アドルフ、語る
それは、いつものように少年の作る昼食を食べ、昼寝を考えていた休日の事だった
「アドルフさーん」
「む…どうした…葵少年…」
相も変わらず雄には見えぬ少年だ
「む、何か失礼な事考えてない?」
「そんな…ことは…ない…」
周りの評価もそうであるのだから、失礼ではないであろう
「して…何用で…あるか…」
私の眠りを妨げるのだ、それ相応の理由は欲しいものである
「アドルフさんてさ…」
「うむ…」
「好きな人…いる?」
なんの事かと思えば、若者に流行りのコイバナとやらか
うむ…ここは私が大人として、寛大に受け止めてやらねばな
「どうした…悠少年と…喧嘩でもしたか…」
「そう言うことじゃないんだけど…。悠、ファンクラブとか出来てて人気みたいだから、なんか…。僕で良いのかな…って」
お…重い
くちくなった腹のせいで感じていたふわふわした眠気が一気に吹き飛んでしまった
「うむ…葵少年よ…少年は…悠少年をどう思っている…」
「どう…?」
「そうだ…葵少年よ…」
「どうって…恋人だし、幼馴染みだし、大好きな相手だよ」
「そう…悠少年も…思ってはしないだろうか…」
「…!」
「そう…少年が好きと言うことは…相手も…そうおもっていると…言うことでは無いのか…」
「あ…」
「それが…恋人と…言うものであろう…」
それに、どうせファンクラブとやらも、例の「悠くんと葵くんの健全な恋愛を見守りたいの会」の事であろう
藍香ねーさんとやらがなにやらそんなような事をいっていたしな
「…ありがとう、アドルフさん!」
「良いのだ…少年…」
大人と言うのは、子供を助け、守る者なのだから
「これも若さか…テレーゼ…」
葵くん「テレーゼって…だれ?」
隆成「つか、こいつやたら大人だのなんだの言ってるけど所詮一歳じゃねーか」
???「ゴソゴソ」