505
僕の部屋は、505。
今いる部屋は、505。
電話がない。
手紙も来ない。
誰からの声も、届かない。
暗い部屋。
暗い鏡。
明るい窓。
窓は開かない。
窓に描いてあるのは、505。
苦手な電気のスイッチ。
苦手な水の音。
目覚まし時計の音に飛び起きる。
いつの間にか、時間だけが過ぎていく。
過ぎた時間の中身がない。
時間がどんどん、逃げていく。
戸口にネットを張って。
誰も出られないようにした。
もちろん、僕も。
O.K.
密室だよ。
僕の505。
叫んだって、出られやしない。
せめて、PAN-PANぐらいで気が付きたいな。