ファーストコンタクト
「……アミニス?」
ようやく馬車が追いつき、リアは蜥蜴を倒したばかりのアミニスに声を掛ける。
「はいはい皆様拍手どうも!あたしの演舞に見惚れてもらうのは嬉しいですが、こんなので満足しないでいただきたいですね!あたしの本気は今はできませんが、まだこんなものじゃないので!」
まるで話が通じない。というか多分聞いていない。
「……アミニス、死ぬよ?」
ディネリンドが声をかけ、無視して満面の笑みで話すアミニス。……と、それに石を投げるドワーフたち。
「なんなんだろうね。」ドワーフ…人間嫌いの小難しい一族。ちなみにエルフも人間嫌い。故郷の皆から拒絶されたトラウマ、それが浮かぶ。…が、何も思わない。そしてアミニスの前に立つ。
「というわけであたしのこれからにぜひ──おや、リアさん。まだあたしが話している途中で──」
無視してドワーフたちに向き直る。リアにも石を投げてくるが…
「……わたしは、さ。いくら迫害されても、もうなんとも思わないよ。半分とはいえ魔物だし。それでドワーフの皆の気が済むなら、好きなだけ石を投げて。」
そう言う最中にも、石が投げられる。頬に当たり、頭に当たり、玉藻前に殴られた横腹に当たり。ディネリンドがドワーフたちを殺したそうに見ているが、目線で制する。
「………でも。だとしても。」
ドワーフを一瞥する。別に、仲良くしようだなんて思わない。この街も、所詮は逃亡の当てつけにしただけだし。
「わたしの仲間に手を出すなら、それは絶対許さない。…それだけ。」
ドワーフの手を止めさせ、アミニスを連れて町へ入っていく。「いやぁ!随分とカッコいい台詞を言うじゃありませんか!あたしはもう感激しましたよ!今度大切なものが出来たら使ってみましょうか!」
お気楽そうなアミニスに対し、合流したディネリンドは怒っていて。
「……なんであんなに優しい言い方…なんて、リアはそう言う人だよね……。私たちは、何があっても側にいるからね。」
「そこにあたしがナチュラルに刷り込まれてることにびっくりですよ!」
アミニスがそう告げ、ディネリンドが向き直り…
「…なに?リアの仲間として、そばにいるつもりはないって言うの?」
怒りながら詰め寄るディネリンド。それに対し…
「いえいえ!まさか仲間と思われているとは!…少しだけ、変な感じでしてね!」
面食らったような顔をするディネリンド。そして、3人で宿へ向かい…
「えっと…3人で、お願いします。部屋は皆同じで。」
ドワーフの店主にお願いして、宿に泊めてもらう。
早速布団に寝転ぶと、疲れからかゆっくりとまぶたが閉じてゆき…
次回!派手にやります!