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普通なんてありえませんでした。

~~ アルフレッド ~~


 夜の会話……と言えば聞こえが妖しくなるが、実際はフェンリルとの情報交換だ。

 この会話は予想以上に有意義な物と言える。何せ……想像以上に過去と今の違いが激しいからだ。


「それで、もふもふ様は一体何を驚いていたのですか?」

『あぁ……ステータスと言うモノがな。あんなものが有るとはな』


 ステータスが有るという事が不思議? これは、昔から人の生活を楽にする為に有るモノなのだが。


『ジョブに着いての話を覚えているか?』


 そうお浚いをするかのように聞いてくるフェンリル。

 たしかその内容はと言うと、昔はジョブで無く加護と言う名称で呼ばれており、その内容は特定の人物がモンスターと戦う為に受けていたモノとフェンリルは言っていた。

 魔剣士や盾騎士に賢者などと言ったモノなどで、才が有り更に修練を続けた者が突如その加護を受けると言ったモノ。ただ、勇者だけは少々違ったそうだが……。


 その事から考え、今あるジョブを授かる儀式と言うモノは古の時代から見て異常という事になる。


『以前に言ったな? ジョブなど昔は無かったと』


 ジョブが無かった時代は、皆が自由に剣や魔法を学んでいた。ただそれで、才能が開花するかどうかは別らしいが……それでも、今よりも魔法を使える者は多く、また武器を扱うのも自由。槍を選ぼうが剣を選ぼうが本人次第という訳だ。


 だが、今は全てジョブが判定する。槍騎士だったり剣士だったり斧戦士だったり……進むべきルートが決められていると言っても良い。

 才能が無い物を訓練しなくていい分、効率化されていると言っても良いが、多様性には欠ける。何せその技術の訓練以外しない者が多いのだから。


『そのジョブと言うモノが増えたと同じで、ステータスもレベルは存在したが……詳細なデータは無かったのだ』

「詳細な……と言うと、HPやSTRと言った数値ですか?」

『うむ。詳細な数値化は危険だから見えないのでは? と言う話も聞いたことが有る。何せレベル事態は数値化されていた訳だからな』


 危険か……確かにステータスの数値主義なんて者達も居るからな。

 その数字だけをみて戦力を図るのだ。フェンリルの言う危険と言うのも正しいだろう。戦闘と言うのは色々な条件で左右されるものだからな。


『我が聞いたのは考察レベルの話だがな。当時はスペックが数値化などされて無かったからな。だが……今は数値化されている。管理者は一体何を考えているのか……』

「人にとって目に見えるデータと言うのは便利ですからね。全て効率化の為では?」

『それだけなら良いのだがな』


 しかし、こう聞くと本当に違いが浮き彫りになって来るな。


 古い時代は其れこそ、詳細なデータなど無かった上にジョブ……いや、加護か。それは選ばれた者、もしくは努力の結晶だ。

 そういったモノを身に着けることが出来ると言うのは勲章の様な物だったのだろう。


 しかし……今は誰もが手に出来る。

 フェンリルの言った魔剣士や盾騎士なども、その存在を確認されているからな。私の魔法剣士と言うのも魔剣士と似たようなものだ。


 ただ、人が魔物から身を守る為の術に用意されたモノだとするのであれば……なぜ、古代文字や当時の魔法が失われたままなのか。それもまた疑問だ。

 性能が良いのであれば、使い道さえ間違えなければジョブによるスペックアップと大差ないはずだ。


「もしかしたら、古代の魔法は人どころか世界を崩壊させた?」

『いや、それは無いな。勇者や魔王ですら山を消し去る程度しか出来なんだ。世界を崩壊させようと思ったら、勇者や魔王がどれだけ必要になるか』


 ……山を消すだけでも相当な威力だと思うのだがな。

 ただ、其れだけの力を発する事が出来る存在は、他には居ないはずだとフェンリルは言う。……まぁ、何人も居たらそれこそ怯えて過ごす生活を送らねばならないのだが。


『まぁ、古き時代の魔法は其処まで危険視する必要は無いだろう。技術で言うのであれば他にも危険な物は沢山あったしな……魔石の移植などだが』


 ん? 後半は何かつぶやいた様だが聞こえなかったな。いや、危険な技術が有ったと聞こえた気がしたが……まぁ、何時の時代もマッドな存在は居るという事だろうな。


『古代文字や魔法に関しては、我やエルが伝える事が出来る故に今は良いとしよう。問題はジョブの使い方だな』

「そちらは、学校で教えていますが……それまでに私が娘とエル君に伝えていこうかと」

『そうか。エルに関しては、気になるジョブだったと言っておったな』

「はい。双魔導司となってました。これは、二属性を操ることが出来る事だと思われますが……後ろの導司と言うのが良く解りません。魔法を使うのであれば術士などだと思われますが」

『ふむ……やはりあの二人の子と言える存在だな。属性は光と闇であろう?』

「はい。その様ですね……片方だけでも貴重と言えるのですが」

『それは、エルの特異性を考えれば当然であろうな』


 たしかに、エル君の出生からして謎のジョブになるのは解っていた。解っていたが一体どんなモノなのか。

 いや、属性に関してはフェンリルの言う通りだろう。勇者と魔人族により造られた訳なのだから。


 ただ、問題は後半の二文字だろうな。

 導はそのまま導くで良いのだろう。司……つかさどる。支配する? 導きと支配。もしかしたら、飛んでもないジョブなのでは無いだろうか。


 これは、色々とエル君には加減を覚えて貰う必要が出てきそうだな。……この予想が正しければだが。

 ただ、ジョブに勇者とは出なかった様だ。これに関しては、多少拍子抜けしたものの助かったとも言える。

 ジョブで勇者などとでれば……それこそ大問題になるのだから。

ブクマ・評価ありがとうございます。


という事で秘密会議その2です。

まぁ、……話から分かるように、管理者はこつこつと相当世界を弄ってます。

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