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【Dead-bed】~アフターマン・ライフ~  作者: TAITAN
~楽園のネズミ達へ~
20/41

第19話「戦争とお菓子」


―――朝、登校時間帯8:09分。


『あん?』


 後ろを振り返ると見た事のあるバイクが並走していた。

 横に止めると相手も止まってくれる。

 オギさんだった。


「テメェ、それ……バイクにしたのか?」

「うん。妹がプレゼントしてくれたの」

「これをプレゼント……どんな神経してるんだか。はぁぁ……」


 何故かオギさんが溜息を零した。


「?」


「あのなぁ? 米国のフール・ハイテック社製の軍用機だぞ? 30万ドルとか」


 今、乗っているのは大型の2000CC相当のバイクだ。

 軍用車で全長2.1m。


 後部には大型のカーゴと呼ばれる防弾の風防と一体化出来るトランク部分が付いていて、内部は改造次第で二人乗りに出来たり、装備を色々付けられるようになっている。


 色合いは蒼に紫のストライプ。


 車高はかなり低めでタイヤは金属含有量60%以上という非常に摩耗し難いものを選んでくれたらしい。


(2人に感謝しなきゃ。シラヌイから教えて貰ってプレゼントを選んでくれるなんて、嬉しかったな……ふふ)


 風防は流線形で体を俯けに寝そべらせるようにして乗れば、すっぽり覆ってくれるし、車体の加速と車高の低さで被弾率も低い。


 電源の充電は5分で満タンに出来る。

 その上、一回の充電で凡そ700kmは奔れる優れものである。

 フォルムはスッキリとしていて、悪路走破性は抜群。

 対戦車地雷以外は傷が付くだけで装甲を突破出来ない。


 横の駆動部を覆うカウルは防弾装甲化され、人体を側面から守るようにして走行中は自動で前部から展開してくれる。


 なので、乗るバイクというよりは乗り込む一人用車両に近い。

 時速450km以上で1時間は走れるので公道のみならず山でも使える。


 偵察部隊で用いられるミリタリーバイクは性能だけで言えば、日本と米軍の独壇場という話であり、未だ現役で使われる一級品だ。


 先日オギさんとの会話を聞いていたシラヌイが2人に乗りものが必要と教えたら自分達で乗り込む車両を選びたいと言ってくれたのだとか。


「でも、これ乗るには免許が、って……余計なお世話か。AI制御専用のナンバープレートだもんな……」


「うん。これで今度お買い物に行こうってお話してるんだ」


「へぇ……これでねぇ。テメェに言っておくが、大手の駐輪場以外使うなよ。こんなんすぐパクられるぞ」


「パク?」

「盗難されるぞ」

「あ、うん。気を付けるね」

「朝っぱらから偉いもん見たな。さすが女帝の親類……」


「そう言えば、オギさんは朝あんまり見ないけど、いつも通ってるわけじゃないの? 数日乗ってるけど、見なかったから……」


「いつも通ってるよ。だが、親が煩いから半月は車なんだよ。じゃあな」


 オギさんがヘルメットを被って、走り出していく。

 それを追って地下駐車場の方へと向かった。


 ヘルメットはAI制御の自動運転車以外では使用が義務付けられているらしいのできっとちゃんと乗れるように訓練して免許もあるのだろう。


 日本の免許の試験はかなり難しいとの事なので素直に凄いと思ってしまった。


―――カナン女子地下大型イベントホール【製菓祭】会場。


「あら、いらっしゃいな。アズールさん」

「あ、こんにちわ。メルさん」


『!!?』


 カナンの学校では校内イベントと呼ばれる行事が沢山ある。

 理由は生徒を学校に通わせる上で飽きさせない為だとか。

 大昔と違って頭の出来や努力出来る資質すらも遺伝子でどうにかなる時代。


 当然のように優秀な子達しかいない場所であるカナンはとても校風的にも緩いし、学業を疎かにする人もいないし、学業が不得意でも別に問題無い人達しかいないので何よりもコミュニティや社会に溶け込む為の社交力を磨くのが第一らしい。


