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「…ラクネ。」
「…?どうかいたしま──」
ルマエルがラクネの名を呼ぶと同時、ルマエルの裏拳でラクネの頭が吹き飛ぶ。首からは噴水のように紫色の血が噴き出し、吹き飛んだ頭はひん曲がり、完全にぐちゃぐちゃになっている。
「私の同胞に手を出した分、その一部よ。残りは帰ってからしっかり償ってもらうわ。」
普通なら息絶えるはずのそのダメージ、だがラクネの体はまだ動いていて。頭がないことを2本の手で確認し、一瞬動きを止めると…メキメキと音を立て、素早く再生して見せて。
「あらあら、わたくしのやり方に文句でもおありですの?わたくしもわたくしで、しっかり楽しませていただきましたわよ♪」
その笑みや仕草の一つ一つに、純粋さをひしひしと感じて。ルマエルは舌打ちをし、口論に発展し…
「だから、私の同胞を操る意味はあったのかって聞いてるのだけれど?」
「おかげで2人も殺せているではありませんこと?」
「そんな行為で──」
2人が論争をしている中、ディネリンドは魔力を練り上げて。炎と風の混合魔法を、指向性や形を変えてみせ…
「アッハハっ!!デトネーション!」
かなりの速度で空気中を燃え上がり、指向性の通り2人に突き進む炎。それよりも数段速く、風魔法の衝撃波も2人に向かう。
「ですから、所詮同族など──あら?」
「…っ!アンチウィンド!」
ルマエルは即座に風魔法を打ち消す魔法を発動。2人に向かう衝撃波を打ち消して。
「あらあら…」
ラクネは手を2回叩くと、沢山の人間がラクネの目の前に現れる。2人を庇うように壁になり、炎を受け止めて。
「彼女をわたくしが相手することは──」
「──はぁぁぁっ!!」
ラクネが言い切るまでもなく、焼け焦げた人間の壁を突き破ってルマエルが殴り飛ばしに行く。
「─まぁいいでしょう♪それはそれで、見学とさせていただきますわ♪」
ラクネは死体の上に腰掛け、観戦し始める。
「はぁぁぁっ!!」
真正面から突っ込んでくるルマエル。次の魔法を用意していたディネリンドは─
「アッハハッ!リアなら、こうするよねッ!!」地面に付与した土魔法で、地面を飴細工のように脆くして。思い切り足で踏み抜き、土の破片が宙を舞う。舞わせた瞬間土魔法で質感を変化、硬く鋭くして。
「妨害のつもり?こんなもので私は止まらないわよ…!」
ルマエルの魔力の高まりを察知する。と同時に溜めた魔力で魔法を発動。
「─リフレクション!」
付与したのはディネリンド自身…ではなく、周囲に浮いている土の破片。
「風塵乱舞!!」
詠唱と共に風が吹き荒れ、土の破片を吹き飛ばそうとして…魔法が反射し、ルマエルの身体に風の斬撃を浴びせていく。が…
「くっ…!詰めが、甘いっ…!!」
ダメージを無視して突撃、ディネリンドにアッパーを叩き込む。防御をしていないディネリンドは一撃で上に吹き飛び…
「これで、止め…!あの世で同胞に詫びることね…!」
風魔法を纏い、鋭く強くなった拳がディネリンドの腹を貫かんとして──
『……ここまでですか。想定より随分と少ないですが…まぁいいでしょう。』
どこからともなく、声が響き──
『裁きの雷。』
ディネリンドも、ルマエルも、全て一つの轟雷が焼き焦がしていって。




