アドルフ、大地に立てない
「少年…」
「ん?」
「私を…飼わないか…?」
「えっ?」
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僕の名前は成瀬葵
高校二年生!
今日は、僕のにーさんとねーさんと一緒にショッピングに来たんだ
僕のお気に入りはペットショップ!
うさぎさんとか、ねこさんとか、ついつい眺めちゃうんだよね
さぁーて、今日は何を見て回ろうかな…
「少年…」
ん?
今、何か聞こえたような…
「少年…」
ここからだ…
なんだろう?
声を辿って見回すと、一つの水槽が置いてあった
「私だ…少年…」
ダイオウ…グソクムシ?
そこにいたのは、ダンゴムシを大きくして色を白くしたような生き物だった
と言うか、この子が喋ったの…?
ためしに声をかけてみよう
「ねぇ?」
「…なんだ?」
とっても渋い声だ…まるでにーさんみたい
「君が、声をかけたの?」
「そう…だ」
どこから声だしてるんだろう…
「それで、なんのよう?」
「少年…私を飼わないか…?」
「え…?」
「三食昼寝つきを…所望する…日の当たらない所に…置いてくれ…。君は…私が寛ぐ姿を見て癒される…WinーWinであろう…」
あぁ…随分と図々しい性格みたいだ、彼(?)は
「どうだ…少年…」
「うーん…ねーさん、ムシ嫌いなんだよね、ごめんね」
「なんと…少年…」