表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/65

偶像

僕は、夜道を歩いていた。下水の流れる音が鳴り響くほど、静かな通りだった。僕は歩きながら、昔を思いだす。みんなは、今、僕のことをどう思っているだろうか。昔から、周囲は僕に対して偶像を抱いているように感じていた。

僕は誠実でもなければ、善人なわけでもない。大切な人さえ笑顔なら、元気でいてくれるなら、見ず知らずの誰かのことを思ったことなんてなかった。ただ、汐海に元気でいてほしかった、汐海さえ、笑顔でいてくれればよかった。

両親を失ってから、僕に怒ることは許されていなかった。訴えかける相手がいなかったんだ。そうしているうちに、いつ間にか、怒る方法を忘れてしまっていた。だから僕は笑った。それが、自分を守る唯一の方法だった。

僕の心は、いつも、人への憎しみであふれていた。両親を殺した男を怨んだ。その家族を呪った。そんな自分が嫌いだった。

でも、僕は汐海に出会った。彼女の清らかさは、僕には眩しすぎた。彼女を想うほど、心の汚れが洗い流されるようだった。いつの間にか、僕は彼女のことを好きになっていた。いとおしくて、何に代えても守りたかった。

でも、僕が彼女に近づけば近づくほど、彼女は不幸になっていった。そして最後には……


僕がこの手で彼女を殺した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