斧兵タイゴン
時間を少し前に戻そう、二度目の突撃の時、刀剣のカイトと連携したり彼とは別の位置で、激烈な一撃を加えていた斧兵タイゴン。
「カイトみたいに技巧派ではないが、俺は一撃に賭けてる」
彼は王国のラカンとは別のスラム街で生まれ育った、こちらは下町のような雰囲気だ、彼の父はギャンブル狂いであった。
ラカンのように暴力を振るわれたとかはなく、ギャンブル狂いである以外は理想の父親だった。
母もいたが、ほぼ別居状態、しかし仲が悪いわけでもなく、さっぱりとした家族だった。
そんな父を見て、自分も豪快な性格になった。だが父ほど豪快ではなく、まずは堅実に兵士を目指そうと思った。
礼儀作法も何もなく兵舎に向かい、兵士になりたいとだけ伝えた。
ある意味博打だが、これがすんなり通った。恵まれた体格と豪快な性格のおかげでこのギャンブルに勝ったのだ。
そして今に至る。
今回の三軍配属もそこまで落ち込んではいなくて、ここで功を上げれば何の問題もない。そしてこのパーティならば成り上がれるチャンスもあると思っている。
彼に性格は戦闘スタイルも如実で出ており持ち前のパワーと機を見る力で、敵のタンクに確実にダメージを与えている。
大振りの一撃は一対一では隙だらけだが集団戦なら、その隙は仲間がカバーする。故に非常に有効なばかりか、拮抗状態を壊す起爆剤にもなる。
今回、敵の正規兵との戦闘が割とスムーズに行われているのは彼の活躍も大きいのだ。
斧と力でひとしきり暴れまわった後、退却した。
力任せに暴れるべき場所で暴れる。それを満たすのにピッタリな性格と体格、これこそがタイゴンの役割だ。