「ふふ、近頃噂になっていますわよ。あのオギ・ジュンコさんの他にも一人で大型バイクに乗って登校する生徒がいると」


「そうなんですか? オギさんが歩いて登校するのは良くないって教えてくれたので今はオートバイ登校なんです」


「そう……あの子も案外面倒見が良いのね」


 地下の大型イベントホールは一週間に1回は生徒会や各種の委員会。


 もしくは学校側の研修や諸々の会議会場といて使われている使用頻度の高い場所として生徒にも馴染み深いようだ。


 今は周囲が殆ど校内の食品取扱のある部活や遺伝子研究関連の部活が出したお菓子の見本市と化しており、出店された各ブースには知らないお菓子や材料が沢山出されていて、郊外からの関係者が集まって情報交換したり、立ち話したり、校内で出している料理人のレシピを確認したり、将来的なポストを餌にして勧誘したり、派閥争いでお嬢様達の人材を互いの分や背後の企業が引き抜いたりしている、らしい。


 勿論、全部シラヌイが教えてくれたのだが、取り敢えず見付けたメルさんのいた場所に来たのだ。


「メルさんはお菓子作りお好きなんですか?」

「ああ、いえ、わたくしは単なる賑やかしですわ」

「ニギヤカシ?」


「妹が実は遺伝子研究関連の博士号を取っていて、あの子の部活で出しているお菓子の売り子的な感じです」


「メルさん。妹さんがいるんですか?」

「ええ、わたくしと違って勉強は出来ないけど、天才肌の見本みたいな子で」


「天才?」

「ええ、話をすれば……ほら、あちらに」


 手で示された方を見やるとブースの後方の壁際でカチャカチャとビーカーに植物の種みたいなものを入れて掻き回している子がいた。


 メルさんは金髪碧眼だけれど、そっちの子は黒髪に黒目で眼鏡を掛けている。

 髪型は日本ではお姫様カットと呼ばれているスタンダードなもののようだった。

 ただ、顔立ちはラテン系だった。


『おぉ、出来ちゃった♪ これを~~こう!!』


 メルさんより1歳くらい年下だろう妹さんがビーカーから取り出した種をピンセットで取り出して掌に握ると種から溢れ出した新芽らしいものがいきなり大きくなって30cmくらいの茎と根を出して瞬間的に枯れてしまった。


