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ゆっくりと携帯の画面から顔を上げる。
僕は、今、冬子さんから送られてきたメールを、再度、読み返していたのだったが・・・。
そう、冬子さんは、例の学校の怪談について、あの後の調査で解った事を、わざわざメールで詳しく僕に教えてくれたのだ。
それにしても、またずいぶんと詳しく調べ上げたものだな。
そうして、僕は、酷く、感心しつつ、すぐ左手に見えている校舎を見上げるでもなく見上げた。
不気味に静まり返った鉄筋コンクリート5階建ての校舎が暗闇の中にヌッとそそり立っている。
冬子さんのメールによれば、問題のトイレがあるのはこのA号錬の4階らしい。
突然に、ザワザワと、何か得体の知れない不安感に襲われる。
そうして、そんな不安感に怯えつつも、僕はまだ手に持ったままだった携帯で時間を確認した。
午前4:25分。
もうすぐ待ち合わせの時間だ。
そろそろ冬子さんが現れてもおかしくないわけだが・・・。
そうして、そんな事を考えながら、そのまま冬子さんが来るのを待ち続けていると、すぐに、冬子さんの、少しハスキーで、知的な声が響いた。
「すいません。
お待たせしました」
見ると、今夜の冬子さんは、白のチビTに、紺のジーンズを履き、長い黒髪を頭の後ろで束ねて、ポニーテールにしている。
あいかわらず飾り気のない格好だな。
そうして、そんな事を考えながら、苦笑いを浮かべていると、続けざまに冬子さんが言った。
「では、さっそくですが、行きましょうか」
そうしてそのままスタスタと校舎の方に向かって歩いていく。
「あっ、ちょっと、待ってください」
それを見た僕は、そう声をかけつつ、慌てて、その後を追った。




