【Episode 2】異世界転移
芝生はふかふかで山肌が美しくいつまでも眺めてられそうだ。
俺の名は櫻井結月、コンビニで爆死した。
気づいて目を覚ましたら訳のわからない世界に転移していた。
そう、つまりこんなことをしている場合ではないってこと。
おいおい、もっと緊張感ってやつを持てよ。
と言ってやりたいが、この景色を前にしたら誰でも考えることを放棄したくなるだろう。
今、いい意味で賢者タイムだ。
「風、全身に染み渡る。」
〜30分後〜
あたりは暗くなっていた。
「スゥー…風、大地の香りッ スゥー……。」
「いたぞ!!こいつだ!!」
「スゥー………………………はい?」
ランタンを片手に剣や槍を構えた身長2メートル越えの大男が次々と現れ始めた。
「俺が何かしましたか?それよりここはどこですか?」
「惚けるな!! 邪悪な魔物め」
「はい? 誰が魔物だって、俺はお前達の方が魔物にしか見えないが?」
「うるせぇー、俺らは騙されねぇーぞ。なぜならうちには鑑定士がいるからな!」
“鑑定士“ってなんだ?宝石とかを鑑定して価格とかを決めるってやつ…
つまり俺は商品ってことか?ていうか俺が魔物だと?
「一旦話その物騒なやつ降ろせよ」
「みんな魔物のいうことに耳を傾けるなよ。クリス俺に支援魔法を」
な、何やってんだこいつら“魔法“魔法だと?
つまりここは、魔法が使える世界ってことか?
一旦は逃げた方が良さそうだ。
こいつら話し合いに応じる気がなさそうだ。
俺は森のしげみに全速力で入って行った。
「ッチ、待て!逃げるなよ!!」
俺は森の木の葉をかき分けながら走り抜けて行く
するとふと思う自分はこんなに早く走れたか、こんなに体力があったかなど
その時は気にしている暇もなくただひたすらに走っていった。
◇◇◇
何時間ぐらい走ったのだろう。
足は泥まみれだし、体力もそこをつきもう走れる気がしない。
また木に寄っかかっていた。
しげみからガサガサと音がした。
俺は緊張で唾を飲み込んだ。
しげみから今度はツノの生えた人が出てきた。
俺は死を覚悟した。
しかし予想とは裏腹にそのツノの生えた人は俺に食料を与えてくれた
「随分と疲れているようだな、どうかしたのか?」
「おってから逃げてきていて…」
「それは人間か?」
「そうです。」
「くそッ もうここまできやがったか」
「それは一体どういう……」
俺が言い切ろうとしたのを遮り人差し指を口に当てる。
「シー、ついてこい」
俺はそのツノの生えた人についていくことにした。
道中の会話で分かったことは、彼は鬼人という種族らしい
「ついたぞここだ」
山中の人目の付かない場所に小さな集落があった。
「綺麗だな」
朝日がゆっくりと集落を照らしていく。
異世界にきて二日目の朝だ。
この集落を鬼人の郷と呼ぼうか。




