終焉
私たちがソフトクリームを買って、奈津の元にもどると、奈津は仰向けに寝そべっていた。真っ赤な血が地面を伝っていることに気づいて、駆けつけたときには、奈津は、もう目が見えておらず、声も届いていないようだった。梨奈ちゃんが奈津の手を握った時、かすかに反応があった気がしたけれど、奈津はただ、何かを見つめるように天を仰ぐばかりだった。
「どうしてこんなことに……」
私は、何もできず、仰向けに倒れる奈津のそばでへたりこんでいた。梨奈ちゃんは涙を流しながら、必死に奈津の名前を呼んでいる。
「なんで……どうして!」神谷さんが大粒の涙をこぼしながら叫ぶ。
「いったい誰が……なぜここにいることが分かったんだ!」
長谷部さんが何を言っても、私にはもうどうでもよかった。ただ目の前で、奈津の命の灯が消え去っていくことが、怖かった。奈津の眼から涙が、頬を伝って地面に落ちる。
梨奈ちゃんが泣いた。私も泣いた。そこにいるみんなが、命が失われていく悲しみに胸を引き裂かれる思いだった。雨が、強くなっていく。ザアザアと打ち付ける雨音が、延々と泣きつづける私たちの泣き声を、ゆっくりと包み隠していった……。