『捗る~~』


「何をしているやら……はぁぁ……」


 何処か苦笑しているメルさんの瞳は呆れているものの優しかった。


「何をしてるんですか? 妹さん」


「さぁ? 花を一瞬で成長させて枯れさせる理由……種でも欲しいんじゃないかしら?」


 妹さんが大喜びで枯れた花の中心部からピンセットで確かに種を取っていた。


「あ、ホントだ……」


「あの子、遺伝子を弄るのが大好きなのよ。それも生物の中でも植物が……だから、将来は何処かの遺伝子関連の企業で研究者するって言ってて」


「そうなんですか」


「学力はまぁ、それなりですけれど。小さい頃から論文は発表してたみたいだから、家を出たらきっと一角にはなりそうですわね」


 実験が終わったらしい妹さんがこっちにやってくる。


「おねー。はい。これ」

「?」


 掌から種を渡されたメルさんが首を傾げた。


「洗ってからコーヒーメーカーで挽いて、上からちょっとお菓子に掛けるといいよ。絶対、人気出るから」


「……あのねぇ。イーリ」

「?」


「怪しい成分は入っていないでしょうね?」

「大丈夫だよ。ワタシが作った香料だから」

「皆さん。お願い出来るかしら。一応、わたくしが最初に……」


 傍にいた子達がコクコク頷いてブースの後ろの調理現場にその種を持って行く。


「あ、この子がおねーの言ってた子?」

「ええ、そうですわ。アズール・フェクトさんよ」

「初めまして。イーリ・クロイツフェルトだよ。よろしく~」

「あ、うん。よろしくね。クロ……イーリさん」

「あはは。おねーが嫌がってた? 苗字で呼ばれるの」

「え、ええと……」

「そういうウチだと思っておいて。どうせ、この数年帰って無いし~」

「イーリ……」


 ジト目というのだろうか。


 呆れた瞳をメルさんから向けられた妹さんが両手を上げて降参のポーズを取る。


「解ったから、睨まないでよ。おねー。あ、もし植物の事で何か分からない事があったら聞いて。はい。これ連絡先」


 端末が出されたので思わず出したら、連絡先が交換されていた。


「ふふ~~それにしても綺麗だなぁ。あ、おねーは可愛い子には手を出すタイプだから、付き合ってる男の人とかいたら、逃げた方がいいよ?」


「イーリ!?」

「わ~~おねーが怒った~~」


 目を怒らせるメルさんから逃げるようにしてブースの後ろの方へと喜んだ様子でイーリさんが逃げて行った。


「ごめんなさいね? あの子、昔からああいう感じで……」

「あ、いえ、楽しそうに笑ってたし、良い子に見えました」

「そう? それならいいのだけれど、ええと、それと……」


「?」

「いえ、気にしないで頂戴……」


 ちょっとだけメルさんが頬を赤くしていた。


 何故か周囲から『?!!』という顔になる女の子が一杯いたけれど、調理現場から数人の子がお皿の上にケーキを一切れ載せてやってくる。


「副生徒会長。言われた通りのものを作ってみました。どうぞ」

「ありがとう。皆さん。では、まずはわたくしが……」


 気を取り直したらしいメルさんがフォークで黒い粉が僅かに掛った白いクリームと赤い果実らしいものが入ったケーキを切り取って、口に入れる。


「……?……っ……っっ」


 最初、困惑したような顔だったメルさんが途中から何か目を見開いて驚いていた。


「ど、どうしたんですか!? 副生徒会長!?」


 周囲の子達が慌てて訊ねる。


「んく。ええと、その……これは……アレですわ」


 ゴクリとケーキを呑み込んだメルさんが呆然として呟いていた。


「あれ?」


「味覚を変質させる物質が入っていますわね。それもかなり複雑な……」


「複雑?」


「その……アズールさん。食べてみてくれないかしら?」

「え、いいんですか?」


「え、ええ。わたくしの味覚だけではまだちょっと信じ切れないから」


「はい。それじゃあ」

「では、あーんして下さいな」


『?!!!』


 周囲で女の子達がザワザワしていた。


「あーん?」

「口を開いて……」


 メルさんに言われるままに口を開くとフォークでケーキが中に入れられた。


「んむ……んむ?……っ」


 ちょっと咀嚼してみた。


 最初は甘くてとっても美味しい。


 フルーツの酸味とクリームとよく合っていて、シラヌイが作ってくれるおやつと同じくらいに美味しかった。


 けれども、それからすぐにケーキのクリームの味が鳥肉のパテみたいな感じに変わって、更に果実の果肉が塩味のあるソースみたいに感じられるようになった。


「鶏肉をお塩で食べてる感じです」

「そう。やっぱり……」


 周囲がざわめく。


 さすがにケーキが鳥肉にはならないだろうという顔の女の子達だったが、皿を手渡された子達が少しずつケーキを食べて、同じような感想になったようでびっくりしていた。


「このケーキに使われているものの中で鶏肉原料のものはありませんわ。ですが、舌の味蕾を麻痺させたり、一部の味を感じさせ易くさせたり、匂いを感じる部位も弄れる物質を使っていますわね。そうやって鶏肉と共通する成分の味はそのまま鳥肉味の香りに変化させた。というところでしょうか」


