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【完結】さようなら。毒親と毒姉に利用され、虐げられる人生はもう御免です  作者: ゆうき


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第七十二話 相応しい罰?

 散々国民達に罵詈雑言を浴びせられたお父様は、後からやってきた貴族達が主導となって、お城の地下牢に閉じ込められ、厳重な見張りと魔法による結界を張られた。


 この結界の中なら、お父様は絶対に魔法を使うことが出来ないし、逃げることは出来ないそうだ。


「セリア様、この度は不甲斐ない我々にかわって、カルネシアラ国を救っていただき、誠にありがとうございました」


「いえ、礼には及びませんわ。私はただ、助けたい人がいただけですもの」


 一度地上に戻って来てから、ここまでお父様を連れてきた貴族の一人が、私に感謝の言葉を述べた。


「国王……いえ、元国王の今後のことは、我々にお任せくださいませ。ただ、国のこの先のことを決めるのに、王家の生き残りである、あなた様のお力をお借りしたいのですが……」


「もちろんですわ。皆で力を合わせて、荒れてしまったこの国を、以前のような美しい国に戻しましょう」


「ソリアン国も、微力ながらお手伝いさせていただきます」


「そ、そんな……我々は、ソリアン国に非道なことをしてしまったのですよ?」


「それは全て、元国王である彼が仕向けたこと。あなた方には罪はありません。それに、既に我々は戦争を終わらせ、友好国となってます。なら、困っている時に助けるのは、当然でしょう?」


 アルフレッドの寛大で優しい言葉に、貴族達は次々に頭を下げて、感謝の言葉を伝えた。

 身分の高い人って、傲慢な人が多い印象だったから、こういう時に素直に頭を下げられるのは、少し驚きだわ。


「それで、父の今後についてなのですが……」


「まだ断定は出来ませんが、これだけの大騒動を起こした上に、長年にかけて悪事を働いていた罪は重いので、極刑は免れないでしょう。他の貴族達からも、極刑を望む声がほとんどです」


「でしたら、私に一つ案がありますの。散々民を苦しめてきた父の最後に相応しい、とっておきの方法が」


 私は、これが最後にして最高の復讐になると思いながら、先程思いついたことを話すと、聞いていた貴族達から、動揺の声が聞こえてきた。中には、引いてしまう方もいるくらいだ。


 しかし、多くの方々は私のやり方に賛同をしてくれた。それほど、お父様に対して極刑を望む気持ちが大きいのだろう。


「仕込みは皆様に任せる形になりますが……よろしいでしょうか?」


「お任せください。しっかり事前に準備はしておきますので、来るべき日をお待ちくださいませ」


「わかりました。よろしくお願いいたしますわ。では、連れが待っておりますので、私は失礼いたします」


「しばらくこちらで休んでいかれた方がよろしいのでは? いくら傷の手当てをしたといっても、疲労は溜まっていますでしょう? 久しぶりに故郷でゆっくりしても、罰は当たらないかと」


 私の体は、既にお城に努める回復魔法の使い手に治療をしてもらっている。

 とはいって、回復魔法は万能ではない。あらゆる傷を治せるわけではないの。だから、私の怪我もある程度は治っているだけで、治せない部分は応急手当てがされている。


 本当なら、聖女の力で怪我をする間に戻せればよかったのだけど、相変わらずこの力は自由に自分に使うことが出来ないみたいなの。変なところで不便なのよね……。


「お気持ちは大変嬉しいのですが、私達の帰りを待っている方々を安心させたいのです。それに、今の私の故郷は、ここではなくてソリアン国ですから」


「わかりました。差し出がましいことを口にしてしまい、申し訳ございません」


「頭をお上げください。私のことを心配してくださっているのは、伝わっておりますもの」


 この方とはほとんど面識がなかったが、こんなに優しい人だったのね。もっと早くに知り合っていれば、少しはあの地獄の日々が楽になっていたかも……なんて、今更考えても仕方がないことね。


「それでは、今度こそ失礼いたします。ごきげんよう」


「はい、お気をつけてお帰り下さい」


 私は、数人の貴族や兵士に見送られながら、お城の裏門へと向かうと、そこには一台の馬車が用意されていた。


「アルフレッド、お待たせいたしました」


「いや、全然待ってないから大丈夫だよ。話の方は済んだのかい?」


「はい。もうしばらくは、両国を行ったり来たりになると思いますが……とりあえずは」


「それなら、早く帰ってゆっくり休まないとね。失礼、セリアが来たので出発してもらえますか?」


「かしこまりました」


 アルフレッドにリードをされながら馬車に乗りこむと、ソリアン国に向けてゆっくりと動き出した。


 ……ふぅ、長いようで短かった祖国でのひびが、ようやく終わるのね……なんだか、急激に疲労が襲い掛かってきた……。


「セリア、遅くなってしまったけど……色々とありがとう。君がいなければ、ソリアン国は再び戦火に包まれ、多くの民が犠牲になっていただろう」


「そんな、私は当然のことをしたに過ぎませんわ。私の方こそ、身を挺してまで助けていただいて、ありがとうございます。あなたがいなければ、今回の件は成し得なかったでしょう」


「いやいや、それは君が頑張ったから……っと、これでは互いに謙遜しあうだけになってしまうね」


「ふふっ、そうですわね」


 いつもしている穏やかな会話だというのに、とても久しぶりな感じがするせいか、この穏やかな会話が、かけがえのない時間のように思えた。


「ふわぁ……あっ、失礼しました」


「今日は疲れただろう? まだソリアン国まで時間がかかるから、少し休んでおくと良いよ」


「そういうわけには……」


「大丈夫。なにかあったら僕が対処するから。君が頑張ってくれたおかげで、僕の体調は万全なんだ。今なら、大軍隊に襲われても、一人でどうにかできるよ」


「もう、不吉なことを仰らないでくださいまし」


 帰るまで気を抜いてはいけないのに、私は舟をこいでしまっていた。瞼はどんどんと重くなり、頭もボーっとしてきている。


「いいから、ほら」


「きゃっ」


 優しく肩を抱き抱えられた私は、そのままアルフレッドに寄り添う形になった。


 ……人肌に触れていると、心が温かくなって、ホッとする。まだ幼い頃、お母様に触れてもらっていた時と、同じ気持ちだ。


「おやすみ、セリア」


「……おやすみなさい、アルフレッド」


 私は、ついに我慢の限界に達してしまい、そのままゆっくりと目を閉じた。


 願うならば、実はこれは夢で、再び目を開けた時に、まだつらい時間だったなんてことが、起こりませんように――

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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