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第0話「特急念話士からの報告」

「特命調査班より王宮対策係へ緊急連絡、送れ」


 夜も静まり始めたころ、突如として念話が入った。

 接敵予定は明後日以降だった為、今は夜の待機番である自分しかいない。


「こちら対策係、予定より早い念話だが異常あったか、送れ」


 程度はわからないが、何かあるから報告が来たに決まっているのだ。

 今の時間なら勤勉な王はまだお休みになられていない。

 自室で頭を悩ませているはずだ。

 先んじて王の自室へと向かって走る。


「情報のあった村より2つ手前の町にて接敵した、王に直接報告する手筈になっている、送れ」


 王の自室に着き、扉を守る近衛兵に事情を説明すると中へと通される。


「王!夜分に申し訳ございませんが緊急の念話でございます」


「よい。報告をそのまま声に出せ、脚色はするな」


 念話は事前に接続した魔術師同士にしか聞こえない。王への報告は自分が声に出してすることになる。


『王、不敬ながら火急にて率直に報告いたします』

『予定より2日早く敵に遭遇しました、場所はアーダインの町です』

『到着時点で街は死者の大群に侵攻されていました、数は目測で200ほど』

『動きは緩慢なため町の衛兵と我が調査部隊によって問題なく対処できていたのですが、墓から突然這い出て来た死者によって町民に被害がでています』

『襲われた人々が発狂して暴れているため戦闘区域よりも町内のほうが混沌としています。ここももう長くはもたな…』


 言い終わらないうちに念話が途切れ、何度呼びかけても反応はない。

 王も怪訝な顔をしている。


「どうした?報告は途中で切れたのか?」


「はっ、そのようです。しかし調査班の念話士は戦闘魔術師としても一流ですので、よほど不意をつかれでもしなければ万が一は無いと思いますが」


「ふむ、では戦闘態勢にも関わらず不意をつかれたということであるか」


 王の眉間に皺がよる。

 情報は増えたが決定的なものは無く、不安材料ばかりが増えた形だ。

 不確かな情報で物事を決断するのは難しい。だが王は腹を決めたようだった。


「勇者を呼べ!これはおそらく自然発生の災害ではない」

「大元がいると仮定し討伐隊を編成する」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 分かりやすく説明されており頭の中で再生することが容易にできた。 [気になる点] 本当にちょっとした事だけど念話での送れにという言葉に違和感を感じた。この世界特有のものだろうから変えなくて…
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