第12話 夜のアーダリ
夜になり、アーダリはお酒を飲みながら1日をふりかえります。
そして、ワインで酔ったアーダリはアメリーを
ベッドの上での夜の触れ合いに誘います。
ホテルの部屋に戻りますと、部屋で入浴をし、食事を終えますと
お酒を少しばかり飲んで、ゆっくりしています。
「今日は色々ありましたね」
わたしはワイン片手に、アメリーにこう言います。
「あったといいますか、首を突っ込んだのが正しいですよね」
アメリーは入浴を済ませてもメイド服姿のままで、わたくしの言う事に突っ込みます。
「そうですが、あんな機会そうないですから、首を突っ込みますよ」
借金をかかえ、さらに経営難の娼館がこう都合よく見つかる事などないですし。
「それもそうですね。しかし、1万2000アニーを出すのもどうですかね」
アメリーはこう言いますが、娼館の税金がいくらかわかりませんが
恩を売れるなら1万2000アニーは、安いぐらいです。
「1万2000アニーで恩が売れるなら安いです」
わたくしがアメリーに言いますと
「1万2000アニーが安いとは、流石元公爵令嬢は言う事が違いますね。メイドをしていた頃のお給金の2か月分ですよ」
と呆れています。
ただ、2か月で1万2000アニーも十分貰っていると思いますが。
「言っておきますが、1万2000アニーはわたくしから見ても、安くはないですよ。
ただ、投資としては安いと言っているのです」
あくまでも投資として安いと言う意味であり、1万2000アニーが大した金額ではないと言ってはいません。
「それならいいですが、一体フリードリッヒ様からいくらもらったのですか」
アメリーはこう言いますが、通帳は3つあり、アメリーに預けてあるのは50万アニーが入った通帳です。
1万2000アニーもここから出し、ホテル代も出しているので、現在は50万アニーより減っています。
なので、アメリーは最低でも50万アニーであった事は知っていますが、全額はアメリーにも黙っています。
「アメリーでも、これはわたしの個人資産なので、すべてを教えられません」
「む、酔っている今ならポロっと金額を言うと思いましたが、ダメでしたか」
アメリーはわたくしが酔っている今なら、ポロっと金額を言うと思ったようです。
「お酒は少ししか飲んでいませんし、さほど酔っていませんよ」
飲んだお酒は、今手にしている小さいワイングラスを、半分空けたぐらいです。
「アーダリさんはお金を無駄に使う事がないので、ご自分で管理するのは別に良いのです。
ただ、メイドとしてお金の管理を任せてもらえないのは、残念に感じるのです」
アメリーはこう言いますが、気持ちはわかります。
使用人にとってお金を預けられるのは、信用の証です。
ただ、額が額なので、アメリーでなく、自分で管理したいのです。
「個人資産なのもありますが、額が額なので自分で管理をしたいのです」
「それこそ任せてほしいのですが、アーダリさんの資産なので我慢します」
とアメリーも渋々納得します。
ただ、アメリーが見たら、驚いて気を失う……ということはありませんが、さすがに驚く額です。
「それよりも……」
わたくしはワイングラスをテーブルに置きます。
「明日、13時過ぎに娼館に行きましょう」
約束はしていませんが、支払った事を伝えに娼館に行きます。
「アーダリさん、それはわかっています」
「ええ、借金取りにお金を手渡した時に話しましたから。単なる確認です」
「そうですが、アーダリさん、他にしたい事がありますよね?」
アメリーはわたしの顔を見て、察したようです。
「はい。このまま……夜の触れ合いなんてどうですか?」
わたしはアメリーを夜の触れ合いに誘います。
「はぁ、酔っ払いと言うより、単なる卑猥な男性ですね」
とアメリーはまた呆れます。
「別に良いではないですか。嫌ならよいですが」
わたくしはワイングラスを手に取り、ワインを口にします。
「もちろん良いですよ。では、ベッドに行きましょう」
アメリーはなんだかんだ言いながら、ベッドに誘います。
「ええ、そうしましょう」
わたくしは残りのワインを飲み干し、ワイングラスをテーブルに置きます。
そして、わたくしはアメリーとベッドルームに向かうのでした。
そして翌日。
「アーダリさん、起きてください。もう、13時ですよ」
わたくしはアメリーの声で目覚めました。
「んん……もう13時ですか……」
「そうですよ。娼館に向かうのではないのですか?」
アメリーは娼館に向かうと言いますが、もちろん覚えています。
「はい……娼館に向かいますよ……」
「なら、起きてください。今からだとあまり時間ないですよ」
すでに13時ということは、今から着替え、遊郭へ向かいますと……早くても2時間ですかね。
娼館に着くのは15時すぎですが、支払った事をお知らせに行くだけでもよいでしょう。
「そうですね……では起きますか……」
わたくしはゆっくりと起き上がります。
「さ、時間がないので、ベッドから出てください」
アメリーはこう言って、わたくしを無理やりベッドから出します。
そして、シャワーを浴びるため、寝間着を脱がし、洗顔と歯磨きをし、髪を整え、メイクを終えますが
このすべてが40分で終わりました。
「1時間はかかると思いましたが、流石ですね」
時間を短縮させても、しっかりと身なりが整っていますのは流石アメリーです。
「任せてください。さ、早く娼館に向かいましょう」
アメリーはわたくしの手を取りますが
「食事はまだですよ」
とわたくしは言います。
「何を言っているのですか?そんな時間なんてありませんよ」
とアメリーはわたくしを強引に引っ張り、ホテルから出たのでした。
お読みいただきありがとうございます。
夜の触れ合いは全年齢版なので、詳しくは伏せてます。
ひとまず、アメリーが攻めと言う事だけ言っておきます。
翌朝、やはり昼過ぎに起きるアーダリですが
アメリーの手早くかつ丁寧な準備で、少なくとも1時間かかる所を40分で済ませました。
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