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Summer

Summer 中華料理にて

掲載日:2020/05/22

「あちいな」


「あちい、クーラー効いてんのか?」


「勝林に快適さを求める方が間違いだな」


「違いない」


「……それにしても遅いな勝林ラーメン」


「オヤジ麺から作ってるんじゃねえの」


「気長に待つか…おい、見てみろよ、甲子園やってるぞ」


「暑いのにご苦労なこったな」


「俺たちには無理だな」


「無理だな」


「夏季講習の課題やった?」


「まだ」


「あとで図書館行こうぜ」


「おう」


「………あのさ」


「なんだよ?」


「金森って知ってる?」


「2組の?ブラス部の?」


「そうそう」


「金森がどうしたんだよ?」


「お前、知り合い?」


「まぁ、たまに喋る程度だな」


「そうか…」


「なんだよ、金森がどうかしたのかよ?」


「いや、俺、告られちゃってさ」


「え、マジ?」


「マジマジ、なんか1年の頃から俺が好きだったらしい」


「えー…マジ?」


「おう、1年の頃さ、俺、金森と風紀委員会でおんなじだったのよ。それで仲良くなったんだけどさ…」


「お前、えー…マジで?」


「いや、参ったね…まさかそんな風に思われてるとは思わなかったからさ、スゲー動揺したよね」


「なんて答えたの?」


「俺、動揺しすぎてさ、ちょっと待ってほしい…としか言えなかったわ」


「あ、そうなんだ…」


「どうしたらいいと思うよ…?なんかさ、俺、金森のことずっと友達だと思ってたし、その関係が壊れるのもちょっと怖えなとか、柄にもなく色々考えるのよ。あっちはさ、真剣に伝えてくれたわけだから、こっちも真剣に答えないと失礼だろ?なんかそう言うこと考えだすと訳わかんなくなってきちゃってさ」


「お前は…好きなのか?金森のこと?」


「それもわかんねーんだよなぁ…いい奴だしさ、一緒にいて楽しいけど、これが好きかって聞かれりゃ、まぁ、よくわかんねえんだわ」


「……そうか…」


「なんだよ、お前、やたらテンション低くなったことないか?」


「別に…」


「どうしたんだよ?お前、まさか、お前、金森のこと好きだったとかないよな?」


「ちげえよ」


「まさかな、そんなマンガみたいなことないよな」



「俺が好きなのはお前だよ」



沈黙が2人に流れる。

ラーメンお待たせ、と店の主人がドンと2人の前にラーメンを置く。

固まり続ける2人。

店のテレビでは甲子園が流れている。


『さぁ、4番の森田がバッターボックスに入る。この炎天下の中…』


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