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探偵は胸を揉む:童貞教師の呪いと、ブラの秘密〜サイコメトリー能力で美女と美少女の心の闇を暴く〜  作者: リチャード裕輝


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第7章:真犯人の告白と、歪んだ愛の残滓

第7章:真犯人の告白と、歪んだ愛の残滓


佐伯は、完璧な優等生の仮面を保とうと、唯の言葉を鼻で笑った。


「証言ごときで僕を疑うなよ。それに、さっきも言ったはずだ。君のその無垢な言葉は、かえって久我先生の悪意を際立たせるだけだとね。君は先生に利用されているんだ」


佐伯が唯に掴みかかろうとした、その時だった。


「あら、そんなところで騒がないでちょうだい。生徒会幹部が、ブラジャー泥棒とはね。…みっともないわ」


声の主は、保健医の黒崎蘭だった。彼女は、月島雫を伴って、久我たちの前に立っていた。蘭は、手にスマートフォンを構えている。


(蘭のモノローグ) ――久我先生の心の声は、いつだって生徒の危険を叫んでいる。あの焦燥は、佐伯が動く決定的なサインだった。私もこの学園の闇を把握している。動かないわけにはいかないわ。


「佐伯君。この動画、見てくれるかしら?」


蘭がスマートフォンを佐伯に見せると、画面には、佐伯が久我のカバンにブラジャーを入れる様子が鮮明に映し出されていた。完璧な証拠だった。蘭は、この日のために佐伯の行動を事前に予測し、監視していたのだ。


「…なっ!?」


佐伯は驚愕し、言葉を失った。


久我は、蘭と唯の協力に感謝しながら、カバンから麗のブラジャーを取り出した。そして、そのブラジャーの匂いを嗅いだ。


「…!!」


久我の鼻孔をくすぐったのは、麗の香水の香りだけではなかった。


「…ちょっとイカ臭いな…」


久我は、その匂いから、麗のブラジャーが、佐伯の欲望を満たすために使われたことを悟った。ブラジャーに残された生々しい証拠が、佐伯の卑劣な犯行を物語っていた。


蘭は、試すような、あるいは促すような、独特の視線を久我に向けた。


「久我先生、あなたが生徒の純粋な気持ちを信じて、この事件の裏を探るのは分かります。でも、これは証拠品。学校がしっかり公式に記録して管理しなければいけないの。だから、私が責任を持って、ほんの少し確認させてね」


蘭は、久我の返事を待たず、久我の手からブラジャーをそっと受け取った。


蘭は、久我の目の前でブラジャーを素早く確認した。その際、彼女はブラジャーの内側、カップの最もデリケートな部分に鼻を近づけた。


「…ああ、なるほど。麗ちゃんの香水の他には、若い男の子の、熱っぽい匂いが、たっぷりと残ってるわね。この生々しい残り香…佐伯君、随分と興奮しちゃったみたい。理性を保てなかったのね…可哀想に、匂いを嗅いだだけでこんなに興奮しちゃうなんて…。あら、この匂い、なんだか私までゾクゾクしちゃうわ」


蘭の吐息がブラジャーにかかり、その挑発的な声が久我の耳に届いた。彼女は久我の反応を確かめるように、潤んだ瞳で一瞬だけ視線を合わせると、微かに微笑みながらすぐに久我へと戻した。


久我は蘭の表情を見て、すべてを察したようだった。彼女が自分と同じように、この学園の闇と戦うための覚悟を決めているのだと。


久我は、蘭の言葉に頷き、返された麗のブラジャーに触れた。その瞬間、久我の脳裏に、怒涛のような記憶が流れ込んできた。


それは、佐伯が麗のブラジャーを盗んだ理由だった。佐伯は、白鳥麗をこの学園の、いや、この世界の「女神」だと信じていた。彼女の完璧な美しさとカリスマ性は、佐伯にとって触れることのできない聖域であり、崇拝の対象だった。


彼は、その女神に「認められたい」という歪んだ愛情を抱いていた。自分のことを慕う月島雫を利用して、麗のブラジャーを盗ませ、それを自分の手元に置くことで、まるで女神の秘密を共有し、その価値を独占しているかのような錯覚に陥っていた。


彼の犯行は、愛情から始まったはずだった。しかし、それはいつしか、盗んだブラジャーを欲望の対象とする、おぞましい行為へと変貌していった。すべては、女神に近づき、彼女に奉仕するため。彼の狂気は、その一点に集約されていた。


佐伯は、完璧な証拠と久我の能力に追い詰められ、ついに観念した。


「…ああ、そうだ。全部、俺がやったことだ…!」


佐伯は、床に崩れ落ち、嗚咽を漏らしながら、犯行を自白した。


蘭は、佐伯の身柄を確保するよう月島に指示を出し、久我にだけ聞こえるよう静かに言った。


「証拠品は、校長に提出するわ。でも…生徒たちの心の傷は、先生にしか癒せないでしょう?」


蘭が月島を伴ってその場を去り、久我が一人、乱れたカバンを整えようとした、その時だった。カバンの内ポケットの端から、一枚の紙が覗いていた。


久我は、何気なくそれを引き抜いた。花咲唯の、覚えのある丸い文字。


『花咲 唯の手紙


久我せんせいへ


せんせい、このてがみ、すっごく緊張して書きました。

だって、せんせいに、わたしの、だれにも見せたくないところを、見られちゃったんだもん。なんだか、はずかしくて、はずかしくて、お顔が真っ赤になっちゃったよ。


でもね、せんせい。

せんせいが、わたしの胸を「キラキラの光」だっていってくれた時、なんだか魔法にかかったみたいで、すごくうれしかったんだ。

わたし、ずっとこの胸が大きくて、みんなと違うから、嫌だったの。でもね、せんせいのおかげで、初めて自分のこと、ちょっとだけ好きになれたんだ。


だから、お礼がしたくて、せんせいにプレゼントをあげたいなあって思いました。


このてがみの隅に、「むねもみけん」をかいてみたよ。

せんせいに、わたしの胸を優しくなでてもらったら、きっと、もっともっと喜んじゃうと思うんだ。

もし、せんせいがわたしの胸に触れてくれるのが、わたしの心を元気にすることなら、なんかいだっていいよ。


こんど、だれもいない場所で、せんせいとふたりっきりになりたいな。

そのとき、せんせいの光で、わたしの胸も、もっとぴかぴかになったらいいなって、思ってるよ。


せんせい、ほんとうに、ほんとうに、ありがとう。


花咲 唯より』

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