二話
現在俺は駅にいる。
夢行路に行くためだ。
あの時は言わなかったが俺は夢行路に行ったことがあるし、二回目以降の行きかたも知っている。
夢香露というあの値段が異常な飴。
アレを買って行くのだが…
たまに行けないときがある。
何故かは知らない。
やはり何かあるのだろうかとは何度も思ったが、彼女のこと以外どうでもよかった。
適当な電車に乗って座る。
すると眠気が襲ってきた。
(ああ…今日は行けるのか…)
そう思いながらあそこに初めて行ったときのことを思い出した。
そう、あれはもう…二週間も前のことだ。
俺は不思議な駅で彼女に会った。
「ここはどこだ。俺は榎本 公太だ。そしていつの間に電車がいなくなっている!?」
誰に問うでもなく喋る。
俺は電車に乗って隣の駅付近の大型ゲーム店に行くつもりだ。
いや、だった。
駅に着いた俺はまだ時間があることをいいことに路地裏探索していた。
そこにはコンビにらしきものの入り口があった。
よくつぶれていなかったものだ。
俺は何を血迷ったのかそこにあった夢香露という馬鹿高い一個四百円の飴を三個も買った。
一つ食べてみてまるでこの世のものかと思うぐらいうまかった。
それであと二つ買った。
そして時間を思い出し急いで欲しいゲームを買いに行った。
売り切れていた。
残念だったが仕方ないまた来週行こう。
そう思って急いで電車に乗った。
今日は友達と夜遅くまでカラオケに行く約束があり、集合時間は六時。
路地裏探索に夢中になっていた性で、もう五時半。
急いで乗った。
時間的には余裕だが俺は約束の十分前には着きたい性格なのだ。
だが、俺は電車の中で寝てしまった。
そして気がつくと『夢行路』という駅について降りたのだ。
「なんという不思議な場所だそして何故真ん中に下りてしまった、俺」
この駅は真ん中だけ浮島のごとくぽつんとある。
きっと何かの点検のためにあるのだろう。
ベンチと自販機があるためまだマシだ。
(あっち側に渡るか?)
怖いからやめた。
周りを見渡して見る。
アレはトイレか?
自販機は俺のすぐ左側にある。
売っているものは簡単な栄養食品にジュース類。
コーヒーもあるので一本買う。
勿論ブラックである。
たまに微糖も買うが、今はブラックが飲みたい。
見知らぬ場所に来てしまい、心を落ち着けたいのだ。
そしてふとベンチにだれか座っているのに気がついた。
「あっ…」
あっちも俺に気がついたようだ。
座っていたのは女の子だ。
綺麗な黒い髪をサイドポニーにしている。
そして俺は彼女との不思議なひと時を過ごすようになる…




