大剣使いブルーノ
三軍への配属が決まり、最初の命令、王国の国境付近の村を守る一隊として派兵された。
大剣使いブルーノは初任務を前に昂ぶっていた。
近くで別の国同士が戦争しており、その時の敗残兵が山賊となって略奪しに来る可能性があるようだ、その時のために三軍の部隊のうち5つほどが村の各入口の警備に当たっている。
他の部隊は三軍にずっといるような向上心のない部隊。
でも今は、自部隊の連携を固める時だとブルーノは考えている。
俺の遠慮のせいで、もっとポテンシャルがあるはずの自分たちの部隊が三軍になってしまったことを悔やんでいる。
ブルーノは王国辺境の漁村出身だ。
小さい頃から頭が良く、両親は家を継ぐのではなく、将来的には学業をさせよう考えていた。
ところがある日ふるさとの漁村は敵国の侵略を許してしまい村ごと奪われた。
外に狩りに行っていたブルーノはそのまま村に入れず。それ以降は、国境付近で山賊や傭兵をして食いつないでいた。
ある日、山賊の傭兵をしていたブルーノは、国の軍との戦いに敗れた。
その時の隊長の方針で、山賊団と傭兵はそのまま軍に取り込まれた。
そこから兵士学校に通い、今に至る。
さて昔を振り返るのはここまでだ。
山賊が襲撃してきたようだ。
早速陣形を組み、ブルーノも敵の攻撃を受けつつ、カウンターをかけたりして、連携しながら戦っていた。
真正面から戦った山賊側の大剣兵は、なかなかの才能を感じる。
昔の自分と重なった。
俺は山賊側の大剣兵と弓兵を倒して、捕虜にすることを決めた。
味方の縦横無尽な活躍により、それは容易だった。
2人戦闘不能にして、捕虜にし、説得して、兵士学校へ行かせた。
この2人ともいずれ一緒に戦う日が来るかもしれない……
他の隊も村からの山賊の追い出しに成功したようだ。
だがそこにまた報告がきた、山賊の軍は、先鋒で、兵力を図っていたようだ、本軍は、別の敵国らしい。
つまり正規軍だ。
我が国の本軍は、すぐには来れない。
国からの命令は、ここを本軍が来るまで守れ。
だった。この村の人に俺と同じ思いはして欲しくない。
「山賊に計らせたぐらいで、俺たちに勝てるとは」
「舐められたものだな」
と呟く、あれが実力ではないが、敵がどんな兵力で来るかは分からない。
油断は禁物だ!
ブルーノの剣を握る手に力が入った。