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第13話 アーダリは運動不足

ホテルを出て遊郭へと向かいますが、距離的にはホテルから直接遊郭へ向かった方が

距離的に短いんで、市電に乗らず歩いて向かいます。

わたくしとアメリーはホテルを出ますが、時間は14時10分ですが

ホテルの前の市電には乗らず歩いて遊郭へ向かいます。

ホテルから直接遊郭へ向かう場合、市電に乗りますと距離が遠回りになるためです。


「本当に直接歩いた方が速いのですか?」


アメリーは疑います。


「距離的にはホテルから直接行った方が速いので、多分です……」


とわたしは返事を濁します。


「もしかしましたら、市電に乗って行った方が速いのですね」

 

アメリーは市電に乗った方が速いのではと言いますが


(確か、ホテルから直接向かいますと、30~40分、市電の場合、大門通り口まで10分、遊郭まで20分ですね……)


計算をしましたら、同じか、市電に乗った方が速い事に気づきます。


「別に良いではありませんが、既に10分ほど歩きましたので」


わたくしは懐中時計を見ますが、ここまで来たら戻る方が時間がかかります。


「そのご様子だと、市電に乗った方が同じか、速かったのですね」


とアメリーも気づきます。


「とにかく、時間がありませんから急ぎましょう」


わたくしは誤魔化しますが、実際に時間はありません。


「そうですね。では、急ぎましょう」


わたくしとアメリーは、少し速足で遊郭へと向かいますが


「ア、アメリー……待ってください……」


とアメリーとの距離が開いて行きました。


「もう、時間がありませんのに、何しているのですか」


アメリーは不機嫌な口調ですが、それでもわたくしを待ちます。


「す、すみません……」


わたくしは息を切らせますが、以前はこれぐらいは問題なかったのですが

ここ3か月間もホテルに籠る生活により、運動不足になったようです。


「ホテルに籠っていましたから、運動不足のようですね」


「そうですね……」


「とはいえ、休んでいる時間もありませんので急ぎますよ」


アメリーはこう言って、腕をつかみます。

街の中で手を引いてもらうのは恥ずかしいのですが、今回は手を引いてもらった方が良いです。


「ありがとうございます……」


「お礼は後です、行きますよ」


アメリーはわたくしの手を引きながら、遊郭へと向かいました。


「さ、着きましたよ。14時50分なので、思ったより速かったですね」


アメリーは懐中時計を見ています、40分程で来たようです。


「はぁはぁ……思ったより早いですね……」


わたくしは息が切れていますが、一応市電に乗るよりは早かったようです。

しかし、以前は剣の稽古や街に出て歩いていましたので、運動はしていました。

1か月ホテルを出なかったり、その後もホテルで過ごす事が多く

運動をあまりしていなかったので、体力が落ちた様です。


「休んでいる暇はありませんが、汗をかいたままではいけませんので、汗を拭いてください」


アメリーはそう言って、拭くものを差し出します。


「あ、ありがとうございます……」


わたくしはアメリーから差し出された拭くものを手にすると、汗を拭きます。

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「あまり拭きますと、メイクが崩れますよ」


「わかっていますよ。それに、もう拭きましたので」


わたくしは拭くものをアメリーに返します。

そして、汗を拭いている間に息が整いました。

11月になりましたので、気温が下がり丁度良くなりました


「では、行きましょうか」


「そうですね」


わたくしとアメリーは、昨日の娼館に向かいました。


 娼館へ着きましたが、大門からここまで10分ほどかかりました。

そして、昨日は見かけなかった女性が掃除をしています。


「すみません、少し良いですか?」


わたくしは女性に声をかけます。


「はいなんでしょう……って、アーダリ様ではないですか!」


声をかけた女性は、わたくしを見ると驚きます。


(家を出て3か月ほどだと、まだまだわたくしが平民だと思えないようですね)


