第3話 その死線の先にあるもの
ガス隊長率いるパーティー4人は第3階層中腹で苦戦していた。
「フレイムショト!!」
「きりがない、隊長そろそろ撤退しますか?」
ミッチーが撤退を打診する。
「うむ、そうだなお酒飲みたいしそろそろ引くか!」
「はー!?」
ケーマ(Fランクハンター)がつぶやく。
「隊長何言ってんすかここからでしょう!まだまだ奥いきましょうや!」
と、その時!他のハンターのパーティー達がダンジョン奥から疾走してしてきた。
「逃げろー!!!!!」
!!
ユウトのパーティーが視線を奥に向けると全長30メートルをこえる巨大な黒龍……漆黒の全身に二本のレッドラインが竜頭から尻尾まで入った黒龍亜種が威圧感を放ちながら迫っていた。
ガス隊長は叫ぶ。
「なんだありゃー!」
「ここは3階層だぞ!??!?ありえねー!」
「とにかく逃げろー!!!!!」
「うわわ!ヤバすぎだー!とにかく走れ!」
ハンター達は決死の勢いでダンジョンの外へ逃げて行った。
ガス隊長が全員を見渡しなが言う。
「あれ!?」
「マジか!う!ユウトがいない!」
ガス隊長は左手で顔を覆いながら何か考えてる。
「よし!すぐにGに報告して、捜索依頼を出しに行くぞ!」
隊長達は急いでG(GOD日本支部)へむかうのであった。
ダンジョン内部……
そう、その頃……ユウトはダンジョンの罠にはまり、逃げ遅れていた。
「チキショー!!足が抜けねー!」
ユウトは鉄罠に足をとられて身動きが取れないでいた。
黒龍は次第にヨダレを垂らしながらユウトへ近いてきた。
「黒龍!ちょっと待て、お願いだから待ってくれ!」
ユウトは食べられないようにボロボロのロングソードをふりまわす。
(ああ、マジかよこれ……よりによってモンスターパニックみたいなバグで俺死んじゃうのか……)
黒龍は砲口と共にヨダレダクダクで襲い掛かってきた。
「ゴワー!!!」
「ガー!ガブガブ……」
ついにユウトは黒龍の大きく開いた口の闇になすすべもなく消えていく。
「誰か助けてくれー!!」
「・・・」
黒龍はグシャグシャと音をたてながら噛み砕きながらユウトを堪能したのだった……