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困惑

「コーヒー、入ったわよ」

「ああ、サンキュ……まゆこ」

 刑事さんがたずねてきた翌日、隆二、美玖、圭介、そして私の四人は、私の家のリビングに集まっていた。あんな事件があって、誰も一人でいたくなかったのだ。圭介はコーヒーを一口飲むと、一息おいて、口火を切った。

「もうみんなのところにも来ただろ。奈津が今、行方不明らしい」

「奈津があんなことするわけねえ!」と隆二が言った。

「そんなこと、みんなわかってるよ。でも、現に奈津は警察に捜索されている。表向きは関与している可能性があるだけだって言い含めているけど、実際は容疑者の一人として考えられていることは明らかだ」

「それじゃ圭介は、奈津が仲村さんを殺したっていうの?」

「そうじゃない、僕が言いたいのは、偶然、奈津が巻き込まれただけかもしれないし、もし奈津じゃないのなら、誰かが意図的にそう仕組んだのかもしれないってことだ」

「じゃあ、誰かが奈津を陥れたっていうのか。でも、奈津を陥れようと考えるほど奈津に恨みを抱いている奴なんて……」

「そんな人いるはずないわ、奈津だもん!」と美玖。

 私も同じ思いだ。能天気でも、張り合いがなくても、奈津はいつだって周りの人を大切にしていて、誰かを悪く言ったり、人の恨みを買うようなことをする人間じゃない。優柔不断でも、それが奈津のやさしさでもあることは、彼の周りにいる人ならみんな知っている。奈津に恨みを持っている人なんて……。そう考えていると、私の頭の中に、ふと、ある人物が浮かんできた。

「……ひとり、いるわ」

みんなの視線が私に集中する。

「天馬よ。天馬は、いつも奈津を疎ましく思って、ことあるごとに嫌がらせをしていたわ。彼なら……」

「そうか、彼はいつも奈津に嫉妬していたし、奈津の物なら何だって欲しがるはずだ」

「……ああ、間違いない」

圭介の言葉に、隆二は、怒りと確信を込めてそう答えた。

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