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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

ケンリ

作者: 曲尾 仁庵
掲載日:2026/05/19

――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




 今日も、目覚ましが鳴る。




――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




 駅の構内は人で溢れ、すれ違う人々は皆、早足で目的地に急いで、私はそれを後ろから見ている。




――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




「まだできてないの!?」

 今日も同じことを言われて。




――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




「んー、もういいや。ごめんね」

 また諦められて。




――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




「正直、向いてないよ」

 事実を明かされ。




――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




「明日から来なくていいよ」

 真実を告げられ。




――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




 日が、暮れ。




――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




 切れかけの街灯の下に、赤い自販機。




――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




 小銭を取り出し、




――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




 投入口にうまく入れられなくて、百円玉が落ちた。




――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




「あああぁぁああぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」




――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




 膝をついて、泣き喚いた。




――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




「いい加減にして」

「努力が足りない」

「常識でしょう?」

「できないのはあなただけよ」

「どうしたらできるか教えてくれる?」

「何がしたいの?」




――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




 何を思って

 何を勘違いして

 何に縋って

 私は

 私は――




――スベテ国民ハ、健康デ文化的ナ最低限度ノ生活ヲ営ム権利ヲ有スル。




 あああぁぁああぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!




――ニンゲントシテ、サイテイゲンドノ――



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― 新着の感想 ―
拝読しました。 ( ´Д`) オロロロロローー でも本当にお上手ですね。いつも短い文字数の中に、テーマがギュッと詰め込まれています。拝読していて、ぐっと掴まれます。 いつも素晴らしい作品を読ませ…
ヾ(´・ω・`)
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