アドルフ、増える
~にーさん視点~
ある日の事、会社から帰るとムシが増えていた
「お主は…同胞…であるか…」
「ええ…私はオオグソクムシ…葵と言う…主殿に…連れてこられました…」
「葵少年…であるか…」
「主は…貴方が寂しがらぬ様に…と…」
待て…当たり前の様にこいつも喋るのか!
つか、葵くん何やってんだ!
これ、どうしたら良いんだ!返すべきか!
つか、バレたらまた俺が藍香に説明しにいかにゃなんねぇのか!
…取り敢えず、話しかけてみるか
「あー…ムシ、説明しろ」
「おや…にーさんではないか…」
「だーら!兄さんと呼ぶのを止めろ!…はぁ、そいつはなんなんだ?」
「起きたら…いた…葵少年からは…仲良くするようにと…」
義弟よぉぉ!
つか、どうやって買ってきたんだ…?
こいつらって生意気にも高額なペットだったはずだ
ムシを買うのにだって10何万取られたんだし、高校生の小遣いで買える筈が…
「おいおい、どうやって連れてきたってんだ?お前ら生意気にも高額な生き物だし、おいそれと買えるものじゃあ…」
「それは…私から…」
そう言うと、アドルフより一回り小さいムシが前に出た(水槽内で)
「なにやら…私の主は…取引をしていたようでした…」
「取引?」
「詳細は…分かりませんが…」
「取引って、誰と?」
「主が…ねーさんと呼ぶ…方からです」
………
藍香かぁぁぁあ!!!
「おい待てちびムシ!なんて取引だった!今すぐ教えろ!」
「はて…私には…分かりません…」
嫌な予感がするぜこいつは!
一体、何を取引材料にしやがった弟よぉぉお!
~昨日の夕方~
葵「ねーさん」
藍香「何?葵」
葵「アドルフが寂しそう」
藍香「だから何かしら葵、増やそうとでもしてるの?私がムシ嫌いなのを知ってそれを言ってる?良い度胸じゃない?」
葵「…にーさんが褌一丁で同じく褌一丁の町内の若者と飲んだくれてる生写真(町内会のお祭りバージョン)」
藍香「いくら欲しいのかしら?」
葵「わーい」
???「!?!?」
ミ??「オトナシクマツ」