 メルさんが解説してくれる。


「でも、植物でしたよ? あの種」


「遺伝子改良したのでしょう。加熱済みの鶏肉の香味を舌と鼻に感じさせる化学物質を生成する植物の類……まぁ、大手が使っている遺伝子食品技術ですけれど……脳に伝わる刺激を物質で直接騙すものっぽいですし、一財産くらいは築けそうな技術ですわね」


「さ、さすがです!! イーリ様!!」


 他の少女達が褒め始めるとブースの後ろでは『ケーキが鳥肉味になりましたわぁ!?』という声が響き始めた。


「あの子ったら……御免なさいね? 今日はこの辺で……イベント。楽しんで頂戴ね? アズールさん」

「あ、はい。面白い体験をさせて貰って、イーリさんにありがとうって伝えておいてくれれば……」


「ふふ、優しいのね。今度、時間があったらお茶でもしましょう? その時は連絡したいから、私的な連絡先でいいかしら?」


「あ、はい」


『!!!!?』


 周囲の女の子が更に驚いて固まっていた。


 端末を出すとすぐに公務用とは別の連絡先をくれたメルさんが騒ぎが大きくなっているブースの後ろに少し早足で去っていった。


 そのまま現場を離れると騒ぎを聞き付けて、大手食品企業の大人の人達が近付いていくのが見えた。


 ブースで出される鶏肉味のケーキと普通のケーキと粉を食べながら何やらざわついていたのでそれなりにスゴイ事になったらしいと分かったのだった。


 *


―――公安調査庁第12課所有機密庁舎最上階。


「増田の野郎が絡んでるのか?」


「ええ、まぁ、そういう事です」


 大きな一室のデスクのある部屋はその主の肩書とは非礼していないかのように小さなものだった。


 硝子張りの壁の内部。

 公安調査庁第12課の課長が溜息を吐く。


「あのさぁ。解ってると思うけど、ウチは法務省から防衛軍の外局に鞍替えした時から、軍の管轄になってるわけよ。嶋利(しまり)課長」


「存じてますよ。嵐田(あらしだ)課長」


 眼鏡姿の30代に見える痩身の男がデスクの主である60代の男に頷く。

 嵐田と呼ばれた男は剥げ上がった頭をボリボリと掻きながら溜息一つ。


「不明な軍事力なんて望んでないわけだ。それでも傭兵とやらの情報は開示出来ないと?」

「ええ、クライアント兼パトロン様からの指示でして。増田さんが法務的にもガッチリやってますよ」


「第13課はこの数年で出来た部署なわけだが、それを考慮してもちょっと情報共有が無さ過ぎやしないか?」


「仕方ありません。事実上、我が公安調査庁の年間予算の6割を現物で支給して下さるパトロン様の御意向ですよ」


「はぁぁ……傭兵。傭兵かぁ。連中が殆どいないのが日本の良いところの一つだったと思うんだがなぁ」


「良し悪しですよ」


 嶋利と呼ばれた男が肩を竦める。


「こっち側が依頼したとはいえ。それでもあの所業は民間戦力の範囲を逸脱していると思うんだが?」


「まぁ、バイオンの方ですから」


「はは、オレはてっきりパトロン様の新型兵器実験部隊でも来たのかと思ったよ。どうやったら国内の麻薬シンジケートの本部を落して、国内海賊の親玉を潜水艦と一緒に海の藻屑に出来るんだ?」


