表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
探偵は胸を揉む:童貞教師の呪いと、ブラの秘密〜サイコメトリー能力で美女と美少女の心の闇を暴く〜  作者: リチャード裕輝


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/13

第6章:絶望の着信と、純粋な希望

第6章:絶望の着信と、純粋な希望


その直後、休憩時間の開始を告げるチャイムが、やかましく鳴り響いた。


佐伯が去ってほんの数分後、久我の携帯が、悪意のある着信音を響かせた。表示された名前は、黒瀬遥。胸騒ぎを覚えながら電話に出ると、遥の悲鳴にも似た怒鳴り声が耳に飛び込んできた。


「ちょっと先生!何やってんですか!先生のカバンから、麗先輩のブラジャーが出てきたんですけど!?」


久我は、通話を切ると同時に、背筋が凍るような感覚に襲われた。カバンの中に汚らわしい証拠が仕込まれたことを、久我は瞬時に悟った。佐伯に嵌められたのだ。


「…まさか…!」


久我が、その場に立ち尽くし、絶望に打ちのめされる中、佐伯の冷たい声が、まるで脳内に直接響く幻聴のように、久我の心を打ち据えた。


佐伯雄太のモノローグ:盤上の計算


指導室のドアを閉め、久我に背を向けた俺は、すぐに教室へと向かった。**わずかな時間で汚らわしい証拠の仕込みを完了させる。**完璧に仕込みを終えた俺の顔には、冷たい勝利の笑顔が張り付き、満足感に歪んでいた。


「――完璧だ」


久我先生、まさか僕が、あなたが指導室にいる間に、あなたのカバンにあの汚らわしい証拠を仕込むとは思わなかったでしょうね。あなたはただの教師だが、その粘着質な正義感と、僕を追い詰めるための焦りは手に取るようにわかった。あなたが月島のような生徒を救うために動けば動くほど、僕にとって利用価値が高まる。


物理的な証拠の前では、あなたの感情的な告発は無力だ。人々は、目に見えるものを信じる。水色のブラジャーが、あなたのカバンから見つかった。それだけで十分だ。生徒たちは、あなたの**「親切」の裏に「歪んだ欲望」**があったと疑うだろう。


そして、あの花咲唯。先生のカバンに手紙なんて入れていやがった。これを利用しない手はない。


まったく、あの男、月島だけでなく、花咲にまで手を出していたとは。生徒会役員として、この偽善者を断罪すべきだな。


先生のカバンからブラジャーが見つかった時、きっとあの少女はこう言うだろう。


「カバンを見た時は、ブラジャーなんて入ってませんでした!」


そう証言させるために、わざと彼女たちがあなたのカバンに触れる機会を与えてやった。彼女たちは、純粋な善意で先生を擁護しているつもりだろうが、その「善意」こそが、教師の犯行を**「巧妙な計画の産物」**として印象付ける最大のスパイスになる。


教師が、純粋な生徒の感謝の手紙と盗まれた下着を、同じカバンに隠し持っていた。


これ以上のスキャンダルがあるだろうか?純粋な感謝と、猥雑な盗品。この二極の共存こそが、あなたの偽善を鮮やかに証明する。


久我先生、あなたは僕を「悪」だと断罪しようとした。だから、僕はあなたの最も価値あるもの――生徒からの信頼と、あなた自身の正義――を、僕の悪意で腐らせてやる。あの月島のような、利用価値のない地味な女のために、あなたのキャリアを台無しにする。


僕の勝ちだ。この学園の闇の深さを、あなたはまだ理解していない。

この罠は、あなたの心の光を、永遠に消し去るためのものだ。


久我は、佐伯の卑劣な罠の全貌を悟り、絶望的な窮地に陥る。すぐさま、教室に戻り、自分のカバンを確認した。もう、教室の入り口には、人だかりが出来ていた。生徒たちの好奇と嘲笑の視線が、久我の背中に突き刺さる。カバンの中には、確かに見覚えのない布切れが入っていた。水色で、レースがたくさんついた、B70のブラジャー。それは、麗が盗まれたと話していたものと、寸分違わぬものだった。


