プロローグ
名前長ぇ…
初めまして、ダフニーヴ・ド・ライラ と申します。
御歳18歳、そして、享年も18でございます。
ダフニーヴ伯爵家の次女として、この世に生を受けました。
さて、自己紹介も済んだことですし、今の私の置かれている状況をお話いたしますね。
私は今
断頭台にいます
もちろん、見学に来ているわけでも、異常がないか点検に来ているわけでもありません。
斬首するんです。誰を?もちろん私を。
こんな所で自己紹介をするのは大変不本意ですが、おそらく3分後には
この「絶世の美女」と呼ばれたかんばせを持つ私の頭と、
豊満な肉体と雪のように白い肌が共存した私の身体が永久におさらばしてしまうので、お許し下さいませ。
さてさて、ついに処刑されるそうですわ。
首元で短く切りそろえた髪だけが、少し心残りです。
私、この美しい顔や魅惑的な身体よりも、夏の太陽のようにきらめく美髪が誇りでしたの。もちろん他も自慢ですが。
あぁ、あの髪を残したまま斬首してほしかったのですが……それはそれで苦しむことになりそうですわね。
ついに首を抑えられ、私の短い人生の幕引きが迫ってきましたわ。
目の前には群衆達。何やら怒っているようですが、私の罪ではないので知りませんわ。
婚約者に何やらはめられて、戦争の敗因が私のせいになっているそうですが……
ふふ、自分が何の罪で殺されるのかも分からないとは、最早笑いが込み上げてきますわ。
「オーーーーッホッホッホッホ!!」
クセで最期まで直せなかった高笑いをすると、先程まで怒りをぶつけていた群衆が静まり返った。
哀れね、少し大きな音が聞こえただけでビクついて。まるで群れたドブネズミのよう。
さようなら、名前も知らぬ人達。もし、もし次会う時は……
あなた達からせしめた金で、豪遊してやる。
サブ小説としてちまちま書きます