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そんな時代もあったねと。
ここは、どこなんだろう。
ぼんやりと考えた。
考えたけれども、答えは出ない。
あれから随分と、長い時が流れた。
それでもまだ、答えは出ない。
少し、遡ってみようと思う。
差別されたり、忌避されたり。
あそこは、そういう場所だった。
いなければならない。自らの意思で出ることはできない。
媚びへつらったところでどうにもならない。
演技など出来なかった。した人物はいたのだろうか。
知る由もない。少なくとも我は出来なかった。
何もかも見透かされそうな。
この人からは逃げられない。常にそう感じていた。
今もその印象は変わらない。
存在する我がイヤだったし、抜けた今も
納得がいかない。
けれども、ちゃんと笑うことはあったし、一時ではあっても、ツナガリが、あった。
あったように思う。多分。あったんじゃないかな。
あったと、思いたいだけかもしれない。
思っていたほうが幸せだから。