世界観の説明とチュートリアル
この世界の兵士は主に3種類の兵科がある。
前衛で攻撃を受けたり相手の動きを拘束したりするタンク。
中衛でタンクの作った隙を狙って攻撃を加えるディーラー。
後衛で回復やバフを行う戦局をコントロールするバッファー。
古来より試行錯誤を繰り返し、タンク2人、
ディーラー3人 、バッファー2人 、合計7人のパーティーで戦を行う、7人揃って初めてそれぞれの職業の力が発揮されるようになる。
そのうち2人が戦闘不能になったら早々に撤退せねばならない。それでなくては、全員が致命的なダメージを受けてしまうからだ。
1人ならばまだリカバリーできるという考えからだ。
というわけでパーティーは慎重に選ばねばならない。兵士学校でそれぞれの基本兵科の専門的学習を終え、7人の配属が決まった。
タンク2人はランサーのアイン、大剣使いのブルーノ
ディーラー3人は刀剣使いのラカン、弓兵のカイト、斧兵のタイゴン。
バッファー2人は、黒魔道士のブランド、白魔道士で紅一点のライラ。
この7人で今後パーティーを組んでいく。
まずはパーティーが正常に連携が取れるかの試験がある。人事の精鋭パーティー7人と戦い、どのくらいの適性のあるパーティーなのか判断されるのだ。
というわけで、顔見知り程度の同期7人は早速精鋭に挑むことになった。ルールは2人以上同時戦闘不能まで戦うことになる。
早速演習が始まり、両隊共に、伝統の陣形であるヘキサゴンを組んだ。前衛2人、中衛3人、後衛2人の形が六角形のように見えることが由来だ。
この陣形のまま 、ランサーのアイン、大剣使いのブルーノは。相手に向かって突進する。相手のランサー、大剣使いと戦い始める。弓兵のカイトが、同時に相手の大剣使いを狙い打ち相手に当たってダメージを与えたようだ。そのあと間髪入れず、黒魔道師のブランドが、敵全体に動きを鈍くする魔法をかける。これにより機動力が落ち、敵の大剣使いを刀剣使いのラカンと斧兵のタイゴンが狙い撃ちした。
相手が格下であればこれで1人戦闘不能にできる。
しかし相手は、現在は一線を引退したとはいえ、人事部で腕に覚えのある試験官。ダメージは食らいつつも凌ぎきり、相手の白魔道士の回復でほとんどの傷は塞がったようだ。
続いて試験官側の攻撃、ランサーのアインに攻撃が集中する。しかし防御姿勢をとっていたことにより、試験官の剣 ランス 矢 黒魔法を食らっても戦闘不能とはならず。白魔道士のライラの回復が間に合い傷は塞がったようだ。
お互いの力はほぼ互角。
試験官側が「甘い」
そう聞こえた刹那、弓兵のカイトと白魔道士のライラが、戦闘不能のされてしまっていた。
つまりこれで負け、戦場は敗走を意味する。
ランサーのアイン「何故回り込まれたんだ!ブルーノは何やってたんだ?」
大剣使いのブルーノ「刀剣と斧の攻撃を受けてた」
刀剣使いのラカン「タイゴンとランサー攻撃してた」
黒魔道士ブランド「3人とも、黒魔道師に防御低下効果食らって脆くなっていた、そこを弓兵の速射でやられた」
つまり相手の兵力を測り間違えていた。互角でいけると、皆が少しずつ油断したからだ。
「実力はそこそこ、戦闘経験のなさ故、後衛がガラ空きになってた」
「そのあと誰か1人に責任を押し付けなかったところは評価できる」
「いずれ通達を送る。今回の敗因よく反省せよ」
試験官の声が聞こえた。
俺たちは傷心し、宿舎に戻った。
演習とはいえ、カイトとライラはやられた。
戦場なら、相手に捕虜にされてるか死んでいた。あの時点で退却しなければ全滅だからだ。
弓兵のカイト「あんな風にやられるなんて、敵に攻撃することに意識が行き過ぎていた」
白魔道士ライラ「回復させることに意識が行き過ぎていた」
2人は少しトラウマになっているようだった、声が震えている。
大剣使いのブルーノ「本当の戦場でないことで命拾いしたことを幸運に思わなければ」
敗北感に震える夜はまだまだ続く……