受け継がれて来たモノ
~~ エル ~~
目のまえで起きた事にびっくりしました。
はい。えるです。えっと、まだうまく言葉をはなせないので……えーと、おさっしください?
今日はあふるれっどさんから、じょぶの使いかたをおしえてもらえるとの事で、お庭でいろいろとおしえてもらっています!
魔力のつかいかた、体のうごかしかたをおしえてもらい、「特別だ」と、あるふれっどさんが言うと、あふれっどさんが剣を手に〝流派の奥義〟と言うものを見せてくれました。
「行くぞ……これが我が流派に伝わる奥義! ドラグベイン!! だ!」
そうあるふれっどさんがさけぶと、剣に魔力が流れて行き、魔力が形を大きな剣へと変えました。
「ふぅ……これが、竜の首を切り落とす剣と言う奴だ」
『アル、それは……』
「勇者が使っていたと言う流派の奥義……と、伝わっている技だが、もふもふ様は何かご存じで?」
『あ、あぁ。魔力の色や大きさは違うモノの、まぎれもなく勇者が使っていた技だ』
ふぇんりるおじさんがおどろいています。勇者の使った技だったからだそうで、おどろきと懐かしいといふぇんりるおじさんは楽しそうに笑いはじめました。
「まだまだ、このドラグベインと双璧と言える奥義もあるぞ」
『ほう? 如何様な技だ?』
まだ技があるようですが、僕に技を見せると言うよりも、あるふれっどさんとふぇんりるおじさんは、剣技じたいにむちゅうになりはじめました。
「これが……魔王に使ったと言われる技! スパイラルブレイク!!」
『おぉ! これまた色も勢いも違うが確かに再現されておる!』
楽しそうに技をみせるあるふれっどさんに、子供のような目で技をみるふぇんりるおじさん。
ただ、この技を見て、こう、心の奥? で、何かがざわざわとしはじめました。
「なんだろう? この剣技……つかえそうな気がする」
そんな事を考えながら木剣を手にし……おしえたもらったように、魔力を体内でじゅんかんさせて……。
~~ フェンリル ~~
驚きの連続とはこの事を言うのだろう。
まさか、我が父と言える勇者の剣技が今の時代まで受け継がれているとは。
しかも、あの二重螺旋を描く技に至っては、勇者は誰にも教えていなかったはず。という事は、誰か勇者の同門と言える者が、魔王と戦っている勇者の姿を見ており、其処から技を再現してみせたのだろう。
あの二重螺旋の突きは技名など無かったはずだからな。
確かに、ドラグベインもスパイラルブレクとやらも、勇者の其れに比べれば児戯と言えるモノだ。
だが、確かにそれは勇者の代名詞と言える剣技。
色は黄金色でもないし、その大きさも片手剣を両手剣にする程度。我が父であれば、黄金に輝く魔力に人よりも大きいサイズの剣にしていたハズだ。
そして二重螺旋の技も、黄金と漆黒による螺旋でなく。ただ、魔力が二重で回転している物。
威力も質も全く違うと言えるのだが、それでも受け継がれて来たと言う事を考えれば、感動もひとしおと言える。
「細かな技は他にもあるが、やはり奥義と言えばこの二つだからな」
その様な事をアルが言う。確かにその通りだ。
「だが、此処で満足するような流派でない。いつの時代か、この二つを合わせられないか? と考える者が現れてな」
『ま、まさか。その様な技を完成させた者が居るのか!?』
「いや、理論だけ構築されてるだけだな。この技を再現するのは流派に属する者達の目標とも言える」
『なるほど。だが、理論は出来ているのだな?』
「うむ……ただ、かなりの魔力量と魔力制御能力が必要だ。それこそ、伝説の勇者でもない限り難しいのでは? と言われているな」
我らがその様な会話をして目を放していたからだろうか。それとも、それが当然と言う流れだったのかもしれぬ。
今日一番の驚愕すべき事が起きたのは、この話をして少し時間が経ってからだった。
なにせ、現実不可能とアルが言った技を、エルがやって見せたのだから。
ブクマ・評価ありがとうございます。
勇者の師匠「もともとは、このアルという者が使う技の威力が正常だ」
勇者「人がドラゴンを狩る為の技でしたからねぇ」
勇者の師匠「お主が全てのイメージを覆したのだがな」
勇者「それを言ったら、スパイラルブレイクでしたか? あれ、俺は誰にも教えてませんが?」
勇者の師匠「あのような面白い技があるのなら、研究するに決まっている!」
等と言う会話が有りそうでなかったり。
という訳で、ドラグベインの正常な威力はアルフレッドが放ったモノだったりします。




