モフラーはテイマーを望む。
~~ ミリア ~~
学校が始まってから最初の壁外学習は……多少の障害があったモノの、無事に終了する事が出来ました。
障害とは……実にかわいらしい狼とウサギの群れによる、アイネさんの行動不能状況です。
違いました……まぁ、賊が出たと言う事なんですけど。
それにしても、王都周辺の賊と言うのは……実に質が低いのですね。
正直、彼らが辺境に来たとしても、そこらの農民にすら負けてしまうでしょう。……寧ろ農民に師事を受けるべきでは? と思わなくも有りません。
とは言え、マッドホーンラビット……角が有り泥を纏っている兎の魔物ですが、彼らを使役出来ていたと言うのは実に素晴らしい手法と言えます。
たとえ雑魚と言えども、魔物を使役出来ると言うのは素晴らしい能力ですからね……是非とも説得をして味方にしたい能力の持ち主と言えるでしょう。
ただ、賊はあの後突如消えてしまいました。ですので説得など出来る機会が無く……実に残念な気分なのですが、それを言った処で仕方のない話。
誰も怪我をする事が無かった事を喜ぶべきですね。……まぁ、それでも彼らの行方が気にならない訳では無いのですが。
「エル君。賊の方々は何処へ消えたのでしょうか?」
「恐らくラウルさん達が連れて行ったのかと。あのまま放置する訳にもいきませんからね」
「なるほど。私達は授業として外に出ましたからね。彼らに手を煩わせる訳には」
「えぇ、ですので、授業を中断させない為にも、ウラルさん達が裏で動いたのかと」
となると、賊の方々は今頃、警備隊の詰め所でしょうか。……これは完全にスカウトする機会が無くなってしまったようですね。実に残念です。
「あら、ミリアさんも……狙ってましたの?」
「狙っていたと言うと、レイアさんもですか? とは言え、詰め所にもう行ってるでしょうから」
「残念ですわね。魔物使いのジョブは結構レアですから」
「魔物使いですか? えっと……獣人だと、そのジョブが無くても使役出来る魔物っていますよ?」
なんと言う事でしょう! アイネさんが面白い情報を教えてくれました。
獣人だとジョブが無くても使役することが出来る……一体どういう理由でしょうか?
「えっとですね……狼人族なら狼系の魔物であれば……力の上下を教え込めば行けるのです!」
な……なるほど。群れとしての上下を教え込むみたいな物でしょうか。
狼の魔物に狼としてのボスは誰かと教え込むみたいな……そういった事なのでしょう。
そうであるなら、獣人族以外には無理でしょう。
「むぅ……残念ですね。私達が使役する為にはジョブが必要みたいです」
「わ……わふう。ごめんなさいです」
「いえいえ! アイネさんは悪くないのですよ? ジョブ次第と言うだけですから」
辺境の魔物を使役出来れば……それだけで出来る事が増えますからね。
少し勿体ないなと考えただけですし。それはレイアさんも同じようです。
「あ、それならラウルさん達に頼めば!」
「確かにそうですわ! 私の家にも獣人の方で働いている人が居ますわ!」
良いことを思いついた! と、レイアさんとハイタッチ。ですが、其処に……絶望へと叩き落されるエル君の一言。
「お嬢様方……もし辺境の魔物を使役する事が出来るのなら、既にカイルさんやラウルさんがやっているかと……」
がーん! と、脳内に音が響いてしまいました。
確かにそうです。出来るのであれば既にやっているはず……そう思いアイネさんをチラリと見ますと……。
「ワ、ワフゥ!? えっとえっと……使役出来るのは、〝泥兎さん〟とか〝森狼さん〟とか、ランクの低い魔物なのです」
あぁ……そういう事でしたか。
魔物でも弱くて、群れているモノでもない限り、使役する事は出来ないと言う事なのでしょう。とは言え、それは獣人族のやり方でやった場合。
もし、高レベルのジョブ持ちがテイムを行ったのなら? 実に試してみたい気持ちが湧いてきます。
「エル君! 魔物使いのジョブを持ってる人は何処かに居ませんか!」
「えーっと……何分レアジョブと言われるぐらいですからね……中々見つからないかと」
「むむむ……フリード! 草の根を分けても探してきませんか?」
「レイア様、授業が有るので厳しいかと」
むぅ……これでは、辺境の強くて! モフモフした! 魔物の楽園を作り上げようと言う考えが終わってしまいます。
たしかに、もふもふ様率いるフェンリルの一族が私の家には居ます。居ますが……それはそれ。
兎に猫に梟など、まだまだ魅力的なモフモフは居ますからね! とは言え、中々使役系のジョブと言うのは、探すのも大変のようで、これは棚上げと言う事になりそうです。
実に……実に! 残念です。
ブクマ・評価ありがとうございます
もふもふもふもふ! サモナーやテイマーになってモフモフと戯れるのは夢ですよねぇ。
私は管狐が欲しいです。




