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サキュバスの冒険  作者: みーたーなー
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4暁

「はぁ…」


凄く疲れさせる誕生会がやっと終わった…毎年これが来ると思うと溜息が出てきてしまった、その時あまりにも疲れすぎて周りに対する注意を怠っていたのは今でも反省している。


誰もいない城の中から月を見上げていたらすごい勢いで何かを言いながら突っ込んでくる女性に思わず身構えた、聞き間違いじゃなければじゃんけんぽんと言っていた気がするが、その子を観察してみたら案の定聞き間違いじゃなかったみたいだ。


あまりの美貌に思わず天使か女神が降って来たのかと思った、月の下で美しくなびく銀色の髪は月光を静かに反射していた、何もかも見透かせそうな碧い瞳は何の感情も読み取らせなかった、突き出して来たチョキが色々と台無しにしたけど…。


向こうもなぜか固まっていたので冷静になってもう一度観察してみる、波長からするとサキュバスだろうか、まだ幼そうだし身長も低い、だが見切れないほどではなかったが物凄く動きが速かったし力も弱くはなさそうだ、暗殺か?それにしてはこのチョキは意味不明だ、厄介な事が終わったと思ったらまた厄介な事が増えたな…


「あの…誰ですか?」


とりあえず言わないかもしれないけど聞いてみる。


「ラズリだよ…慰めて…」

「いや、そうじゃなく..ってえ?」


隠し事をするなら種族の間で戦争になりかねないと困ってたら別の意味で困らせる言葉が帰ってきた。


「じゃんけん負けたことないの、勝てると思ったの、自信なくしそうだから慰めて。」


成人してると思ったら子供だった、迷い込んできたのかもしれない、不貞腐れてる表情の下にいまいち隠せてない期待を感じる…このままでは会話にならないので撫でておく。


気持ちよさそうな表情を見ながら何してるんだろう僕…と若干遠い目になっていた時


「ラズリのじゃんけんすごかった?強かった?かっこよかった?」

と今度は褒めてほしそうに笑った。


あれはじゃんけんよりただの不意打ちだろ…という言葉を吞み込んで適当に褒めてみる


「えっと…うん凄かったよ。」


眩しいくらいの笑顔で返された、小声で「えへへ…」と声が漏れている、貴族たちもこれぐらい扱いやすかったらな…無理か…


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