「単なる火力ですよ。それと実験部隊なら国外で存分にやってますし、今更日本に置く理由もありません」


 嶋利が肩を竦める。


「だろうとも。だが、海での一件から見るに中隊規模。それも最新鋭の隠密機器を使ってるように思える」


「どうでしょうか? 公安のドローン保安員のデータを書き換える程度なら、何処の諜報機関もするでしょう。あちらも秘密主義なだけでは?」


「潜水艦を撃沈するとか。どう考えても歓迎される観光客ではないし、日本国内に政府と米国以外が使える魚雷なんて在って欲しくないんだが……」


「そっちの件は野党に言って下さいよ。彼らが武器商人の背後にいた米国の口車に乗せられたのが原因なんですから。それとあくまで“魚雷のようなもの”ですよ。嵐田課長」


「灰色を白にしろってか?」

「我々がそもそも灰色なのですから。そこは左程問題ではないでしょう」


 嶋利がまた肩を竦める。


「で、その傭兵共に今度は与党から依頼があると」

「仕方ないでしょう。我々の尻拭いです」

「言ってくれるな。これでも民間人を護ろうと必死なんだぜ? 若造」


 嵐田の目が相手への非難の色を帯びる。


「生憎と民間人ではありますが、一般人ではありません。彼らがカルトの狂信者であるのはどの指標からも確実なのですが、もう一度資料見ます?」


 その言葉に苦悩を僅かに滲ませた嵐田が視線を逸らした。


「……解った。偵察衛星の使用許可は?」

「あの施設相手では意味ありませんが、お使いになりたければどうぞ」

「そうさせて貰うよ。やれやれ、国民様を大虐殺かよ」


 嵐田課長が溜息を吐いて愚痴る。


「おかしな事を言いますね。国民とは日本を脅かさない一般人の事ですよ。自覚が在ろうと無かろうと。このままでは低強度紛争地帯まっしぐらです」


「………」


 事実を前にしては感情論など意味が無い。

 というのが、この界隈の真実である。

 それを知るからこそ、嵐田は沈黙せざるを得なかった。


「お分かりかと思いますが、そうなれば、国連軍の駐留を許す事になる。米軍だけでお腹一杯の日本にそんな負担をさせられるとでも?」


「はぁ、生き残りがいる事を切に願うよ」


「さて、どうでしょうか。やり方を見るに徹底していますし、あの国内に半合法的に造られた要塞が無くなっても、私はまったく驚きませんね」


「……嫌な時代になったもんだ。政府もあのクソ企業の商品買っちまうしなぁ」


 近頃、彼らが危ないと進言した米国の大手企業から日本政府が色々と買い込んだのは嵐田にとっては嫌な話題の一つだ。


 だが、今のところ問題無いとした最終報告書を挙げたのは目の前の若造である為、愚痴りたくもなるというものだろう。


「時代ですよ。外注してコストを安く済ませられるなら、それに越した事はありません。今の日本の命綱は宇宙開発ですし、地表で問題は起こせませんよ」


「月面、火星、土星、水星……幾ら金が掛ってるんだか」


 日本政府は140年程前から宇宙開発に年間予算の9%を投資する世界でも米国に次ぐ宇宙開発強国の地位を維持している。


「いいじゃないですか。地球にしがみつく為の都市開発コストを宇宙時代の未来に振り分けた英断だと私は思いますが」


「フン。宇宙人になりたいヤツの気が知れん」


 嵐田が鼻息も荒く卓上の珈琲を呷った。


「将来的に宇宙人は日本人と呼ばれるようにこの宇宙進出時代、互いに頑張ろうじゃありませんか。嵐田課長」


 嶋利の顔はまるで相手を化かす狐のようだと中間管理職たる男は思う。


「地球人でいいよオレは……こんな事なら早く戦争になーれってなもんだ」


 まるで、そうなれば、何もかもに心が痛まなくて済む。

 そう言わんばかりの苦悩の滲む鬱々とした言葉だった。


「あはははは!! 第七次まで人類が滅んでいなければ、良心が要らない仕事は幾らでも回って来ますよ。ええ、まったく。本当に。幾らでも……ね?」


 ウィンク一つ。


 お茶目な嶋利の様子にゲッソリした嵐田は娘から今朝一で学校行事で作ったからと送られて来た卓上のピンクの包み紙の中からクッキーを取り出し、親の仇のように齧るのだった。

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