表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
半魔の憧憬  作者: 雛咲かなで
第一章 憧れになれないモノ
8/40

花形役者・登場!

「そこまでです!」

声が響く。一瞬、村人もリアもディネリンドも、全員の意識がそちらに向かう。…声の主は屋根の上、青い着物を着ており、刀を腰に携えている少女。

「村の皆様が急にいなくなって、何事かと出てみれば!戦の演劇ではないですか!あたしも混ぜてくださいよ!」

少女に村人が飛びかかり…少女は一刀両断する。村人の顎から横にすっぱりと切れ、息絶える。

「…っ…!」

ディネリンドが目を覆う。わたしは少女に向かって走り出す。

「早く演じたい気持ちはわかりますが、フライングは流石に禁止です!しかし共演するのがこのあたし、『夢見の少女』であり『花形役者』アミニスとあっては、我慢も難しいでしょうけれど!」

そう言いながらも寄ってくる村人を殺害し続けるアミニス。そんなアミニスにわたしは問いかける。

「アミニス…だっけ…なんで殺すの…?」

「なぜ?理由は単純明白!そういうものだからですよ!この世は弱肉強食!戦というのは殺るか殺られるか!でしょう?」

嬉々として語るアミニスに、わたしは…


「…狂ってるよ。」

言葉を投げかける。一瞬アミニスの顔が強張り…

「知ってますよ?でも、そういうルールで──」

「だから、わたしも狂ってあげる。支配されてる村人たちを、楽にするために。……わたし、『ハリボテの勇者』…リアが、ね。」

村人の脳天を貫く。ディネリンドも、氷槍で村人を撃ち抜いている。

「……あはっ!盛り上がってまいりましたねぇ!」

そうして…村人たちを殲滅してゆき…


「……終わった、ね。」「うん。…リア、私、皆のこと埋葬してくる。…本来、魔法ですることじゃないかもだけど…大変だし。」ディネリンドは村人たちの死体を埋めにいった。…そして、アミニスと向かい合い…

「…アミニスは、なんで支配されてなかったの?」

疑問をぶつける。どう返ってくるか分からない中で…

「そりゃあ、あたしは世界の主役ですから!支配なんてされませんよ!」

…理解できない返答が返ってきた。

「……いや、だとしてもどこにいたの?村は回ったけど見つけられなかったよ?」

「あぁ、それはここですよ?」

アミニスが指差したのは、小さな祠。村人が警備してたところ。その奥に進んでみると…歪んだ鉄格子があり、その奥に破壊された手枷と足枷。

「いやぁ、新しい人が来たと感じて、つい熱くなっちゃいましてね!外に出ちゃいましたよ!」

笑いながら頭をポリポリと掻くアミニス。

「……主役ってより、まるで…」…咎人みたい、と言いそうになって留まる。

「さてさて、『ハリボテの勇者』さん!世界のお話を聞かせていただいてもいいですかね!愉しそうなことが起こってればいいんですけれど!」

──渋々わたしは、わたしの出来事を話した。魔族の血を引く半魔であること、人間不信になりかけたこと、王都で助けられてきたこと、オークキングを倒したこと、親友の存在……


「いやぁ、面白い!勇者というより魔人なのに、まさか肩書きにハリボテとはいえ『勇者』を名乗るとは!実に面白いですね!リアさん!」

ゲラゲラと笑うアミニス。まるで、自分も連れて行けと言わんばかりの雰囲気だが…

「…そういうことだから。わたし、仲間探しで忙しいの。会った人全員に声をかけて回ってるから。」

…大嘘をついてやる。そのヘラヘラした顔に一本食わせるつもりで。

「……あのー?リアさん?だとしたらあたし、まだ勧誘されてないんですけど?そんな話微塵も聞いてないんですけど?」

立ち去ろうとするわたしの周りをくるくる回るアミニス。わたしは少しだけ口角をあげて…

「…どうしても仲間になりたいなら、考えてあげてもいいよ?」

と、煽りにも取れる言葉を投げかける。

「──はっはぁ!これはしてやられました!あたしが仲間になりたいの、見抜いてたんですねぇ!……いいでしょう!仲間になりますとも!この『花形役者』、アミニス!しっかりやってみせましょう!」


……こうして、わたし、リアの率いる偽勇者パーティーに、アミニスが加わった。いろいろと過去に何かありそうだけれど…それは、まだ聞かないでおこう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