平民になったという報道はされましたが、家を出て3か月ではまだまだ公爵令嬢という認識の様です。


「驚かせてすみません。昨日、エルリカさんとヘルマさんとお会いしたのですが、

本日もお会いしたいと思い訪れました」


わたくしは微笑みながら、昨日の事で訪れたと伝えます。


「あ、それならエルリカさんとヘルマさんから聞いています。

わたしはここの娼館で娼婦をしています、ギルベアタといいます。呼びにくいので、ルベアと呼んでください」


女性はルベアさんと言う方で、この娼館で働いている娼婦の方の様です。


「わかりました、ルベアさんとお呼びします。エルリカさんとヘルマさんはおりますか?」


「はい、いますのでお呼びしますので、お待ちください」


ルベアさんは娼館に入り、しばらく待ちますと、エルリカさんが出てきました。


「アーダリ様、いらっしゃませ。本日はどのような御用ですか?」


「本日は昨日のお金を支払った事をお伝えに来ました」


「そうでしたか、ありがとうございます」


エルリカさんはお礼を言い、深々と頭を下げます。


「エルリカさん、頭を下げる必要はありませんよ」


「いえいえ、1万2000アニーも立て替えてもらいましたので、お礼はさせてください」


エルリカさんはお礼をさせてくださいと言いますが、それよりも女性のサロンのお話をしたいと思います。


「お礼は十分伝わりましたので、頭をあげてください。それより、お話を聞いて欲しいのですがよいですか」


「わかりました」


エルリカさんは頭を上げます。


「お話はお聞きしますが、本日はあまり時間があまりありませんよ」


エルリカさんは時間がないと言いますが、アメリーが懐中時計で時間を確認します。


「現在は15時10分ですね」


「もうこんな時間ですか」


時間を考えますと1時間程しかありません。


「アーダリさんが起きるのが遅かったからです」


アメリーはわたくしが起きるのが遅いと言います。

確かに、もっと早く起きる予定ではありました。

ただ、昨晩の夜の触れ合いが少し盛り上がたのと、お酒により起きるのが遅くなりました。


「昨晩の事がありましたから、起きるのが遅かったのです」


「わたしはちゃんと起きましたよ。昨晩はわたしがアーダリさんを気持ちよくしましたが……

エルリカさんもおりますし、この話はここまでにします」


アメリーは、昨日の夜の触れ合いの事を言いましたが、

エルリカさんがおりますから、これ以上はやめます。

ただ、エルリカさんは気にしている様子はありません。


「本日はわざわざお越しいただきましたが、時間がないのでまた後日でどうですか?」


確かに、本日はしっかりしたお話が出来ませんね。


「そうですね、しっかりとお話合いたいですのでまた後日ですね。ただ、出来るだけ早くお話をしたいです」


「わかりました。毎日足を運んでいただくのは気が引けますので、3日後でどうでしょう」


エルリカさんは気を利かせ、3日後を提案します。


「わたくしとしては、明日でも良いです。しかし、お気を利かせてくださいましたので、3日後でよろしいです」


エルリカさんが気を利かせてくださいましたので、3日後に訪れる事にします。


「では、13時にお越しください」


「わかりました」


わたくしはエルリカさんと3日後に再び会う約束をしました。


「では、わたくしはこれで失礼します」


わたくしはこれでホテルに戻る事にします。


「もうですか?時間はないと言いましても、お茶を飲む時間はありますよね」


とお茶に誘います。


「そうですね。では、少しお邪魔させていただきます」


折角のお誘いなので、お受けします。


「では、中へお入りください」


「わかりました」


「失礼します」


お茶に誘われましたので、わたしとアメリーはエルリカさんと共に娼館の中に入るのでした。

お読みいただきありがとうございます。


市電はルート的に一旦遊郭から離れるので、遠回りになりますが

ホテルを起点にしますと、直角三角形の様になりますので

距離はホテルから直に行った方が短くはなります。

ただ、速度の関係で市電の方が速くなるかもと言う感じです。


アーダリは剣の練習は街で女性を引っかけるために、馬車でなく街を歩いていました。

アーダリが歩いても安全なほど王都は安全ですが、それでも念の為護衛は必要ではあります。


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@shiizu17

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