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五話

 それが彼女との出会いだった。

 彼女…『弥生』との出会いだ。

 最近は弥生のことばかりを考えている。

 いや、弥生のことしか考えられない。

 俺はこの感情を知っている。


 『恋』


 俺は彼女に恋している。

 たったそれだけだった。

 たったそれだけ。

 それだけだ。


(今日こそは…)


 もう何度目かも覚えていない覚悟を決める。

 結局何も言わずに普通に帰ることしかないのだが…

 バカな俺は弥生の前で空回りするだけ。

 と、いうか思考が暴走するだけだ。

 完全にただの変態ですね、分かります。

 俺と一緒に寝ないかい?

 ダメだ。

 俺の頭が暴走しつつ平常運転だ。


 さて、俺は『夢行路』にいるわけだが…

 弥生が来るのはいつか分からない。

 俺がついたときにいる場合もあれば三十分以上待つときもある。

 俺はベンチで座っているとふと、眠気が襲ってきた。


(やばい寝る)


 残念なことに俺は睡魔に負けてしまい意識が遠のいた…

 弥生ちゃーん!夢の中にー!

 俺の頭はいつもどおりだった。




 ふと目が覚める。

 残念。弥生ちゃんは出てこなかった。

 頭はすでに覚醒していた。

 ふと、肩に重みを感じ、そちらから良い香りがした。


「すう…すう…」


 そこには弥生ちゃんがいた。

 寝顔がかわいいぜ。

 唇奪ってもばれないだろう。

 いっそスカートめくってみようぜ。

 とりあえず落ち着け俺。

 がんばってこの状況でどうするか考えるんだ。


 キスする


 胸を揉む。


 落書きする。


 くそッ!!

 変なものしか思いつかない!!


「ん……あ…」


「あ……」


 目が合いました。

 ヤバイ。

 顔真っ赤だよきっと。

 どうしよう。


「えと…おはよう」


「う、うん。おはよう」


「…」


「…」


 無言。 

 無言がきつい。


「えと…寝顔、見た?」


「かわいかったです」


「…///」


 顔真っ赤にしてうつむく弥生ちゃん萌え~。


「萌え~」


「…もうっ!!」


「ごめんごめん」


「…許す」


「ありがたき幸せ」


 相変わらずのかわいさに俺、メロメロ。 


「と、いうよりもなんで寝てたんだろう…」


「別にどうでもいいだろう」


「良くない!」


「俺的には全然良い」


「私は良くないの!

 と、いうよりも今日も来たんだね、もう来ちゃダメだっていったのに…」


「俺の金が尽きるまでは来るよ」


「なんか嫌な台詞…」


「仕方無いだろう?金無くちゃ来れないんだから」


「そうだけど…って、来ちゃダメなの!」


「嫌だね」


「自己中」


「事故中?意味の分からない言葉を使うんだな」


「…」


「…どうした?」


 急に黙りだした。

 顔色が悪い。

 いったいどうしたのだろうか?


「今日はね。今日こそはね。言わなくちゃいけないことがあるんだ」


「…え?」


 やめろ!

 聞くな!!


 第六感がダメだと叫んでいる。

 それを聞いてはいけない。

 聞いてしまえば…


「実はね私は…


 ダメだ!


 聞くな!!


 止めろ!!!


「死んでいるんだ」


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