられません。 任務遂行中の不運でしたら考慮されたでしょうが」

「いずれにしても随分昔の話なのだろう? リュウセイがここに赴任して以来、青竜の騎士はいつも彼を御指名なさる。 今では青竜の騎士の竜番として彼の名を知らぬ者はいない。 青竜勲章を頂戴したし。 退職後は奉公人として迎えられるという噂もある。 実家に帰参するくらい願えば許されるだろうに」

「向こうは呼び戻したいでしょう。 青竜の騎士は何かにつけ、リュウセイはどこ、ですから」

「では実家を恨んでいるから帰参したくない?」

「それはないと思います。 とうに代替わりして当代とは酒を酌み交わす関係ですし、リュウセイの提案を実現する為の根回しもしたと聞いております。 ただ帰参となると姓がデディーカに戻る訳で。 どうもそれが嫌なようでした」

「母方の姓で、彼以外継ぐ者がいないという事情でも?」

「いえ、リュウセイは殺処分された彼の飛竜の名です」


 リュウセイの普段の態度や振る舞いから感傷らしきものを感じた事はない。 姓へのこだわりも本人から聞いた事はなかった。 誤着件数なら常に気にしていたが。

 リュウセイは空港に到着する飛竜を眺めながら淡々と語った。

「飛竜を失った時は我が身の不運を嘆きました。 けれど失意のどん底まで落ちなければ誤着を無くそうとか、ましてや空港整備など、当時は夢物語でしかなかった事の実現に生涯を捧げる気になれたかどうか。 漫然と昇進し、退官する。 不幸はなくとも幸もない。 熱意も目的もない日々を過ごしたのでは、とも思うのです」


 それは私自身にも言える事かもしれない。 あの日、青竜の騎士が死んでしまうと思った時の絶望。 あれを経験しなければ竜番などという得体の知れない者を雇い入れるなど考えもしなかったろう。

 在職中、私が提出した改変申請は大小合わせて千を越す。 それらは一つ残らずあの事故の後、申請されたものだ。 意外な程誰にも反対されなかったが、以前の私なら前例に従わない改変など提出したとは思えない。 した所で、せいぜいが備品に若の手と呼ばれる奇妙な手袋を加えるとか、その程度だ。

 リュウセイは精力的に動き、ここでの成功を確認するや否や、すぐさまドマーノ離宮飛行場で同じ試みをするように働きかけた。 フレイシュハッカ離宮の奉公人が他の離宮に口を出した前例はない。 ここだけでなく、どこの離宮でもなかったが、私はそれを止めなかった。 どんな言い訳があろうと知っていながら止めなかったのだ。 その責任は上司の私にある。 と言う訳で、前例は私の日常から消え失せた。


 御多忙な青竜の騎士を何の用事もない離宮へお越し戴くにはマッギニス補佐始め、北軍将軍、皇王庁等、多方面への根回しを必要とした。 リュウセイの出自が役立ったとは言え、竜番とて閑職ではない。 ほとんどが力仕事で時には寝ずの番もする。 その後で誰に頼まれた訳でもない手紙を書き、陳情に駆けずり回るのだ。 熱意がなくては続かない。

 又、どれだけ熱意があろうと、それだけで前例を変える事は許されない。 リュウセイは飛竜の誤着を無くすべく、ここに来るずっと以前から試行錯誤を繰り返し、飼育されている飛竜だけでなく野生の飛竜の習性も学んでいた。 だから集中線を隠すのにその習性を利用する事を思いついたのだし、研究の裏付けがあったから実現への協力も得られたのだ。

 現在、飛竜の誤着はゼロ。 その記録を延ばし続けているので誤着報告書はもう書かれていない。 だが数年前に出された報告書を読めば、第一以外、飛行場別誤着数順位が空港番号順と一致している事が分かる。


 今日で退職するという日、リュウセイはいつもの竜番服で務めを果たした。 その日に限らず、青竜勲章を付けている彼を見た事はない。 誤着撲滅の四文字と赤竜が刺繍されている腕章なら毎日必ず付けているが。

 それは生涯変わらぬ目標であり、失われた飛竜を悼む喪章。 そして誇り高き出自と不撓不屈を証す勲章でもある。


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― 新着の感想 ―
[一言] 完結を知りながら、終わるのが寂しくてしばらく読むことができず。ようやく決心がつき1話目から読み直しています。 何回読んでもネシェイムの話はやっぱり好きで。 こちらのお話も歳を取れば取るほど…
[一言] 更新ありがとうございます。 ずっと書籍の方を読んでいたので、まさかこんなに早く更新してくださるとは思わず、1週間遅れて読ませていただきました。 このお話も心にしみるお話で、読後 しばらく…
[一言] もう442部にもなるのですね。 何度も読み返し、涙し、微笑んでおります。 この作品は心が明るくなる効果があるようで、おちこんだとき、こころが重く苦しくなった時に、またたのしみたいときとなろう…
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