久我のクラスは今、家庭科の移動授業を終え、休憩時間で教室に戻り始めたところだった。佐伯は、指導室で久我と対峙している間に、クラスが教室に戻ってくるチャイム直前のわずかな空白を正確に計算していたのだ。


優等生としての立場、クラスの授業時間、そして教師の行動パターン、その全てを悪用した、巧妙かつ卑劣なアリバイ工作だった。


意外な協力者と心の光


その時、人だかりの中から、一人の少女が、久我の元へと駆け寄ってきた。それは、久我が最初に出会った、花咲唯だった。


「せんせぇ…!そのブラジャー、遥さんたちが見つけたって聞いたんですけど…さっき、先生にお礼の手紙を入れた時には、カバンにブラジャーなんて入ってませんでした!」


唯は、震える声で久我の無実を訴えた。すると、彼女の背後から、黒瀬遥が険しい表情で前に出る。


「先生は、ずっと保健室と生徒指導室にいたみたいだから、先生が犯人なわけないでしょ」


遥は、佐伯を一瞥し、はっきりとそう言い放った。佐伯は、そんな二人を嘲笑うかのように、歪んだ笑みを浮かべる。


「はっ!ブラジャーもつけられないお前なんかに、何がわかるんだ!」


佐伯の心ない言葉に、唯は俯き、その瞳に涙を浮かべた。だが、その時、黒瀬遥が再び佐伯に視線を向け、冷たく言い放った。


「は?ブラジャーをつけてるつけてないなんて関係ないし!中身が汚いあんたなんかより、ずっと潔癖で純粋だっつーの!」


遥の容赦ない言葉に、佐伯の嘲笑が凍り付く。ここで、佐伯は最高の獲物を見つけたかのように、久我へと向き直った。


「ふふ、さすがですね、先生。まさか、この純粋な生徒にまで手を出し、証拠隠滅に利用するとは。久我先生、あなたの方がずっと巧妙な悪党だったようだ」


佐伯は久我のカバンを指さした。


「ほら、見てみろよ、皆。このカバンの中には、盗まれた下着と、花咲さんが先生に宛てた愛の告白――つまり"純粋な生徒との親密な関係を示すもの"が一緒に入っていたんだぞ。花咲さん、あなたは先生を助けようとしている。でも、あなたがカバンに手紙を入れたことは、先生があなたを利用していた決定的な証拠になるんですよ!」


佐伯のセリフは、生徒の善意を久我の悪意に塗り替えるという、最も卑劣な形で久我を追い詰めた。生徒たちの間で、久我に向けられる視線が一瞬で疑惑と嫌悪へと変わる。久我は、佐伯の仕組んだあまりにも巧妙で卑劣な罠の全貌を悟り、その場に立ち尽くした。


「ちくしょう...!この手紙まで利用するとは...!」


佐伯の言葉は、久我の教師としての地位を根底から揺るがした。彼は、唯の純粋な証言すら、佐伯の悪意によって「教師による生徒利用の証拠」として利用され、自身が完全な悪者に仕立て上げられたことに、絶望的な怒りを覚えた。


久我は怒りに震え、唯の肩を優しく抱き寄せた。


「君の優しさが、この男に利用されてはならない。君は、ブラジャーなんてつけなくても、誰よりも勇敢だ。君の心の声が、この男の嘘を暴いている!」


久我の言葉に、唯は顔を上げ、その瞳は強い光を宿した。


佐伯の毒が心を蝕んでいた直後、この汚れのない感情に触れ、久我の心は一瞬にして浄化された。佐伯の罠によって、久我は自己の動機の曖昧さ(支配欲)を突きつけられたが、唯のこの勇気は、久我に「救済」が純粋な愛と感謝を生むのだという揺るぎない確信を与えた。


「これが、僕の追い求める光だ」


彼は、唯の心の光こそが、佐伯の闇を打ち破る唯一の希望であることを改めて悟った。


久我は、彼女と遥の言葉を信じ、佐伯の嘘を暴き、この絶体絶命の状況を覆すことを心に誓った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