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わたしに出来ること

リアは雨に打たれながらも、王都へと進む。王都に向かえば、町中からひそひそと言葉が聞こえる。

「ねぇ、あれって…」「いや、ありえないでしょ…」「でもそっくりじゃない?」


王都にもしっかりと広まっている様子。王都の末端、門番まで広まっていなかったのが救いか。ウワサをしている奴らに構わず、武器屋へと進む。


「お邪魔します。」

リアは武器屋に入るなり、早速剣を物色。長居したくない、という意識が出すぎているかもだが…仕方ない。

「…どうしたんだ、嬢ちゃん。何か探し物でも──」

……武器屋のおじさんの言葉が止まる。わたしの顔を見て気づいたのだろう。


「…さようなら。」武器屋から足を運ぶ。長居しても捕まるなら、逃げるべきと判断したから。…そんなわたしに、後ろから声がかかる。

「──嬢ちゃん。」…武器のおじさんが、そこにいた。


「……いいの?こんなにしてもらって。」…わたしは、武器屋のおじさんから剣とローブを受け取っていた。

「いいんだよ、どうせ在庫処分品だ。剣はナマクラ、ローブもボロボロだからな。」


それから、剣の代金を払って店を出る。食べ物を適当に売店で買い、串焼きの肉を食べる。


「……?」

…味がしない。誇張でもなく、本当に。肉を食べても、ゴム毬のような食感がするだけ。

「味覚がイカれたのか、わたしが魔物に近づいてるのか。…どっちだろうね。」

笑えない2択を考えながら、武器屋のおじさんから教えてもらった水路を通り、王都を出る。

「……スライム…」

平原に立てば、すぐ魔物がやってくる。わたしは人間扱いらしい。…人間からしたら魔物扱いなのに。

スライムを凝視すると、またテキストが浮かぶ。

『個体名:スライム Lv 1』


「…死ね。」剣を引き抜き、スライムを一刀両断。…したのだが、切った側から再生していく。スライムも触手を伸ばし、リアを倒そうとして…

「…じゃあ、さ。」

触手が切り刻まれる。「再生するより先に切り刻めば、死んでくれるよね。」

スライムに駆け寄り、ラッシュを仕掛ける。再生するより先に剣撃を打ち込み、再生した側から斬っていく。

「わたしはどうせ、勇者にはなれないから。…せいぜいハリボテの勇者として、模倣して頑張るよ。」

スライムが倒れ、塵になっていく。

『Lv UP 1→2』

またテキストが浮かび上がる。一度自己確認をしてみよう。


「…勇者なら…目標は…魔王を倒すこと。そのためには…仲間と武器がほしい。…半魔の仲間になってくれる奴なんて、いるのかな。」




──その頃、ディネリンドは。

「ぁあ…私、は………なんで………あんな……」

頭を抱え、絶望に心が蝕まれ…

「…おい、お前。あの魔物に対して、知っていること…聞かせてもらうぞ?」衛兵がディネリンドに声を掛ける。ディネリンドは振り返り…

「…ない…」ポツリと呟く。「ん?」衛兵に向け、炎の魔法を放つ。

「リアは…魔物なんかじゃ、ない…!」

目眩ましのために放った魔法。そのままディネリンドは逃げ出した。

「リアに、会わないと…リアに会って…話して…謝らないと…!」

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