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第15話 娼館の人たちとしくみ

3日後、アーダリは話し合いのために娼館を訪れます。

すると、もう1人の娼婦のシャミーと出会いますが

今回の話し合いは、娼館の全員が同席すると教えられます。

3日後、話し合いのために娼館を訪れます。

今回は昼を食べたのち、すぐに訪れましたので13時40分に娼館に着きました。


「アーダリ様、お待ちしていました」


娼館に着きましたら、エルリカさんが丁度外に出てましたので

わたくしたちに気づいて声をかけました。


「こちらこそ、お時間をお伝えするのを忘れていました」


3日前に約束した時、時間を決める事を忘れていました。

ただ、13時から16時までなら良いと言っていたので、この時間に訪れました。


「別に良いですよ。こちらもいつおこしになっても良いように、お待ちしていました」


「そうでしたか」


「なので、中へどうぞ」


「では、お邪魔します」


「失礼します」


わたくしとアメリーは3日前と同様、受付裏の部屋に通されます。

そして、今日初めてお見かけする女性がおりました。


「はじめまして、アーダリと申します。こちらはメイドのアメリーです」


「どうも、アメリーです」


わたくしとアメリーは女性に挨拶をします。


「ああ、あんたがアーダリとアメリーか。公爵家の娘って言うから、どんなのが来ると思ったけど

どちらもなかなかかわいいじゃないか」


と言いますが、この女性は胸が大きく、長そでの服を着てはいますが

あえて胸が見えるようにし、いかにも娼婦という感じです。


「あたいはシャミーで、ここの娼婦さ。よろしく、アーダリ」


女性はシャミーさんと言うそうですが、貫禄があり、ベテランの娼婦のようですね。


「シャミーさん、よろしくお願いします」


「エルリカから聞いてるけど、ここを買い取るそうじゃない」


「買い取るかはまだわかりません。それに、本日はその話し合いに来たのです」


「そうか、そうか。ま、エルリカにあたいとルベアも同席しろって言われるけどな」


シャミーさんはそう言って、にひひっと笑いますが、どうやら娼館の皆さんが同席するようです。


「そうなのですね。エルリカさんだけかと思いました」


わたくしはこう言いますが、大事な話ですし、買い取った後の話合いもしないといけませんので

初めから皆さんが同席するのは良い事です。


「大事なお話ですので、娼館の全員に同席を頼みました。といいましても、全部で5人しかいませんが」


エルリカさんは全部で5人と言いますが、エルリカさん親子に、娼婦2人の他にあと1人いるようです。


「そうでしたか。5人と言う事は、あと1人いるということですよね?」


「はい、警備担当が1人います。遊郭の規則で、警備担当を1人付けないといけない決まりなので」


遊郭の決まりで、警備担当を必ず1人付ける決まりがある事を初めて知りました。

しかし、考えてみましたら、問題が起きた時に対処する者がいないとなりませんよね。

あと、警備担当と言う事は男性ですかね。

本音を言いますと、男性は居て欲しくないのです。

しかし、警備担当なら仕方がないですね。


「その警備担当は男性ですか?」


わたくしがエルリカさんに聞きますと


「いえ、女性です。以前は男性もいたのですが、色々あって今は女性しかいません」


と答えました。


(警備担当の方も女性でしたか。なら、安心ですね)


わたくしは全員が女性で安心します。

わたくしは男性が嫌いと言う訳ではないのですが、女性のためのサロンと言う事と

同性が好きな女性は男性が苦手や嫌いな方が多いです。

なので、女性だけと言うのは都合が良いですね。


「女性だけなのですね。警備の方も女性とは意外でしたね」


「はい、以前雇っていた男性の警備担当が辞めたので、陸軍を退役し、仕事を探していた幼馴染に頼みました。

退役軍人なので、女性ですが頼もしいですよ」


なるほど、エルリカさんの幼馴染の退役軍人なのですね。

ならば、女性と言っても頼もしい方ですね。


 王国は他国に先駆け、軍に女性の入隊を許可した国です。

最初は他国から『フローレンは女に頼らないといけない程、人材がいない』と言われました。

実際に人口は他国と比べて多くありませんが、人材がいない訳ではありません。

人材は十分いるのですが、補佐や後方支援の人数が足りなかったためです。


 なので、初めは女性は前線に出るよりも、補佐や後方支援の輸送や手続きに携わっていました。

しかし、女性自身から自分たちも前線に出たいと言う声が高まる、兵士になる女性が誕生したのです。


「その方の姿が見えませんが、まだいらっしゃないのでしょうか」


警備担当らしい方の姿は、見当たりません。


「遊郭の外に住んでおり、家の事がありますので少し遅れてきます。ただ、間もなく来るとは思います」


エルリカさんは間もなく来ると言いますが、遊郭の外から来るのですね。


「遊郭の外から来るのですね」


「はい。遊郭の外から来る方も多いですよ」


「そうなのですね」


娼館で仕事をしている方は、遊郭内で暮らしているのかと思っていましたが

遊郭の外から通っている方もいるのは知りませんでした。


「はい、娼婦も半分ぐらいは遊郭の外からの通いです」


「そんなにですか」


娼婦の半分が通いというのも意外でした。


「はい、自分から娼婦になった方は遊郭から出入りが自由です」


「出入りが自由なのは知りませんでした」


わたしは『娼婦は生活苦や借金を抱え、返すためになった』と本に書いてあり

遊郭の外へ出る事も禁じられていたと書いてあり、条件付きですが出入りが自由なのは意外でした。


「娼婦の半分が通いというのは、あまり知られてませんからね」


エルリカさんが言うとおり、知りませんでした。

ただ、出入りが自由と言う事は、娼館の営業前なら遊郭から出る事が出来ると言う事です。


「出入りが自由と言う事は、娼館の営業時間外なら遊郭の外に出れるのですね」


「はい、可能です。ただ、ルベアさんは借金を抱えてここにきましたので、出る事が出来ません。

シャミーさんは出入りは自由ですが、本人はその気がありませんので」


「そうですか……」


ルベアさんはそもそも出入りが不可能、シャミーさんは本人にその気がないとの事です。


(出入りが自由なら、方法を考えたのですが……無理そうですね……)


エルリカさんから良いお話を聞けたのですが、すぐに最初の考えはダメになりました。


「すみません、掃除が終わるのが遅くなりました」


ドアが開くと、声がしましたがルベアさんが部屋に入ってきました。

ルベアさんの姿もありませんでしたが、掃除をしていたためでした。


「ルベアさんも来ましたので、話し合いを始めましょう。

お母さんも、早く席についてください」


エルリカさんがこう言いますと


「お茶とお茶菓子を準備してましたから、いただきながらお話ししましょう」


とヘルマさんはお茶とお茶菓子を運んで来たのでした。


お読みいただきありがとうございます。


娼館は全員女性で運営されています。

男性もかつてはいましたが、現在は色々あっていません。

シャミーはベテランの娼婦で、ずっとリリーの館に居ます。


王国は早くから女性の軍への入隊を認めています。

人口が多くないので、後方支援のために女性を入隊させるようになりました。

しかし、武器が近代化され、銃での戦いが中心になったので

女性も前線に出たいとなり、現在は女性の兵士も多くいます。


ツイッター

@shiizu17

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