表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

おや…アドルフのようすが…?

「雨…か…」


梅雨も開けたと言うのにこのじめっとした空気はどうにも慣れることが出来ない


「兄上…」


ふと、最近家族に加わった弟に話し掛けられた

弟の水槽は私の隣にある

なんでも、私が間違って補食しないようにだそうだ

(ダイオウグソクムシ)をなんだとおもっているのだろうか…

弟は、私の名前がヨーロッパ風の名前だからと言うことでカミーユと名付けられた

弟は名前を貰ったことが無いそうだ

とても喜んでいた


「どうした…カミーユ」

「兄上…今日の昼食ですが…」

「ほう…どうした…」

「これを…」


カミーユが示す方向を見ると、ラップにかけられた昼食が見えた

む?なんだこれは?

何時もであれば私たちに誂えて小さく用意されていた昼食が、今日に限って人間のサイズで用意されていた


「むう…?これは一体…」

「兄上…このような手紙が…」

「手紙…?」


どうやら、家主の一人の゛ねーさん゛からであるようだ


「いい加減…小さく用意するのが…面倒に…なった…これを飲んでから…昼食を取りなさい…あと…写真を送ること…」


なんのことであろうか?

手紙には小瓶が二つくくりつけられていた

はて…?


「兄上…如何…しましょうか…?」

「仕方あるまい…その小瓶…飲んでみるしか無かろう…」


嫌に毒々しい色の小瓶を掴み、栓を抜いてみる


「ほう…なかなかに…芳しい…」

「この…匂いは…私には…」

「ふふ…まだ子供であるからな…弟は…」


このような小さい成りで私と対等に会話できるだけでも、弟は頭が良いと言えよう

弟から「私は…これで…大人です…」やら「兄上と私は…年が…変わらないのでは…」やら聞こえるが、気のせいであろう


一口、あおってみる

途端にミントの爽やかな香りと鮮烈な刺激が伝わってくる

なかなかに旨い


「カミーユ…お前も飲んでみろ…」


と、声をかけた所で私の意識はブラックアウトした

そろそろお約束を実行せねば

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